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旅の前に 7

投稿いたしました。

見てみて下さい。

確かにそうなのだ。

この世界、程度の差はあれ、弱肉強食だ。

魔物も居れば、悪魔もいる。人が死ぬ事が生活の中にあって何時も隣り合わせの世界だ。

弱者がそんな中で生きていこうとすれば、大きな力に屈するか、自分が賢くなるか、もしくはそれらに関わらず生きていくしかないのだ。

それを怠った者は滅ぶしかない。

リデリアはそれを怠った。

だから、今の様な状況に陥った。ただそれだけなのだ。


「そうです。私は自分が未熟だった事を判っていませんでした。ちょっと人より魔工師の技術が長けているからと言って、奢っていたんだと思います。ダルナン商会という名前だけで信用して、契約の内容を確認しなかった私が馬鹿だったんです。」


俯き自分を責めるリデリア。


「そうですね。実際その契約内容を確認した他の魔工師の方の中には契約せずに去った方もちゃんとおられたようです。」


それに追い討ちを掛ける人影。


「そうですか。やはりしっかした人はちゃんと判るんですね。もしやり直せるなら今度は・・・」


視線を下に向け悔しそうに唇を噛むリデリアを見入る人影。


「ふん、本当は今度なんて事はないのですけどね・・・・リデリアさん、やり直したいですか?」


俯くリデリアにその人影は問い掛ける。


「・・・もし、もしやり直せるなら・・・」

「では、我が主に忠誠を誓うと約束してくれますか?」


人影は、にこやかな顔でリデリアに問う。


「それは、私をその主さんの為に馬車馬の様に働けとか、奴隷になれと云う事なんですか?」


視線を上げ人影を睨みつける。


「良いですね。そのくらいの慎重さは大事ですよ。合格です。失敗は乗り越えられれば糧になるのです。これを教訓に次に役立てて下さい。」

「え?その良いんですか?」

「はい、我が主は、あなたのその魔工師の技術を高く買っておられます。その力存分に奮ってくれるのを条件にこの窮地から助けてあげます。それと馬車馬とか奴隷とかは絶対にありませんから。なんでしたら誓約の魔法を交わしても構いませんよ?」


誓約の魔法は、お互いが交わした約束事を違えた場合、その人間に誓約した絶対魔法だ。


「誓約魔法ですか。判りました。私もこれ以上失敗したくないですから、お願い出来ます?」

「はい、その判断で良いですよ。」


そう言って人影は目深に被ったフードを持ち上げ、初めて顔を見せる。

すると今まで希薄だったシルエットがハッキリとリデリアの目に写った。


「あ、綺麗・・・」


リデリアは、今まで話していた、どこか突き放した物言いの感じとのギャップについ言葉を漏らしていた。


「あの~、お名前教えていただいても宜しいいですか?」

「ん~、良いわよ。どうせ誓約魔法を交わす為にはお互いが本名を言う必要があるもの。私はカーナ宜しくね。」


自己紹介しながらウインクするカーナの姿にドキッとしてしまうリデリア。

それだけリデリアにとってカーナは綺麗でそして格好良かった。


私もこんな女性になれるだろうか?


「さて助けてあげる事は決まったんだけど、ちょっと協力してほしい事があるんだ。良いかな?」

「え?」

「どうせなら、こういう悪徳商人やその後ろにいる連中に少しは痛い目にあってもらおうかなってね。」


先程の優しく格好良い笑顔ではない、獲物を狙う獣の様な威圧感のある笑顔を見せるカーナにリデリアは背筋が寒くなるのを感じた。


そして、結局は使われる運命なのかな? 私って。と思うリデリアだった。

読んでいただき有り難うございます。

また、お願いします。

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