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旅の準備 4

久しぶりの投稿です。

遅くなりすみませんでした。

「いらしゃいませ。」


店内に入ると、その豪華さに目を奪われる。

床一面を赤い絨毯が敷かれており、ブロスフォード家の部屋の天井よりも1.5倍の高さはありそうな天井には、どれくらいの数のクリスタルで意匠されているのか解らないほどの豪奢なシャンデリアがまだ午前中だというのに、店内に陳列されている多くの宝石をキラビヤカに見せる為に光り輝いていた。

これ、魔法灯だな?

いったいどれだけの費用が掛かってるんだ?

こういった如何にも高級店は前世でも今世でも良心的な価格の宝石なんて絶対に無いような気がする。


店内に入り最初に挨拶をしてくれた店員は、僕達の姿を見ると少し眉尻が上げ、笑顔の口の端が下がったように思えた。

ああ、これは駄目な気がする。

そんな店員の態度に気付かなかったのかシアは微笑みを絶やさず、店員の前へと進んでいった。


「少し見させてもらってもいいでしょうか?」


シアの丁寧な言葉に、店員は少し考えたそぶりをしてから、小さく頷き、どうぞと奥の方へと手を指し示した。


「シア、良いの? なんか感じが良いとは言えないよ?」


僕がシアの耳元で店員に聞こえない程の小さな声で尋ねると、僕の方を笑顔で振り返り頷いていた。

まあ、シアが良いなら僕は構わないけど、一応注意しておくか。


「レン様、これ見てください。とても綺麗ですよ。」


シアは店の右端の小さなショーケースの中にある、この店の中ではあまり意匠にこだわらない宝石が並べられている方の前で目を輝せて見つめていた。


「あの店の真ん中にある、ネックレスや指輪よりは質素だけど、作りが丁寧な感じだね。」


僕がショーケースを覗き込むシアの横で同じように見ながら感想を言うと、僕の方を見つめてニッコリと微笑み掛けてくれる。


「えへへ、やっぱりレン様もそう思います? それにこの宝石に使われている魔石の純度結構良いものだと思います。」


シアの言葉に僕もその魔石を良く見ると、その透明度とか魔力の保持状態がとても良いものの様に見えた。


「そうだね。これ職人の腕が相当良いんだろうね。」

「はい、私もそう思います。」


僕達がそんな会話をしていると、後ろの方に先ほどの店員が近づいてくるのが判った。


「どうです? その指輪の3点ですがあまり品質が良いものでは無いので売れ残った品なんですよ。宜しかったらどうです?あなた達見たいな冒険者の掛けだしにはそれでも高価でしょうけど、買ってもらえるなら若干値引き致しますよ?」


僕とシアはお互いを顔を見合わせる。


「これで品質が悪いのですか?」


シアが店員に尋ねると、小馬鹿にしたように口の端を上げ、やれやれといった感じの店員が説明しだす。


「まあ、素人にはわからないでしょうが、この魔石、普通より小さいんですよ。これだとそれほどの魔素を保持していないでしょうし、それにこんな見栄えの悪い物、この店で出すような代物でもないんですが色々ありまして、仕方なく売ってるしだいなんで。」


両肩を竦めやれやれといった感じで話す店員に僕達は不思議に思う。

これがそんなに品質が良くないと言うのか?

確かに小さいけど、中の魔素保有は相当凄そうなんだけどな?


「そうですね、買っていただければ、3点で12万エルンのところを9万エルンで良いですよ。それぐらいがあなた達でも買えるギリギリの線ですかね?」


ん~、何かこの店員、言葉の端々に嫌味を感じるのは僕達が冒険者だと思っての事なんだろうか?

確かに、貴族とか王族とか判らないように服装も普通の冒険者っぽくはしてるけど、そこまで対応が違うものなのか?

そういえば、店の奥の方のショーケースを眺めてる如何にも貴族の御婦人といったおばさんには、店員が3名着いていてあれやこれやと次々に宝石を進めてるのが見えるが、どの店員も満面の笑顔とこれでもかって云う丁寧な言葉使いで対応している。

見た目で客を選んでるんだろうな。

まさか、この女の子がファルシア姫だなんて夢にも思わないんだろうけど、これ程差があるのもどうかと思うんだけどね。

ただ、売る気がない訳じゃなさそうだし、それにこの魔石を使った宝石、値段以上に価値があると思うんだよね。

そこでちょっと店員に聞いてみることした。

読んでいただき有り難うございます。

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