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メイド達の狂騒2

「それでは一斉に引くわよ。」

「「せーの!」」


息の合った掛け声と共に、メイド長の手から一本を残し全てが抜かれた。


「だ、誰?」

「違ったあ!」

「また・・・」


悲喜こもごもなメイド達のざわめきの中、メイド長は自分の手に残った串の先端を目を細めてゆっくりと見た。


「だ、駄目でした。」


肩を落として、物凄い落ち込みようのリーシェンメイド長。

そして一体誰が当てたのか、誰も名乗りを上げないので不信に思い出したメイド達が自分の横にいる他のメイドの串を確認しはじめた。


「どうしたの? 誰が当てたの!」

「メイド長!!」


突然一人のメイドが大きな声をあげた。


「この子です!クミさんです!」


大きな声をあげたメイドの子が指指すその先には、一本の串を握り締め微動だにしない女の子がいた。


「どうしたのです? クミ。あなたが、今晩のレン様のお世話係に決まったんですよ。」


リーシェンメイド長がクミと言うメイドに話しかけるが、いっこうに動く気配がなかった。

様子のおかしいクミに、メイド長は近づき肩を叩くと、そのままの体制でドテっと床へ倒れ込んでしまった。


「ク!クミさん!?」


メイド長の声はクミには届かなかった。どうもクジに当たった事に感激し過ぎて気絶してしまったようだ。


「し、仕方ありませんね。クミさんは棄権と云うことで、ここは私が代理と云うことで、」


「異議有り!です。」


真っ先に手を挙げたのは先程、クミさんのクジを確認した彼女だった。


「な、何ですか?レコナさん。」


リーシェンメイド長は異議有りと挙手するレコナに対して、平然とした顔を作り対応する。


「それは職権乱用ではないですか? もう一度厳正なクジのし直しを要求いたします!」

「しかし、またクミさんみたいに倒れられても困りますし、ここはカーナさん以外で一番レン様免疫が出来ている私が行った方が無難ではありませんか?」


メイド長はいかにも当然といった感じでレコナを諭す。


「そんな事はありません! この日の為に、可愛いものに対する耐性を上げるために血の滲むような努力を私たちはして来たんです! どうか!公平なる裁定をお願い致します!」


必死の形相で嘆願するレコナ。


「解りました。それでは再度同じ方式でクジ引きいたします。しかし!今度選ばれた者がクミさんの様に倒れたら、今度こそ私が代理として、」

「「「却下です!!」」」


「う!と、取り合えずクジを引きますよ。」


どちらも引かない攻防の中、再度のクジ引きが敢行された。


「い、やあったああああ!!」


先端が赤く塗られた小さな串を握り締め、高だかと振り上げたのはレコナだった。リーシェンは肩をがっくりと落とし、他のメイド達も項垂れ意気消沈してしまった。


「負けましたは、レコナさん。それでは今日のレン様、就寝までのお世話をレコナさんにお願いいたします。」


平然とした喋りでクジの結果を確認するリーシェンメイド長の顔は悔し涙で濡れていた。それとは対照的なレコナの顔はこの世の春が訪れたかの様な晴れやかな満面の笑みを浮かべていた。


「クミあなたの犠牲は無駄にしないわよ。必ず、生還して見せるからね。」


そう言って固く握り拳を作り、お風呂場という戦場に向かうレコナであった。


なんのこっちゃ。


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