旅の準備 1
投稿致しました。宜しくお願いします。
4月21日 サブタイトル変更いたします。
あの後、生きる屍状態になっていた現場に警備隊の騎士達が駆けつけて来て大変だった。
まあ、相手が結構ああやって新人を食い物にするので有名だったらしく、叩きのめして却って感謝されてしまったのはご愛敬でしょう。
取り合えずあの状態で死人が出なかったのは奇跡に近いと警備隊の人に呆れられていたのは僕も同感だった。
その後は周辺の片付けを手伝って、破損家屋や公共物の弁償金を支払う書面を交わし、その場は収めてようやく帰ることが出来たのだった。
「「レン様、本当に申し訳ありません。」」
僕は今ブロスフォードの邸宅に戻り、明日エルフの里に向けて出発する準備をしていた。
その横で同じように準備をしていたはずのリーシェンとカーナが謝ってきた。
「別にもういいよ。確かにちょっと? ばかりやり過ぎた感じはあるけど、それも僕を思っての事でしょ? 嬉しくはあっても怒ることはないから。でも反省はしてね。君達が本気で暴れると住宅街の一つぐらい直ぐに廃墟になってしまうんだからね?」
「「はい! 猛烈に反省します!」」
そう言って、二人は勢いよく深々とお辞儀をしてきた。
そうすると調度、二人より背の低い僕の目線くらいに二人の頭が突き出される様にあったので、ついポンポンと二人の頭を軽く撫でてしまった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?」
その格好のまま固まってしまって動かなくなったぞ?
「だ。大丈夫? リーシェン、カーナ?」
「だ、だ! だい、ひょう、びゅでしゅ!!」
リーシェンの上擦った声が響き僕がそちらに視線を送った瞬間。
カーナはそのお辞儀をしたまま勢いよく部屋の扉まで後退して、そのまま出て行ってしまった。
「きゃ、キャーニャしゃん! ひ、一人にしにゃいで!!」
「どうしたの? 具合でも悪いの? 何か耳赤くない? 熱でもあるの?」
訳がわからなず心配になった僕は、取り合えず目の前に残ったリーシェンの両肩を掴んで顔を起こすと、熱が無いか額に掌を合わせてみた。
「!!!!!!」
「う~ん、ちょっと熱っぽいかな? 良く判らないからこれでどうだ?」
僕が熱を出した時に良く母様が自分の額を僕の額に合わせて熱を見てくれてたなと思い出したので、リーシェンに実践してみた。」
「ひゃ! ひゃわ!?!」
「え?!」
僕が額を合わせた瞬間、リーシェンが変な声を出して気を失ったのか僕にもたれ掛かってきた。
咄嗟に体を支えると、体中が熱くなっているのに気付いて、そのままリーシェンを抱え上げると、僕のベットに運んで寝かせてあげた。
取り合えず、風邪みたいだから他のメイドに伝えて楽な格好にしてあげるように言っとかなきゃね。
それとメイドを呼ぶついでに、母様とお妃様が今、ブロスフォード家の一室でシアと色々話し合っているのでそっちにも顔を出しておくか。
準備はその後にしよう。
そう思って僕は部屋からリーシェンを寝かせたまま出ていく事にした。
一方、逃げたカーナは。
脱兎の如く逃げたカーナだったが、一人リーシェンを残したのが気にかかり扉の隙間から中をこっそりと覗いていた。
レン様、不意打ちは駄目ですよ! なんの構えもしない時に頭なんか撫でられたら心臓が止まってしまいます!
そう、二人はレンに昔からよく手を繋いだり、抱っこしたりと赤子の時からお世話をしてきたのでそういう場面は日常茶飯事的に起こっていたのだが、レンが大きくなり5歳を過ぎた辺りから意識し始めてしまい、何かスキンシップが発生しそうな場合、心の準備をし精神統一を行って準備万端で挑むようになっていたのだ。
なので、ああいう不意打ち気味の場合対処出来なくなってしまうようだ。
と、とにかく私は自然に逃げられたけど、リーシェン先輩を残してしまったのは申し訳ないので、どうにかこの天国の世界から救ってあげないと。
そう思って扉からこっそりと中の様子を伺っていたのだが。
い!?? な?! リーシェン先輩ずるい!!
つい声に出してしまいそうになるのを無理矢理押し止めたカーナ。
カーナからはリーシェンの後ろ姿しか見えず、レンはリーシェンに重なってよく見えてない状況だったので、レンとリーシェンが急接近して顔を重ねている様に見えたのだ。
キ! キス!? な! なんで先輩ばっかり! あ! もしかして悪漢からレン様を守ったご褒美?!
頭を抱え身悶えするカーナ。
しまったあ!! 逃げなかったら私もして貰えたの?! 痛恨のミス!
扉の影で自分の頭をポカポカ殴り続け、自分の浅はかな行動を呪うカーナ。
しかし、これだけ扉一枚挟んだだけの状態でこれだけ騒がしくしているようでレンに気付かせないカーナの隠密技術は物凄い技術なんだろうな。
使い道が変だけど。
くそー、こうなったらリーシェン先輩には少しお仕置きをする必要がありそうですね。フフフフフ。
そう心に決めて闘志を燃やしていると、いつのまにかリーシェンをベットに寝かせたレンがカーナの隠れる扉へと向かって行くのが見えた。
!まずい!ここは一時退却!
心の中で叫んだカーナは屋敷の奥へと消えていったのだった。
読んでいただき有り難うございます。




