ファルシアの決意 3
投稿いたします。宜しくお願いします。
「その辺りは大丈夫でしょう。まず王家での身分証発行は全く除外ね。すぐばれるとか以前の問題だから。それから市民登録証明というのがあるわ。これは各都市に税金を納めている時に発行される物だけど、これは税金を王家が払ってるわけないから無理、後は、これが一番だけど冒険者ギルドでの身分証発行ね。」
確かに冒険者ギルドに組合員登録すると身分証にもなるし、ランクが上がると国越えも楽になるメリットはあるけど。
「システィーヌ様、それは無理でしょう。ギルドでの登録時に必要提出書類があり未記入では受け取ってもらえません。名前や身分を偽って書いたとして提出しても、鑑定水晶でその書面の内容が事実なのかどうかのチェックがあるので解ってしまうはずですよ?」
カーナが僕の変わりに母様にギルド登録での基礎知識を語ってくれた。
カーナは現役の冒険者でもあり、たしかランクはB9のはず。
その辺りの事情は良く知っているんだ。
ちなみに、冒険者ランクは、それぞれS、A、B、C、D、E、F、Gの8段階に別れていて、13才の成人した者で登録した場合、Fランクからのスタートになる。
それではGはと云うと、12才以下の子供が登録するクラスになる。
これはいくら仕事の達成率が高く、数をこなしても成人しないかぎりFにはなれない様になっている。
貧しい子供等が賃金を安全にかつ安定的に稼ぐ為のギルドの配慮なんだ。
ただ、たまに天才的な少年少女で剣や武術、魔法といった分野で既に一定以上の実力や有力冒険者の推薦があればFからスタートできるのだけどね。
話を戻して、ギルド組合員はそういった面からも子供でも登録できるのだが、素性や犯罪歴に問題のある者を登録させる事はさすがにギルドとしても厄介事を安易に抱え込んでしまうリスクがあるので、名前なんかの虚偽とかは厳しいはずなんだけど。
「全然! 大丈夫! 王都のギルド本部の本部長は私の弟子だったレオグス・パラディオだから。」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「だから!なんですか?」
「だから? え? レオグスは私の言った事なら、なんだって聞いてくれるのよ。」
どや顔のお母様。
「まあ! さすがシスティーヌ様ですわ! お顔が広うございますね。」
そのどや顔の母様を尊敬の眼差しで見つめるお妃様。
確かこの二人幼なじみだったよね? なんとなく力関係が判った様な気がする。
「レン私に任せておきなさい。必ずパラディオに言っていい聞かせておくから。」
自信満々に答える母様。
それって限りなくパワハラだと思う。
今からパラディオさんに同情しておこう。
「わかりました。それで冒険者に登録して旅に出ると言っても何処へ行くんです? まさか当てもない修業の旅をしろとか言わないですよね?」
僕が不安そうに聞いてみると、何馬鹿な事言ってるの? みたいな顔をしていた。
「まずは、エルフの奥里、ファンデールにいる巫女のクウェンディを尋ねなさい。あいつなら魔法や精霊術に長けてるからね。ファルシア姫様にとっては良い師匠になるはずよ。」
クウェンディ様か、ならシアにとっては色々教えて貰えそうだな。
母様さすがです。
ん?
「あれ、そういえば加護の儀式に巫女としておられませんでした?」
「ああ、あいつにファルシア姫様の事を頼もうとしたら、私の里まで来い!と言って先にとっとと帰られてしまったそうだ。クウェンディ曰く、冒険は旅から始まるのよ! らしい。」
母様ってクウェンディ様と昔何かあったのかな?
それはさておき、クウェンディ様もう帰られたのか。
もっと色々お話したかったのにな。
よし! それならこっちから出向いて色々聞かせて貰う事にしょう。
「シア、これで良いんだね?」
「はい! 私がレン様と一緒に冒険の旅が出来るなんて夢みたいですわ!」
物凄くシアが喜んでいるので僕もつられて嬉しくなった。
読んでいただき有り難うございます。




