お披露目12
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ふう、やっとだね。
思った通り、アヒム殿下は少し頭が良くなかったと云うか、自信過剰の若造と云うか、少し持ち上げただけで簡単にボロを出してくれるタイプだった。
「アヒム殿下、僕との対決に加護の力まで使うなんて卑怯じゃありませんか?」
「な、なっ! 何故だ! どういうことだ?! 加護の力が効かないだと? そんなはずは無い!」
レンが自分の意思とは関係無く喋り出した事に慌て出すアヒム殿下。
その取り乱し様は尋常ではなく、加護の力を使った事を自ら大声で叫ぶほどに。
「別にそんなに取り乱す事でも無いでしょう?」
「どういう事だ! 熟練の聖騎士ならともかく、たかが7、8才のガキが抗う事など出来るはずが無い! ?そうか! お前も加護の力を使ったのか? お前の、真の対応力、とはそれほどの物なのか?!」
「そんな訳ありませんよ。相手の仕掛けた物が解らない限り、その対応の答えなんかでませんよ。僕のはあくまでも原因が判っている事に対しての対応力ですから。(本当は嘘ですけど。)」
「それじゃあ何故、効かないんだ!」
「そんなの簡単ですよ。あなたは今ファルシア姫様の加護の力対策の為に精神耐性の結界を発動する魔道具を三つもつけておられる。そんなに怖いですかファルシア姫様の事が? こんなに可愛らしい女性に失礼ですよ?」
「きゃっ。」
ん?僕の後ろの方でシアが嬉しそうな悲鳴を小さくあげた様に聞こえたけど取り合えずスルーしよう。
「ただ、聞くところによりますと、その結界魔道具は今回に限らず常に着けておられるとか?」
「そうだ! 私の加護の力がむやみに他の人に干渉しないようする為の結界でもある!」
「確かにこの魔道具、アストラル世界からの精神干渉を防ぐ物であり、それは相手からもそうですが、自分も相手に干渉出来なくなる欠点があります。殿下はそれを利用して、自分の加護の力で他の人への干渉を出来ないよう自ら結界魔道具を常に体に付けているということですね?」
「そ、そうだ! そうだよ! 私は加護の力は自ら封印しているのだ! なんだったらこの魔道具が正常に動いているか鑑定してもらっても構わん!」
思い出した! と云った顔になって急に元気を取り戻す殿下。
いや、最初に自分で加護の力を使った事を言ってるからあんまり意味ないんだけどね。
「わ、私は、レ、レンティエンス君が思った以上に剣技が素晴かったので、つい本気になってしまい思わず加護の力を発動させたまで。そういった自体を防ぐ為もあって、このようにいつも結界魔道具をつけておるのだ!」
何故か勝ち誇った様に、胸を張る殿下。
「それは、真実を隠す為の演技とその小道具なのでしょう? 殿下。」
「!!」
僕の言葉の意味が判ったのか、急に顔つきが悪くなる。
「殿下の加護の力、魅惑の眼差し、は、アストラル世界の精神支配ではなく、目に写る光の明滅や特殊な信号を相手に直接見せて強烈な暗示を掛ける言わば催眠術の様な物と考えます。それならこんな魔道具があっても関係ないと思うのですがどうでしょう? 」
「な! な! 何を言ってるんだ! そ、その様な事ある訳がない! そうだ! それをどうやって立証するんだ!」
動揺が一層激しくなって来たようだ。
しかし、解らないんだろうか? それを立証するのは、さほど難しい話じゃないんだが。
「殿下? この国にも大神オーディーン様の下神、フェルエテリス様の神官、クウェンディ様がおられるのですよ? 加護の性質を鑑定してもらう事ぐらい造作もない事は殿下でも、お解りですよね?」
「うっ! くっ、 !」
一度、何か言いかけたアヒム殿下は、それを口に出さず飲み込むと肩を落とし項垂れてしまった。
と、思いきや急に顔を上げ笑い出す。
「ハハハ! それがどうした?!加護の力を使ったのが何が悪い! 姫を守る騎士ならばそれぐらい想定して戦うのは当たり前だろ! 私はそれを実践し君に試練を与えたまでの事!」
あ、開き直ったな。そう言われてしまえばどうしようもないけど、今までの話で殿下への不信は強まったから問題ないか。
僕は、そう思うと背筋を伸ばし改めてアヒム殿下に向かって剣を構えた。
有難うございました。




