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お披露目11

投稿いたします。

再び広場中央。


アヒム殿下は、相対するレンを牽制しているように見せかけながら考える。


(さて、思ったより動くじゃないか。私の制御が追いつかない。本当だったらその美しい顔に血筋が一つや二つ出来てたはずなんだがな。子供とはいえ剣聖システィーヌの子と云う事か。まあ良い、ここまで見せておけば周りの貴族達も納得するだろうよ。)


「なかなかやるじゃないか! レンティエンス君! この僕とここまで戦えたんだ誇って良いよ。ただファルシア姫の近衛としてはやはり今一つだ。踏み込みが浅い、剣の重さが足らない、体捌きが未熟、これでは一対一ならともかく復数人相手では対応出来ないよ。」


いかにも好青年が相手の未熟を悟らせている様な物言いに、ここにいる貴族達にはアヒム殿下が器の大きいい男の様に見えていた。

但し、審判をしているボルトールは違った。


(思ったより動けるなアヒム殿下。口先だけかと思ったがそうでもないようだ。しかしスバイメル帝国の5本指とは些か誇張しすぎだな。この程度なら内の騎士団の中にも何人かは居るぞ? まさか加護の力を使っているのか? もしそうなら剣士としては最低でしかないが、そうなるとレンティエンス君がジルデバル陣営に取り込まれるのは少しばかり面白くないが、さてどうしたものか。)


ボルトール侯爵は伊達に王国第一騎士団と第二騎士団を纏める将軍ではなかったようだ。冷静に分析しアヒム殿下の強さの真相を見抜いていた。


「さあ、レンティエンス君どうだね? この辺で私との戦いは止めて君の力量の無さを認めたらどうかな?」


あくまでも好青年を演じるアヒム殿下に感嘆の声が上がる。

すると今まで、剣を向け臨戦体制のままだったレンがその刀を降ろしてしまった。

その動きにアヒム殿下は、笑みを浮かべるとゆっくりとレンに近づいて行った。

二人の距離が手を伸ばせば届くくらいまで近寄るとレンはアヒムに向かって顔を上げた。


(これは、思った以上に美しいじゃないか。これで本当に男なのか? これは玩具にしたら当分楽しめそうだ。)


心の中で舌なめずりするアヒム殿下だった。


「さあ、レンティエンス君、負けを認めるかね?」


両手を大きく広げ、周囲にもわざと大きな声で大仰に言ってみせる。


「アヒム殿下、私は、あなたの力を侮っていました。深くお詫び申し上げます。」


レンは自分よりも背の高いアヒム殿下を見上げながら謝罪の言葉をのべ始めた。


「私は剣では母、システィーヌより教わりそれなりに自信があったのですが、アヒム様の前ではそれも虚しく小さな自信でしかないことを思い知らされました。」

「いやいや、レンティエンス君、そこまで自分を陥れるものではないよ。君は十分に強かった。ただ私の方がその上をいっていただけの事だよ。」

「いいえ、アヒム様の王族に相応しい理性ある顔立ちとその力強い瞳を見ただけで私は萎縮してしまったようです。さすがはスバイメル帝国にこの人在りとうたわれるお方です。」

「ハハハ!判ってるではないか。レンティエンス君! 君はなかなかに人を見る目があるようだ!」

「そんな、私ごときがそのようなお褒めに預かるのはもったいない。それに比べ、アヒム様の寛大なるお心に深く感銘いたしました。」

「そうか、そうか! そなたには私のことがその様に思えるのか?」

「はい、その魅惑の瞳の力は絶大なものがあると私は確信しております。」

「はははは!そうだろう? この力があれば私は無敵だ! 君も私についてくれば、それなりに良い思いをさせてあげるぞ!」

「ありがとうございます! アヒム様! その魅惑の眼差しは本当に無敵でございますね。」

「そうさ!この加護の力があれば私は誰にも負けはしない! それが剣聖といえどもだ!」

「そうでしょう、そうでしょう、加護の力で相手を支配すれば、どんな剣士でも勝てませんよね? 殿下。」

「はは!良く分かってるじゃないか。そうだともこの加護の・・・・え?」

「どうしました? ア・ヒ・ム・さ・ま。」


美しい男の子の微笑みに、アヒムは冷や汗が流れるのを感じていた。

読んでいただき有り難うございます。

これからも宜しくお願いします。

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