表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/163

お披露目 9

投稿更新しました。

宜しくお願いします。

「それではこれより、騎士レンティエンス・ブロスフォードのファルシア姫様の専属近衛隊隊長としての評価試合を、スバイメル帝国、第二皇子アヒム・スバイメル殿下を対戦相手として執り行います!」


中庭の中央でアヒム殿下と僕の評価試合の司会進行と審判を買って出たのはボルトール公爵だった。


(この試合の行方でジルデバルの奴の計画が進むか進まないかで、我が陣営の動きも変わる。

そういった意味でこの試合は実に私にとっても重要であるが、それ以上に剣聖システィーヌの子がどれほどの者か武人の端くれとしての私も興味があるからの、近くで見たいというものだ。)


そんな思惑で進行審判役を受けていることは、ジルデバルもレンも思ってはいたが特に断る理由もなかったのでお願いする事になった。


「それでは、両者、開始線の前へ!」


ボルトール公爵が両手を前の石畳に向けて突き出した指先に白い粉でかかれた50センチ程度の白線が2本描かれていた。

僕とアヒム殿下、それぞれが線の手前まで歩みより向き合う。


「では、レンティエンス殿、宜しくお願いしますよ。」


にこやかに歯を見せながら、握手を求めるアヒム殿下に僕も微笑みで応える。


「いえ、こちらこそ未熟なりに姫の護衛役が妥当であると認めてもらえるよう精一杯力を出させていただきます。」


互いの目を見つめ、握手を交わす二人は周囲の観衆からは、正々堂々とした騎士として見えているはずだ。


(ふははは、これで勝ったぞ! この私の瞳を見た貴様にもう勝つ術はないぞ! そしてお前も俺の玩具に決定だな!)


顔はにこやかに対戦相手のレンを見ているように見えるが、心の中では対決の開始を待たずに加護の力を発動させ、支配下に置いた事で勝ちを確信するアヒム殿下。

卑怯にも程があるが、この男はそうして帝国内でも勝ちをとり五本指に入る騎士となっていたのだ。


「この試合、致命傷を与えた者はその時点で負けとする以外、剣、魔法等、使用の制限は設けないとする。両者、正々堂々と騎士に恥じぬ戦いを!」


アヒム殿下は、左足を後ろへとずらし半身の状態でレンに向かい腰を落とす。

それに対しレンは特に構えることも無く、ただうな垂れているだけだった。


「リーシェン! レン様はどうされたの!?」


後方でレンの戦いを見届けていたカーナが、レンの異変に気付いた。


「どう見ても不自然だわ。何か開始前にされたのかも?」

「何かって何を? まさかアヒム殿下の加護、魅了の眼差し、じゃあないでしょうね? もしそうならレン様負けてしまうんじゃ・・」


リーシェンの言葉に不安になるカーナだったが、主人の命令無くこの場から離れることが出来なかった。


「そんなに心配する事ないわ。レン様を信じなさい。」


優しくでも力強い言葉でカーナに言い聞かせるリーシェン。


「もし、それでもレン様に危険が及ぶ時は、二人でお助けするわよ。たとえ帝国の殿下がどうなろうともね。それまでは信じて待つわよ。」


リーシェンは言い切るとレン達の方に視線を固定する。

カーナもリーシェンの言葉に頷き同じようにレンを見つめる。


「レンティエンス殿、来ないのは何かの作戦か? それとも私の闘気にあてられて萎縮してしまわれたか?」


いっこうに動こうとしないレンに向かって、アヒム殿下がわざとらしく挑発をかけるが、それでもいっこうに動こうとしない。


(大丈夫だ! 行ける!)


アヒム殿下は心の中で叫ぶと、剣を鞘から抜き、剣先をレンに向ける。


「行くぞ!」


観衆に聞こえるよう、わざと大きく声を張り上げ物凄い速さで突進する。

それでもレンは動かなかった。


読んで頂いき有難うございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ