お披露目 8
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どうぞ読んでやって下さい。
王の謁見の間のテラスから降りた場所に、中庭としての広場が設けられていた。
そこは20メートル四方の石畳とその周りを色々な木々や花で装飾された庭園が広がり、その中に幾人もの人が立ち見だったり、ベンチに座ったりして、中央の石畳の広場に注目していた。
王や王妃、それに幾人かの婦人達は、2階席になるテラスの上から階下の広場に目をやっていた。
その広場には早くもアヒム殿下の姿があり、金銀で施された鞘に収まる長剣を片手に、相手の出てくるのを、にやけた顔で待ち受けている。
「本当に大丈夫なんでしょうか?」
ゴルード伯爵は、ジルデバル辺境伯に隠さず不安の言葉をかける。
しかしその不安もどこ行く風と言わんばかりに自信満々な笑顔を見せている。
「まあ、あんな子供に殿下が負けるとは思わんよ。実際、剣の腕はスバイメル帝国の中でも5本の指に入る程の剣士と聞くぞ。それに何より殿下の、魅了の眼差し、は、女性、男性関係無しに効果を発揮するからの。この二つを利用すればどんな剣士、魔導士、だろうと殿下の元に跪くしかないのだからな。」
「それはそうですが、相手も子供とはいえ、あの剣聖システィーヌの子なのですぞ。それなりには剣の腕も持っているのでは、ないのですか?」
「それはそうだが、あの殿下の顔を見ろ。あのシスティーヌの子も狙っている顔ではないか? 好き者だが、ああなった殿下は強いぞ。」
殿下のレンを見る目が嫌らしく光る獣の様になっていることをジルデバル辺境伯は感づいていた。
「殿下は両刀なので?」
「知らん! があのシスティーヌの子、男とは思えん容姿だからな、わしだって玩具に出来るならそうしとるぞ?」
「さ、左様でございますか。」
ゴルード伯は、ジルデバルがいつのまにか下品な笑みを漏らしていることに気づき少し腰が引ける思いだった。
いくら女の子の様な容姿をしているとはいえ、男のレンにそういった感情を抱くのは自分では考えられん事だと
ゴルード伯は考えるが、この二人には同じ趣味があるのかと少し溜息を漏らしてしまった。
だが、計画に邪魔になるレンには退場してもらう為には殿下に勝っていただき、姫を手中にしてもらう必要があったのでその辺りは目をつむるしかないゴルード伯だった。
ジルデバル達が思惑を巡らせていると、中庭に集まった貴族達がざわめき始めた。
「お、出てきたぞ。」
「レンティエンスと言ってたな。やはり小さいな。あれで勝てるのか?」
「相手はあのアヒム殿下だぞ。帝国でも5本の指に入る剣士と聞くが?」
「見ろあの目、あんな嫌らしい目つき。あの子食われるぞ?」
「噂通り、好き者皇子だったようだな。」
「可哀相・・・・」
興味本位で小声で話し合う貴族達は退屈鎬の余興としか考えていないようだ。
そんな中を中央の広場に佇む、アヒム殿下の元へ、カーナとリーシェンを従えてレンが表れた。
「やあ、騎士レンティエンス・ブロスフォード君、よく逃げずにやって来てくれたね。感謝するよ。君には私の魅力を存分に味あわせてあげるよ。そしてファルシア姫共々、可愛がってあげるからね。」
「うっ、気持ち悪いぞ? カーナ、リーシェン、あいつ何言ってるんだ?」
自分を見る目があまりにも異常で寒気を感じたレンが、ついカーナ達に聞いていた。
「レン様、あいつ殺しましょうか?」
「そうですね。私たちで瞬殺してきますがお許しいただけますか?」
カーナの言葉にリーシェンが乗っかって、さらっと怖いことを言っている。
今にも腰の刀に手を掛けんばかりの気迫を漲らせているので本気で言ってるのがわかった。
「ここは我慢して僕に仕事させてね。たまにはカーナやリーシェンに僕の格好良いとこ見せたいじゃない?」
「え? レン様は今でも十分格好良いですけど、そうですね格好良いところ見せて下さい!」
カーナ嬉しそうに言うからここはちょっと頑張らないといけないな。
そして、テラス席に座る王族の方々の真ん中に座り、僕の事を見ながら小さく手を振るシアの為にも。
読んでいただき有り難うございました。




