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母様のお願い1

加護の儀式編になります。

「お母様、程々にしてあげてください。」


苦笑しながら、清々しい笑顔の母に話すと、あら、という感じの表情をする。


「大丈夫よ。これも夫婦のスキンシップなのよ。レンにはまだ判らないかもね?」


いえ、そんな脳筋夫婦のスキンシップなんか判らない方が良いです。と心の中だけで呟く。


「それでお父様は?」


「あー、自主練に行かれたわよ?」


「そうですか。」


仕方ないですねと言って肩をすぼめてみせる。そんなレンを見てシスティーヌは人差し指を顎に当て、コテと小首を傾げる。暫くの間、考えを廻らせていたのか全く動かなかったが、思い出した!と言って、パン!と手を叩く。


「ごめん!レンちゃんの誕生会の途中だったわ。ま、レイナードが居なくても私とレンちゃんだけで誕生会楽しんじゃいましょ!」


全く悪びれず屈託の無い笑顔の母システィーヌ。お父様抜きで、誕生会は進むことに決定いたしました。


その後、二人で食事をし止めどない話を続けていたが、食後のお茶を飲み干したところで、母システィーがこほんと、小さく咳をついた。それを合図にレンに向かって真面目な顔つきになる。


「それで、レン、今度授かる加護の啓示の後、あなたにお願いしたい事があるの。」


「何ですか?」


母の少し緊張した顔つきを訝しむレン。


「加護の啓示は神殿で行われるのは知っているわね。」


「はい、それはもちろんです。」


「その後、加護の啓示を受けた子供の中で特に貴重とか重要な加護を授かった者は、王宮に招かれて祝賀を受けることも知っているわよね?」


「はい、今から緊張しています。」


うん、うんと頷くシスティーヌ。


「それでこの時、王様から祝福のお言葉を頂くのだけど、当然王族の方々も御列席されるわ。」


「はい、そうでしょうね。」


軽く呼吸をし一拍を置くシスティーヌ。


「そこでファルシア王女様を口説いて欲しいの。」


「・・・・・・・・・・・・・・・はい?」


自分の耳を疑った。今、王女様を口説けとか言わなかった? あまりの予想外の言葉に焦りまくる。


「お母様、今なんと仰いました? 王女様を、口説けと言われませんでしたか?」


恐る恐る母に訪ね返すと、あっ?!と言って指で口許を隠しながらほ、ほ、ほ、と笑い出す。


「言い方間違えちゃった。言い直すわね。王女様と友達になってあげて欲しいの。」


「言い間違えにも、ほどがあります。」


「ゴメンねレンちゃん。どうしても、男女が初めて会う時には口説くものだとずっと思ってたものだからつい。」


てへ!とか言って可愛らしく自分の頭を小突きながら舌をペロっと出すお母様。


「昔ね、私に会う男性がその度に、結婚してくれとか言って挨拶に来るから、男ってそう言うものだと思ってた時期があったのよ。」


「自慢話しですね。」


「え? そうお? でも多分だけど、レンちゃんの方がもっと凄いことになると思うから覚悟しておくのよ。」


僕の方が凄いってどういうことだ? あまり考えたくない気がするので、この話は一旦凍結しよう。


「それで、友達ですか?」


「あ、話し逸らしたわね。まあ良いわ。そうよ、ファルシア様のお友達になってほしいの。」


どういうことだろう?と不思議に思う。レンのブロスフォード家は子爵の爵位を持つ上級貴族の家である。といっても上級の中では下の方になる。その家の嫡子とはいえ、王族のしかも継承権第3位にあたるファルシア王女様の友達となると、爵位が低すぎやしないだろうか?

それこそ王族に近づこうと考える貴族は数え切れないほどいる筈。そんな中、子爵家のレンが突然、友達になりませんか?、等と言い出したものなら、どんな目に会わされるか判ったものじゃない。せっかくの第二の人生が早々に終わらないとも限らないのだ。そんな事はお母様だって判っているはずだし、何か裏があるのだろう。レンが色々と考えているとそれを見透かしたようにシスティーヌが話始める。


「レンも思ったかもしれないけど身分差については、問題無いと思うわ。これでも私、狂飆(きょうひょう)の姫神なんて呼ばれている有名人だし、もと近衛師団長だもの。それに王妃様は、私と小さいときから一緒に遊んだ幼馴染みだから、その子供同士が友達になっても大丈夫よ、たぶん・・・」


お母様、最後まで自信持って言って下さい。でないと不安になります。と心の中で呟くレン。


「とにかく話を続けるけど、ファルシア様の友達になってもらいたいのは・・」


「もらいたいのは?」


「友達が一人もいないからよ!」


「・・・・・・・・・・・・はい?」


今日何度目の?だろうか。


「つまりお母様は僕に、ボッチの王女様が可哀想だから、友達になれということでしょうか?」


「正解!さすがは私の息子ね。」


この展開は、王女様に取り入り箔をつけたい貴族の子供ばかりで本当の友達が居ないのとか、実は王女様は性格や容姿が悪くて、近づく者が居ないとか、武道バカで私の友達になりたかったら私を楽しませてみよ!とか言うパターンでしょうか?


「何考えてたかは知らないけど、多分違うからね。」


何故か生暖かそうに微笑みむシスティーヌ。


「王女様に友達いないのは、極度の男嫌いと極度の恥ずかしがりやだからよ。」


真面目な顔つきの母の言葉に自然とレンも真面目な顔になるわけがなかった。


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