お披露目 1
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僕は壇上の傍らに、王の言葉を待ってリーシェンとカーナを従え控えていた。
今、この謁見の広間には数十人の王都に滞在している貴族が一同に集まっていた。
これは、長らく公の場に出ていなかった姫が今後公務を行う事を通達する為と、姫自身を貴族に改めて紹介するためだ。
本来なら加護の啓示を受けた時点で執り行うのが普通なのだが、姫の引き篭りなどあり延期されていたのだ。
そのお披露目には貴族以外にも大商人や、国外からも招かれているので200人位はいるだろうか?
東側のガラス板で出来た窓からは青い空と白い雲が流れる快晴の日の光が差し込み、大理石の床や、金銀で彩られた調度品が輝く謁見の間は僕の家の大広間とは比べものにならない大きさと荘厳さがあった。
こんなところでお披露目か。シア姫はともかく僕は耐えられるだろうか?
そんな事を考えていたが、ふとリーシェンとカーナの事が気になったので見てみると、どこか沈んだ顔を二人ともしている様に見えた。
「どうしたの? 二人共。お腹でも痛い?」
「レン様、子供ではないのでそれは無いです。」
「ゴメン、ゴメン、で、どうしたの?」
「いえ、別に何でもありませんから。」
カーナのそっけない返事にやっぱり何かあるのだろうと考えてみる。
う~ん、二人の嫌な事? 機嫌が悪くなる様な事があったかな?
う~~~~~~~ん、ん? あ! そういえば、僕との婚約の発表は一旦保留という話になった時に凄く悲しそうな顔してたような?
「もしかして、僕と婚約する話が延びたのが原因かな?」
「そ! そんな事ありません、よ。」
「そ、そうです! こしてレン様の直属の部下としてずっと一緒に、い、ら、れます、し・・・うっ、ぐす。」
あ、カーナ、瞳に涙を溜めて、泣き出しそうになってるよ。
そんなに婚約したかったんだろうか?
「カーナ? 泣くこと無いよ? 別に婚約が無くなったとかじゃなんだよ? それに僕みたいな子供と婚約って言われてもカーナも大変でしょ?」
「そ!そんな事ありません! レン様は私の全てです! この身を全て捧げるとお生まれになったレン様に誓ったんです! 大変なわけがありません!」
カーナが精一杯の小声で力強く語りかけてくる。
謁見の間の袖なので、大きな声を出すと表にいる人に聞こえるので小声で話すカーナはさすがだと思う。
けど、その表情は必死に訴えかけていた。
「リーシェン、カーナがああ言ってるけど君もそうなの?」
「・・・・私は、レン様と歳の差が有りすぎて、本当に良いのかと思ったんですけど、凄く嬉しかった事も事実なんです。ですからちょっとそれが延びたくらい、なんだって云うんですか? 我慢できますよ、えー出来ますとも、出来るはずです、出来るかな?ううううううう・・」
リーシェンの言葉が段々呪文めいてきたような、うっすらと涙目だし。
「ふ、二人とも大丈夫だからね。気をしっかりするんだよ! ね?!」
「それでは、ファルシア姫様の身辺を警護する部隊を新たに新設致しましたのでその隊を紹介致します! 騎士爵レンティエンス・ブロスフォード殿!」
うわー!まずい名を呼ばれてしまった!
二人の事を気にしていたらいつのまにかお披露目の式典が進行して僕の紹介になっていた。
早く出なければ!
僕は慌てて二人を宥め壇上へと上がっていく。
有り難うございます。




