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加護の啓示3

投稿致します。

「なんだ貴様は?メイドの分際でわしに意見するのか?」


リーシェンに向かっておやじ貴族は、目上から威圧するように言葉を投げてきた。

そのうえメイドのリーシェンが出てきた事で、おやじ貴族の護衛メイドも一歩前に踏み出してきていた。

ちなみにおやじ貴族のメイドは5人もいた。

どんだけ見栄っ張りなんだろうね。


「いえ、滅相もございません。我が主は本当に男性でありますゆえ、貴方様の誤解を解いて頂きたいと申しているだけで御座います」


さすがリーシェンだね。対人スキルも高いからこういう手合いにもなれたものだ。


「・・・・・・ふん! 解った。では百歩譲って男という証明を見せて貰えば納得しよう!」

「それはどのように?」

「知れたこと。ここで裸になれば良いではないか!」


あ、カーナの片腕が腰の刀に近づいてる。でも流石に刀に手を掛けた時点で、正当防衛で手討ちにされてしまうから控えてるけど手先がプルプル震えて今にも斬りかかりそうだ。


「なんだ?そのメイドわしを斬ろうとでも思ってないか? いかんなあ、メイドの教育も出来んようでは将来ろくな貴族になれんな! わしの息子ならこの様な事ありえんな」

「あは、は!は!は!」


うーん何が可笑しいのかな? あなたの息子なんか僕は知りませんが、と言いたくなるのをぐっと堪えて冷静に対応しよう。


「申し訳ありません、若輩者ゆえ、教育の何たるかを勉強中でございますのでご容赦願います」

「ふん、まあよい、どうだ? 裸になって証明してみせるか? ん?」


このおっさん、物凄い目で僕の体をなめ回すように見て来る。

気持ちわりー! 背筋の氷が張り付いてる感じがするー!

な、なんとかおっさん目線攻撃に耐えていると、そのおっさんが僕のすぐ目の前まで近づいて来て耳元で囁き始めた。


「どうする? 裸になって恥ずかしい思いをしたくなかったら、そのメイド達をわしに譲らんか? わしが丁寧に可愛がってやるぞ? なんなら貴様もわしの物になるか? 本当に男でもそれだけ綺麗な顔なら、何しても面白いかもしれんしな。ふ、ふ、ふ」


うわあ! あ! だ、駄目だあ! と、鳥肌があー!!


「それと言っておくが、わしの言う事を聞き入れんと普通の貴族なぞ直ぐに潰す事くらい簡単なことだからな。その辺良く考えて答えるんだぞ」


そう言って舌を滑津り回しながら後ろへと下がるおっさん貴族。

よく解った。

母様が言っていた事。

貴族社会ってこんな感じなんだ。

これなら姫様も男嫌いになるし、こんな欲望剥き出しで接しられたら、それは人間不信にもなるってもんだよ。

さて、どうしたものかな? ここで力ずくで片を付ける事は出来ても後の始末が問題だろうし、まさかこんな馬鹿な要求を呑むなんてありえないし、どうしよう?


「レン様、もう我慢がなりません。私の首一つ捧げますのでどうかこのくそ狸に鉄槌を下す事をお許しできませんか?」


僕の耳元でリーシェンが、冷めた口調で静かに願い出る。

僕はこんなに怒ったリーシェンを見たことが無かった。

本当に殺しそうな雰囲気を漂わせてる。

カーナにも言ってもらって冷静になってもらわないと。


「カーナ、君が・・」って君もか!駄目だ!完全に目がいってる! 次に何かあのおっさんがしでかしたら絶対次の瞬間、頭と体が離れてるぞ!


「待って!カーナ、リーシェン! お願いだからここは抑えて!」


僕の命令に、瞬時に振り向く二人。

僕の顔を見て、どうしてですか?と無言で訴えかけてきた。


「駄目だよ、二人共。神殿で血が流れたらフェルエテリル神様のお怒りをかうよ。それにこれぐらいの屈辱は君達二人を無くす事に比べたら大した事ないから、だから黙って僕の指示に従ってね」


「でも!」

「解った?!」

「「はい・・」」


僕はちょっと強めに指示する。ごめんね。


「色々とご教授いただき有難うございます。それでしたら僕がこの場で裸になりますのでご確認下さいますか? そうすれば全て問題ないですね?」


僕はしっかりと相手の目を見て覚悟を示した。べつに裸の一つや二つちょっと恥ずかしいけど問題ないさ。


「は!面白い!ならば裸になって見せろ。それで今回は勘弁してやろう!」


おっさん貴族は、わざと大声を出して周囲に関心を持つよう促しやがった。

少しでも辱めようという魂胆なんだろう。

しかし名乗りあってもいない相手にこれだけ高飛車に出れるという事は相当な大貴族なんだろうな。

とにかくこんな茶番を早く終わらそうと、僕は着ているロングジャケットを脱いだ。


「「レン様!」」


「二人とも、僕は大丈夫だから。それより文字通り丸裸になって無防備になるからガードを固めてね」


「「・・・・・・は、はい」」


二人にとっても主人の僕の辱めは屈辱なんだろうけどここは我慢してもらわないと。そして僕は自分のズボンに手を掛けたその時だった。


「あら?ジルデバル辺境伯ではありませんか」


美しい声と共に一人の女性が男装の白に青色のラインをあしらった正装を着こなしさっそうと、あのおっさん貴族のところに現れた。


「母様?!」

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