カーナ3
大変申し訳ありませんが、物語の大筋を根本から見直しました。
今まで読んでいただいていた方には申し訳ありませんが、作者のわがままで修正いたしました。
もしよろしければ今後も読んでいただけますようお願い致します。
それから悩み過ぎて固まってしまったシスティーヌをなんとか復活させ、屋敷の中の応接室から見えるテラスに向かわせた。
それから暫くして、ハーブの香るお茶を飲みようやく落ち着いたシスティーヌが白いテーブル越しに座るルル様を鋭い目つきで睨んでいた。
「いったいどう云う事です? 私はまだ結婚する気は無いですよ? それなのにいきなり私の子供だなんて言われても訳が解りません!」
システィーヌは本気で怒っていた。
自分は今、このブロスフォード家の若くして亡くした父の変わりに、当主として切り盛りしていかなければならない立場なのに結婚とか子供とか考えてる暇など無かったのだ。
その上、このブロスフォード家が代々その役職を担ってきた近衛師団長になんとか実力を認められ、役職に就くことが出来たばかりなのである。
今、結婚だのなんだのと言ったらその役職も無くしてしまう可能性だってあったからだ。
「まあ、落ち着けお嬢。何も今すぐというわけじゃ無いみたいなんだが、そう遠くない頃にお前さんは子供を授かると啓示があったんじゃ。怒るなら、その啓示を受けたエルフの里の巫女に言えばよい」
「うっ、そ、それはちょっと・・・・」
巫女と云う言葉が出た途端、今までの勢いが無くなるシスティーヌ。
「お師匠、人が悪いですよ私があの人を苦手にしているのご存知でしょ?」
「はて?そうじゃったかの?」
わざとらしく呆けてみせるルル師匠。
「ま、まあ良いでしょう。私もいつまでも結婚しないとは思ってませんから、いずれは子供も授かるでしょうし、欲しいとも思っていますよ。しかし、その子が啓示で示されるなんて一体何があるんです?」
システィーヌは落ち着き取り戻すと、いずれ出来るであろう自分の子が神にの啓示される理由が今度は知りたくなった。
もし不幸に見舞われるのならなんとか回避出来る方法を考えないといけないと思ったからだ。
成人したばかりとはいえ、女性である。
自分の子が不幸に会うなんて考えたくないのだろう。
「では、今から言う事をしっかり聞いておくのじゃ。始めに言っておくが、冗談ではないからの?」
「は、はい?」
少し不信に思ったシスティーヌだが、ルル師匠の顔はいたって真面目だったのでつっこむのは止めることにした。
「まず、お前さんの子は5年後に授かる。その子は天界に祝福された神の加護を持つ子ということじゃ」
「え?? え? えーーーーー?」
「あの、神の加護と云われるとあの神の加護ですか?」
「そうじゃよ。お嬢、気を確かに持つんじゃよ」
飲みかけのティーカップを片手に持ち、口に運ぼうとしたままの形で固まってしまったシスティーヌを見て、ルル師匠は、まあ仕方ない反応じゃろうと思った。
神の加護、これは数百万に一人とか、100年に数人とか言われる、英雄級か勇者級の人間が希に持つと言われるものなのである。つまり、魔王を一対一で倒せるだけの力を宿すことが出来る器の人間ということだ。
とは言っても、安易に英雄になれるものでもなく、ちゃんと修業をし、心も鍛え、普通の人以上に修練を重ねなければ到底、到達は出来ないので、過去にも神の加護を持つ人間がいたが、英雄級にまでは成れなかった者も少なくないのだ。
「それでも、神の加護じゃ。あると無いとでは大違いじゃ」
「は、はい」
システィーヌはなんと言っていいのかまだ解らなかったのでとりあえず頷くだけはした。
「それは、まあ良いとしよう。お嬢の子だ。それなりの人物になるのは間違いないじゃろう。ただ、幾つか問題がある」
「問題、ですか?」
システィーヌは不安になる。
神の加護を持つというだけでも大変なのに、その上問題があると言われる。しかも一つではないようだ。
一体自分の子に何が起こるのか、不安になりながらもしっかり聞かなくてはと思うシスティーヌだった。




