旅、エルフの里へ 9
投稿いたします。
前回の118部の内容を一部修正しております。
お見苦しいかと思いますがご容赦願います。
街道を5台の荷馬車で構成されるディクス商隊を、僕達のパーティーとダルガンさんのパーティーで護衛しながら進みようやくレンダールに到着していた。
ついて早々に、フォレスタール王国国境のレンダール城塞にある騎士の詰め所に、襲ってきた男達4人をダルガンさんとライアスさんが、引き渡した。
ただ、事情を説明するのに時間がかかり、最終的に城塞の騎士詰め所から解放されたのは、もう日が暮れる寸前だった。
「仕方ありませんな。今日はこのレンダール城塞にある街で一泊いたしましょう。」
ディクスさんの指示で、僕達はこの街で一泊することになった。
強行すれば、あと数刻かければ、グローデンの国境にある、、グロアの街まで到着するけど、真夜中になってしまう事と、このフォレスタールとグローデンの国境を横切るようにある渓谷で、時々盗賊が出没するらしく、無理をする必要も無いと判断したためだ。
「すみません、スバイメルの男達を引き渡すのに時間がかかってしまって。」
僕はディクスさんに謝っておいた。
もし僕が素性を明かし、スバイメルの男達の事を伝えていれば、もっと早くに引き渡しが終わっていたはずなのだ。
それをダルガンさん達に任せてしまった為に遅れたのは事実だったからだ。
「別にレン様が謝る必要はないですよ。それどころかスバイメルの密偵を捕まえていただいて、フルエルさん達を守って下さったんですから、グローデン皇国の者として感謝こそすれ、謝罪など求めるものじゃありませんよ。」
にこやかにそう言ってくれるディクスさん。
やっぱり格好良い。
ダルガンさんもそうだけど、こういう男らしくて頼りがいのある姿に憧れるなあ。
やっぱり女の子見たいな姿を自分ではどこか、コンプレックスに感じているんだろうか?
「ねえ、カーナ。」
「はい、何ですかレン様。」
「やっぱり男ってのはディクスさんやダルガンさんみたいに頼りがいのある姿の方が良いよね?」
ぼそっとそんな事を口に出した僕。
「!!!」
そんな僕を見て物凄く怒った様な表情になるカーナ。
「リーシェン先輩! シア様! 大変です! レン様が! レン様が!!」
「どうしたんですか!?」
「そんな大声出して淑女として恥ずかしいですわよ?」
カーナの叫び声に二人が駆け付けて来た。
「どうしよう!? レン様があんなマッチョな男に憧れてるって!」
え? 何? カーナ泣き出したぞ!?
「ま、まさか! そうなんですか!? レン様! あんな醜い体に成りたいんですか!?」
「いやあ! 駄目です! レン様は今のままで良いんです! あんなゴツゴツした体なんて絶対に嫌!!」
リーシェンもシアもこの世の終わりとばかりに取り乱している。
そんなに僕が、男らしくなるのが嫌何だろうか?
「みんなは、あんな男らしい人って駄目なの?」
「「「駄目です!!」」」
「うを?!」
声を揃えて、僕に詰め寄る3人の迫力に、流石に恐怖を感じるよ。
「わ、判ったから! ね? もう言わないから。」
「本当ですか?」
シアが目尻に涙を浮かべ上目遣いに聞いてくる。
反則だよ? それって。
「本当、本当。もう言わない。約束する!」
何か腑に落ちないけど、僕はみんなに約束させられました。
一方、ディクスさんとダルガンさんは自分の体を見合って苦笑いをしていました。
ゴメンなさい。
「さて、それでは商隊の馬車は、商人組合の倉庫に預けて、そこの宿舎を利用するぞ!」
「冒険者の皆さんは私がお取りした宿をご利用下さい。場所はダルガンさんに教えておりますので。」
「すみません、何から何まで。」
「いいえ、構いません。それでは明日、六の刻にこの広場にて!」
ディクスさんの音頭でそれぞれが自分の行き先に向かって歩き出す。
「それじゃあ、わしらも行くか?」
「はい、お願いします。」
ダルガンさんの言葉に皆が返事をして後に着いていく。
暫く賑わう大通りを街の中心に向かって歩き、それから一つ路地裏に入ると、いくつかの宿やお店や屋台が並ぶ繁華街の様な区域に入っていった。
「ここがそうだ。」
ダルガンさんが指差したのは、木漏れ日の宿、と書かれた5階建て石造りの結構大きな宿屋だった。
「へえ、結構大きいですね。」
「そうだな。この街もそうだが国境付近の街は、商人や貴族、旅人や冒険者が行き来する事が多いからな、宿屋も結構大きいものが数あるんだ。」
ダルガンさんが説明してくれる。
そういえば、この辺りには色んな人間や亜人がいるし、冒険者や貴族っぽい金持ちそう人まで雑多にいる感じだ。
ダルガンさんを先頭に宿屋の扉を開くと、そこは宿屋というより食堂のようになっていて、ほぼ満席の状態で人が埋め着くし、酒や料理をつつき楽しんでいた。
「いらっしゃい! 食事かい?」
「いや、ディクスさんの紹介で宿を一晩お願いした者だ。」
奥の食堂で賄いをしていた少し恰幅の良い女将さん、という言葉がピッタリな女性が近づいてくる。
その女性は、頷きながら、入口正面にあるカウンターの中へ入って行き、紙とペンを差し出してきた。
「聞いてるよ。ディクスさんの紹介なら安心だね。一泊で良いんだね? 食事はどうする?」
少しぶっきらぼうな感じの物言いだけど、嫌な感じは全然しない。
むしろ女性の明るい笑顔に安心感を感じる。
「俺達はここで食うが、お前らはどうする?」
ダルガンさんが聞いてきたので、皆の方を見て確認すると、シアを除いて二人は頷いてくれる。
「あのう、部屋で食べる事も出来ますか?」
「ああ、出来るよ?」
「そうですか。じゃあ僕達は部屋でお願いします。」
「判ったよ。それで部屋は大部屋が二つしかないんだ。それで良いかい?」
「ああ、いいぞ。」
「それじゃあこれが鍵だよ。部屋は階段上って、4階の一番奥とその手前だよ。料金はディクスさんが払うと言ってるから大丈夫だからね。ただし酒と追加の料理は別料金だからね。」
さすがはディクスさん、締めるとこは締める商人の鏡です。
僕達は鍵を受けとると、階段を上がり4階の奥の部屋へと向かった。
「それじゃあ、俺等は手前の部屋にするわ。女性陣は奥の部屋でいいよな?」
「それで構わないよ。」
ダルガンさんの指示にフル姉も頷く。
ライアスさんは、僕を気にしながら口を開かないように注意している。
色々、すみません。
「それじゃあ、カーナ、リーシェン、僕が部屋の方に結界を施すから、シアの事頼むよ。」
そう言って取り合えず荷物、といっても刀や軽装の防具ぐらいとそれほど大きくないリュックくらいなんだけど、それを手前の部屋に置くために入ろうとすると、ぎゅっと手を握られ引っ張られる。
「ど、どうしたの? シア?」
「どうしたのはこちらの台詞です。なんでそちらの部屋にいかれるのですか?」
「え? だって部屋は二つしか無いし、そしたら、男女に別れるのが、」
「レン様は、私たちと一緒じゃないと駄目です!」
「そうです。護衛として片時もレン様と離れる事は許されません!」
「それに、男といえどもレン様が横で寝ていたら、とんでもないことを仕出かすかも知れません!」
シアが訴え、リーシェンが護衛の為と言い張り、カーナが特にライアスを見ながら威嚇している。
「はは、お嬢さん方は手厳しいな。じゃあ、レン様はそちらの部屋で、フルエルはどうする?」
「私だってライアスと一緒は流石に嫌だからね。出来たらこっちの部屋でお願いしたいんだが。」
「良いですわよ。レン様の良いところ探しを皆でいたしましょう!」
シアの掛け声で女性陣が奥の部屋へと入って行く。
「レン様、どうかご無事で。」
そう言ってダルガンさん達も自分達の部屋へ入って行った。
ご無事でってどういう事ですか?
すごく心配な気持ちに襲われながら、彼女達に腕を引かれ、何か異様な雰囲気になって行く部屋の中へと連れて行かれる僕。
これも神への試練なんだろうか?
読んでいただきありがとうございます。




