表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/82

現実主義者の選択カード

偽の13番に無理やり引っ張られて外に出て来たはいいが、非常に困った事になっている。

この偽13番、恐らく隣国から来たVIPだろう。

そしてこのVIP様は、私に何か期待しているらしい。

正直この場を離れたい。

そこで先程の選択肢だ。

1.戦う

2.説得する

3.逃げる

これらはどれも難易度が高いように思う。

1.の戦うについては、先程の偽13番と団長との会話から、この偽13番が団長に近い実力を持っている事が判った。

つまり、手加減していない団長とやりあうのと同じだ。

そしてこの偽13番は、手加減なんかしそうになさそうな人に見える。

怪我はしたくない。

これは選びたくないなぁ。

次2.の説得について。

偽13番は、恐らくバトルジャンキーだ。

それは、団長と偽13番との先程の会話で十分理解した。

偽13番のようなバトル馬鹿は、どんなに言葉を重ねても聞く耳を持たないのが特徴だ。

今までがそうだった。

どんなに逃げても、言葉で重ねても、泣き落とししても、話が一見通じていそうでも、最終的には戦うという選択を迫られる。

そしてこちらが心底憔悴しきって諦めたが最後、戦わざるを得なくなるのだ。

もっと、人生を別の事に費やして欲しいと思うのは私だけだろうか?

この手の者に目を付けられると厄介なのだ。

それこそ、地獄の底までストーキングしてくる。

もしかして、この国にも…

それはないか、ないよな?

取り敢えず説得も無理そうだ。

やっぱり、逃げるのが一番だよね。

という事で3.を検討してみる。

まず、この偽13番には隙がない。

前にも後ろにも横にも、逃げるそぶりがあればすぐに捕まえられそうだ。

少し、剣を交えて、すきを突いて逃げる?

あれ?それって戦う事?

1.に戻って無限ループ?

うん、無理。

逃げるのも無理。

ああ、どうしよう。

あ!あったよ奥の手。

そうだ、この手でいこう。

急に思いついた隠れ選択肢、4.他力本願。

つまり、他の人に救いを求める作戦。

目の前にいるこの人は、なんといってもVIPだ。

他国の人間が王宮にいるだけで、VIP待遇だ。

てことは、いる。

必ず、いる。

最低3人いるはずだ、要人警護の人たちが。

私なら練兵場の影と木々に配置するだろう。

もう1度ざっと周囲を見渡す。

いたいた、練兵場の影。

恐らくあれが、偽13番の警護だ。

警護の人をがん見する。

助けてオーラ全開で。

あ、顔反らされた。

ちょ、不審者から目をそらしちゃダメでしょう、VIP警護の人。

あれがダメなら、次だ次。

練兵場から数m離れた木の所に1人。

お願い、何とかしてこの人、という目でみたら苦笑された。

ああ~、助ける気0。

んじゃあ、最後の頼みの綱、そこからさらに数m離れた見物人風の人。

目が合ったら、肩をすくめられた。

ああ、ブルータスお前もか。

最後の隠れ選択肢も、潰えてしまった…

うわ、どーする?どーすんの私!!

取り敢えず、時間稼ぎしながら考えよう。

うん


「あ、エーと、偽物13番さん。い、いったい私に何のご用でしょうか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ