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現実主義者の試験終了

いたたまれない(ゐたたまれない)【居た堪れない】…[連語]精神的な圧力を受けてその場にそれ以上とどまっていられない。

正に、今この状態。

ヴォイドの試合見たらさっさと去ろう。


――――――――――――――――――――――

団長に当てていた、剣をしまうと団長と目があった。

無表情。

そ、そんなにきつく蹴ってないと思うんだけど、急所もわずかに外したし。

でも痛かったのかな?

なんで立ち上がらないんだろう。

「あの」

と口にした所で、周囲の騒めきが耳に届く。

「16番やるな~」

「すげー」

「今季もしかして当たりじゃね?」

「借りた金、どうしよう」

「16番、俺はお前に人生を預けてたんだ」

「16番!16番!」

「中々面白い動きだったな~」

「おわた」

「デート代返「あはは、ざまぁ」せ…なんだと?てめぇ、やんのか、あぁ?」

「俺の給料の恨み」

「16番!よくやった16番!」

な、なんだろう…所々悲鳴が聞こえる。

全然関係ない所で恨まれているような気がする。

特に、アイオンさんから、熱い視線を感じるな。

怨恨系の。

と、途中棄権するべきだったかも?

自分の欲求満たしたいがために、最後まで試合してしまった。

悪目立ちしすぎた…

「おい、聞いているか?」

ぞくっ。

この美ボイスは、団長。

ソロっと見る。

「な、何でしょう」

「そろそろ、お前が戻らないと収拾がつかないんだが」

「とと、あ、手合わせありがとうございました」

そういって礼をする。

又驚かれてしまった。

あれ?

もしかして、礼の習慣がないのかな?

ま、いいか。

そして、ヴォイドの所に戻った。

戻ったら、何故か呆然としていたので、目の前で手を振ってみた。

それでもヴォイドは動かない。

私は愕然とした。

これは、まさか…!!

「全財産を賭けに注ぎ込んで、一瞬にして残高0になっ…」

「そんなことありません!!」

即座に否定された。

そんなことに続く言葉が、"してません"でも"しません"でもないところがまた…

そうかそうかと、憐れんでいたら、ジト目で見られた。

「17番出ろ」

ヴォイドの順番が呼ばれた。

「ヴォイド、金の恨みを試合で晴らして来るといいよ。」

「だから、なぜそうなるんですか」

ああ、背中に悲哀を感じる。

敬語に戻る程、相当つぎ込んだんだな。

賭けはいかんな、うん。


団長とヴォイドが対峙する。

先にヴォイドが動く。

団長が、ヴォイドの剣を受け止めてしばらく動かない。

ん?

何か話してる。

何を言っているか判らない。

何だ?

と思っていると今度はこっちが話しかけられた。

「おい、16番」

振りかえると、偽13番がいた。

ああ、なんかいやな予感がする。

私は、今ヴォイドの試合をみるので忙しい。

後にしてくんないかなぁ?

と思っても口にはしない。

「何でしょう?」

と口にすると、にやっと笑われた。

なななな何でしょう??

「お前強いな、16番」

これは、あれですか?

団長に絡む程のバトルジャンキーが、私に何かを期待していらっしゃる?

ジリッと後ろに下がろうとしたら、腕を掴まれた。

ひっ。

ああ、今私に味方はいない。

ヴォイド達の試合に皆夢中だし、知らない間に外出されてるし。

他国の人間で、身分高そうだから私この偽13番に何もできなさそうだし。


私のとれる選択肢は以下の3つ。

1.戦う

2.説得する

3.逃げる


どれも高度な技術がいりそうなものしか残っていませんが、先生!!


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