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お兄ちゃんの前世は猫である。その秘密を知っている私は転生者である。  作者: ma-no
高校生である

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109 エマをご招待である


 お兄ちゃんの前世は猫である。私の名前は広瀬ララ。最近は愚痴が多かったから反省だ。


 なんだかエマは話しやすいから甘えすぎてしまったので、お返しに何かしてほしいことを聞いてみたら、英語を教えてほしいとのこと。どうやらスポーツエイジェントの仕事にも興味を持ったそうだ。

 それならばと、今日はジュマルを待たずにタクシーで帰宅する。「ブルジョワ」とか言ってるエマに「母親が過保護で1人で歩かせてくれないの」と説明していたら、我が家に到着。


 スタイリッシュで大きな家を見て「貴族……」とか言ってるエマを押し込んで、リビングのソファーに座らせたけど、柔らかすぎると床に正座した。どっちでもいいけどね。

 エマに、前世から行き付けのお店の大福を出したら、私は自室に入って英会話に使っていた教材を持って戻る。そこではエマが「茶菓子だけババくさい」とかブツブツ言ってた。庶民と言ってよ~。


「金持ちとは聞いていたけど、ここまでだったとは驚きだよ」

「みんなには秘密ね。エマなら引かないと思ったから連れて来たの」

「ウチだって引いてるって。考えるのやめただけ」

「さっすがエマ~。順応速度、パないね」

「バカにしてるように聞こえるんだけど~?」


 ちょっとだべったら、本題。英会話の教材を広げて簡単な物から説明してみた。


「ふ~ん……幼稚園児でもこんなに喋れるのか……」

「日本の幼稚園児も一緒だよ。たどたどしいでしょ? 文字だと流暢に見えるだけ。実際には、単語ばっかりで喋ってるんだよ」

「あ、そっか。幼稚園児がペラペラ喋ってたら気持ち悪いもんな」

「そそ。まずは苦手意識を無くして、恥ずかしがらない。小難しい文法なんて会話では使わないんだから、考えずに喋っていこう」

「うっし!」


 とりあえずエマでも知ってる単語だけで、世間話を開始。でも、世間話は難しいみたいなので、シチュエーション会話に変更。私が母親で、エマが子供役だ。


「ララ、めっちゃハズいんだけど……」

「ノンノンノン。アイム、ママ。ヘイ! リピート」

「ノリノリだな……」

「私だって恥ずかしいんだから、英語で喋ってよ~」

「ゴ、ゴメン」


 子供役よりはマシだけど、1人でママ役はキツイ。何度か止まりながら、英会話は続くのであった。



「あ、忘れてた」


 エマの勉強が単語の書き取りに変わった頃に、私は立ち上がった。


「どしたん?」

「今日、両親が遅くなるから料理作るって言っちゃったの。食材あったかな??」


 私がパタパタと小走りでキッチンに入ると、エマはゆっくりとついて来て壁にもたれて見てる。


「美人で勉強もできて、料理もできるのか?」

「イヤン。そんなに褒めないでよ~。これなら買い物に行かなくても余裕ね。エマも食べてく?」

「遠慮したいところだけど、どんなの作るかめっちゃ興味があるから食べたい」

「じゃあ、親御さんに電話しなよ。私が説明したほうがいい?」

「他所の家のオカンか」


 ちょっと出過ぎたマネをしたので、私も反省。そういえば昔、子供の友達とこんな会話を何度もしたことがあったから、自然と出てしまったのね。

 電話先の親と「ギャーギャー」やり合っていたエマも許可が出たみたいなので、レッツクッキング。念の為アレルギーや苦手な物があるかと聞いたら、アレルギーは知らないとのこと。じゃあ大丈夫か。

 苦手な物はあるみたいだけど、今日は私が何を作るか気になるのか、我慢して食べるらしい。言ってよ。


 手慣れた感じの私をしばらく見ていたエマであったが「完成を楽しみにする」とか言ってリビングに戻って行った。いや、私の女子力に完敗して逃げてったな、アレは。

 なんだかリビングからは英語のスラングが聞こえているなと思いながら料理を続けていたら、(うな)り声に変わったので、私は慌ててリビングに走った。


「う゛ぅぅ~~~」

「お兄ちゃん! お座り!!」

「ぐるるぅぅ……」

「エマ、待て! ……え??」


 ジュマルが部活から帰って来たのだ。でも、エマまで何故に唸ってる? あ、名字が犬飼だから、猫とは相性が悪いのかな??


「お兄ちゃん。勝手に入れてゴメンね。でも、お兄ちゃんも仲間になったでしょ? 怒らないであげて」

「そいつはなんか気に食わん」

「お願いよ~。私の親友なの~。たまに連れて来るだけだから。ね?」

「ムウ……たまにやぞ」


 ジュマルはなんとか折れてくれたので、先にお風呂に送り込んでエマの相手。


「なんでお兄ちゃんとケンカしてたの?」

「いや、いきなり唸られたから、負けたらダメな気がして……」

「ないわ~。人間どうしが唸り合うなんて、ないわ~」

「向こうが先にやったからだろ~~~」


 エマのお茶目な一面が見れて、私は満足しながら料理に戻るのであった。



 お風呂に行ったジュマルはカラスの行水でリビングに戻り、パンイチのジュマルに勉強してるところをガン見されても負けないエマ。

 「エマは何を意地張ってんだ」と思いながら盛り付けしたら、ジュマルにも手伝ってもらって料理をリビングのローテーブルに並べた。


「さあ、召し上がれ~」

「いただきます! うまっ! うまうまっ」


 今日のお品書きも、和定食。ブリの照り焼きと豚汁。これだけでも充分だけど、イカと里芋の煮っ転がし、私が漬けた漬け物も付けてあげた。ジュマルには、ブリの照り焼きを3枚だ。


「マジでうまい……これって魚だよな?」

「そうだけど……魚、苦手だった?」

「どちらかというと……でも、これならいくらでも食えそう。この里芋もうまいな」

「イカは大丈夫なんだね」

「いや、イカも苦手。こんなにうまかったんだ~」

「アハハ。克服できたなら何よりだよ」


 最悪、豚汁だけでも食べられるようにしたけど、エマはどれも「うまいうまい」と食べてくれるので私も嬉しい。ジュマルはいつも通り、急いで食べてお腹パンパン。


「はぁ~……久し振りにこんなにうまい物食べたよ。ごちそうさま」

「お粗末様。てか、お母さん料理苦手なの?」

「共働きでどっちも帰りが遅いから、お惣菜が多くてな。揚げ物ばっかりなんだ。あ~あ。ララみたいなオカンだったらな~」

「そこは嫁じゃないの??」

「な~んか、ララはオカンというか、お婆ちゃんっぽいんだよな~」

「もっと酷くなった!?」


 友達の中でも、珍しく一緒にいる時間の長いエマには、私の正体がバレてるのかと驚くのであった。


「ララはお前の嫁にやらんからな!!」

「女どうしで結婚できるか!!」

「はいはい。ケンカしないの」


 ジュマルがバカ丸出しなことを言ってエマもケンカ腰で返すので、私が取り成すのであったとさ。


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