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お兄ちゃんの前世は猫である。その秘密を知っている私は転生者である。  作者: ma-no
高校生である

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108/130

108 トリプルブッキングの結末である


 お兄ちゃんの前世は猫である。私の名前は広瀬ララ。忙しすぎるのも大変だ。


 三者協議の結果、今年の甲子園はジュマルだけ辞退となったので、本人にも説明してみたけど「ええで~」っと軽い。ジュマルに取っては仲間がいれば、試合とかはどうでもええみたいだ。

 しかしながら、スター選手が出ない高野連はええくない。予選の時点でジュマルが全然出て来ないのでは、どうなってるのだと学校に怒鳴り込んで来た。


 なので、校内放送で私は呼び出され、脂ぎったガマガエルみたいなお偉いさんの相手。スケジュールが過密すぎて学業が(おろそ)かになると説明してみたら、「勉強なんてどうでもええやろ!」とのこと。

 さすがにこの発言には校長先生の広いおでこに怒りマークが浮かんでいた。高校生の本分は勉強なんだから、これで怒らなかったら私が怒っていたよ。

 いや、ちょっとキレて、スマホに録音していた音声を流してやった。「高野連の上層部はパワハラ体質だ」と弁護士の母親に報告するとも言ったら逃げて行ったので、もう来ないだろう。


 とか思っていたら、マスコミ各社が監督批判をやり始めた。絶対あのガマガエル、変なリークしやがったな!!


 おそらくだが、うちの野球部がまだ勝ち残っているから、世間を味方に付けたら動かざるを得ないと思っているのだろう。世論調査でもジュマルを見たいと言う人が8割もいて、非難の声も高まった。

 さすがにこの事態には私では対応できないので、母親と一緒に会見を開いて、事細かく説明することに。これで流れは一気に変わった。


 バスケファンやサッカーファンがジュマルを見たいと声を上げ、一般市民は勉強が大事と擁護してくれたのだ。

 ついでに怒鳴られた音声も提出したので、高野連は針のむしろ。ガマガエルたち上層部への非難の声に全てすり替わった。


 ちなみに沈黙を貫いていた高校球児は、ジュマルが出ないと知って歓喜の声を上げたらしいけど、テレビでは涙ながらに「ジュマル君と戦いたかったッス!」とか、ガッツポーズしながら言ってた。


 ちゃんと最後まで演技しろよ。涙も出てなかっただろ。ヘラヘラしやがって……


 これで監督批判は終結。高野連批判と、サッカーとバスケが楽しみという声、美人すぎる弁護士と美人すぎるJKと騒ぐネットの声だけとなった。



「もう、大変だったよ~」

「デジャビュ……」


 やっとこさ普通の生活に戻った私は、机に突っ伏してエマに愚痴を聞いてもらった。でも、既視感があるらしい。


「だから、ララがやることじゃないんだって。弁護士の隣に座るのは、校長だろ。何してんだよ」

「だって~。私がやり始めたことだし~」

「いい加減、アニキ離れしな。嫁に行けなくなるぞ」

「学生結婚した~~~い」

「はいはい。まずは相手からな」


 最近のエマは、私の扱いが雑になりつつあるのであった。



 それからサッカー部もバスケ部もジュマルのおかげで快勝。野球部も誹謗中傷に負けず頑張っていたけど、あと2試合勝てば甲子園ってところで負けてしまった。

 ジュマルのおかげで、チームのレベルが上がっていたみたいだね。それに、ジュマル抜きでもここまでやれると見せたかったし、甲子園まで行けばジュマルも出場させてあげられると頑張っていたらしい。


 いい仲間だ。手作りクッキーあげる。

 

 もちろんバスケ部とサッカー部は、ジュマルが暴れまくって国体優勝。こちらにも手作りクッキーを配布。でも、バスケ部は元気ないね。

 優勝したのにバスケ部が元気がない理由は、例のアレだ。相手選手がかわいそうっての。ファールでジュマルを潰しにかかったチームは、ブーイングされまくってたもん。その上、最後までコートに立っていたのは3人だけだったし……


 でも、ムキになって跳び蹴りとかしていたアイツらが悪いと思う。ジュマルに全部避けられて、怪我人続出とテクニカルファール連発だったもん。よく反則負けとかにしなかったな。


 今回素直に喜んでいたのは、初優勝のサッカー部だけ。チームワークもよく、失点は一試合3点以内に抑えたのだから、ダブルスコアどころかセブンスコアぐらいの試合があったけど……そのうちサッカー部も辞退しそうだな。


 こうして今年の夏は「広瀬ジュマル3競技制覇」という見出しのニュースで溢れたのであった。



 夏も終わり2学期が始まると、またスカウトがやって来たけど、いつもとちょっと違う。


「広瀬さん。なんと言っているのですか?」

「イギリスに来ないかと……英語喋れる先生いないんですか?」


 校長先生に呼び出されたから私が顔を出したら、通訳をやらされたよ。そう。世界がジュマルを欲しいと押し寄せたのだ。

 こいつらには日本の常識は通用しないらしく、通学路で待ち伏せしている者もチラホラと。


「殴ったらええか?」

「あきまへん! ゴーホーム!!」

「ララが英語で交渉してる……カッケー」


 そのせいでジュマルは暴力的になるし、エマは私がデカイ外国人相手にも物怖じせず口喧嘩しているのを尊敬の眼差しで見て来る。

 これはちょっと面倒なので、しばらくタクシー通学にして、また母親に相談。その結果、高校卒業後の進路だけは発表することとなった。


「ジュマルには、高校卒業後はプロ野球選手を2年だけやらせます! その後は、サッカー、バスケを2年ずつして海外に出ます! 海外チームの交渉は、卒業した5年後から始めます! それより先に交渉に来たチームには、ジュマルを絶対にあげません!!」


 私が毅然とした態度で日本語と英語を駆使して記者会見をすることで、海外のスカウトは自国に逃げ帰ったのであった……


「もう、大変だったよ~」

「何回同じこと言うんだよ。母親に任せておけばよかっただろ」


 自分から首を突っ込んでいるのだから、とうとうエマは愚痴を聞いてくれなくなるのであったとさ。


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