あとがきとイラスト紹介
【あとがき】
皆さま、お読みいただきありがとうございました。主催者のKanです。そして参加者の皆様、一年半にも渡って、この企画にお付き合いいただきありがとうございました。今回ははじめてのリレー小説企画ということで主催させて頂き、上手くいくものか、非常に心配していたのですが、参加者の皆さまにご活躍いただき、おかげさまで完結に至りました。本当にありがとうございました!
今回は、まず参加者の皆様に初期設定をあみだくじで割り振り、集まった設定をもとに僕が1話を執筆して、それからバトンを譲るようにして、ターンテーブルがまわってゆくようなシステムになりました。
皆さまの回はどれも特色があり、非常に勉強になりました。物語の流れを正確に引き継ぐようにして着実に展開される羽野様の回。東夜鈴という際立ったヒロインを出された葵様のキャラクターの創出の回。突然、予測不能な変化がもたらされるナツ様の回。知識が豊富で、文化的な奥深さが感じられる若松ユウ様の回。ラブコメみたいでキャラクターの触れ合いが楽しい孫遼様の回。そして本格ミステリーの趣向が凝らされたロジカルな庵字様の回。
ここで、裏話を書いていこうと思います。
オオトリの庵字様が設定された「正陽」というキャラクター、葵紀ノ未様が設定された「青博館高等学校」という舞台などをもとにして、僕は第一話を執筆しました。
第3話までキリスト教の学校で行われるオーソドックスなミステリー小説が展開されていきましたが、第4話でナツ様の文学性が大胆に展開されましたので、この「神」という問題に、僕は僕なりの趣味を展開しようと思いまして、ちょうどトルストイの「戦争と平和」を読了したこともあって、フリーメイソンの影響や、宗教色を反映しようとして「ナツ派」という異端教団の方向に展開させました。青博館高等学校で、純粋なキリスト教とその異端であるナツ信者の争いが秘密裏に続けられてきたというお話を書こうと思ったわけです。礼拝堂の描写をして、吉岡のナツを信仰しているものへの恐怖を描いたのはそういう狙いがありました。
その後、校長室に正陽がお邪魔した時、僕はそこで校長を出そうとしましたが、よく読んだら、校長は警察署で事情聴取を受けていたので、僕は慌てて神父キャラを出すことに急遽変更しました(あそこで校長出していたら変なことになっていたので、本当によかったです(汗))。
仏教オタクである僕はキリスト教の造形が浅かったので、代わりに神父キャラを出そうとして名前がまったく思いつかず「赤と黒」のピラール神父の名前を拝借しました。
「暴れん坊将軍」にハマっていた時期には、時代劇の将軍風なキャラを出したりとかなり遊んでいたのですが、いつもその後の話を引き受けてくださっていた羽野さんには本当に申し訳ない限りです。
ナツさんが皆さまに投げかけた「神」というテーマに、僕は僕なりに答えていったつもりですが、葵さんが「葵紀ノ未神」を出し、ナツさんサイドに移った時は、まさかあなたまでそっちサイドに!?とかなりの衝撃を受けました(笑)。おおっと思ったのは、やっぱり庵字様が後半で、この物語の世界をメタな小説の世界として回収された時ですね。ここで「神」は明確に「執筆者」となり、これを受けて僕も物語をまとめる方向に展開することができました。メタな世界だということで、ナツ派の意味も明確になりーーここでナツ様の神像を勝手に出したのは申し訳ありませんでしたがーー物語が一気に完結に向けて走り出した気がして、個人的に嬉しかったです。また孫さんが事件の真相を解き明かされて、混沌としていた状況が、ミステリーとして見事にまとめられた時は拍手をしてしまいました。
タイトルは募集と投票の末、若松ユウ様の「名探偵ミナミ・セイヨウの誕生」に決定しました。若松ユウ様には、素敵なキャラクターのイラストも沢山いただいております。ありがとうございます!
本当に皆さま、一年半に渡り、リレー小説を執筆してくださり、ありがとうございました。非常に楽しい時間でしたし、勉強になりました。またこのような機会がありましたら、どうぞよろしくお願いします。お世話になりました!
(Kan)
人の労力で生きたい消しゴムデビュー予定、葵紀ノ未です。
1年以上かけて、ついについに完結したリレー小説「学園ドラマ×ミステリー」でした!
今、この文章を読んでくださっているみなさま。本当にお疲れさまでした&ありがとうございます。
はじめてのリレー小説。7名中3番手。Kanさん、羽野ゆずさんに続かなければならないプレッシャーは大きかったです。他方、そもそもリレー小説参加者の方々が偉大なもので避けようはなく、諦めて最善を尽くすことにしました。
このときを待ちわびていたので先に書かせていただきます。
それでは、満を持して。
わたしが第三話を寄稿した主催者Kanさんからの返信メッセージを引用させていただきます。
「続いてはエキセントリックな作家様のナツさんなので、葵さんのバトンが、どう受け継がれるかドキドキですね。(^^)」
えきせんとりっく……なるほど、エキセントリック。
決して普通ではないのだと驚く準備はしておりました第4話。思考停止する覚悟はしておりませんでした。
これがリレー小説の洗礼かぁ!! 何周か過ぎてテンション上がりました☆
さて。真面目にカンタンな振り返りをしようと思います。
春麗、玄冬とミステリーツアーに参加してきたので、 次は秋かな? と。油断していたころ――2020年10月9日。
TwitterのDMよりKanさんから事前にリレー小説企画へのお誘いをいただきました。Kanさんの話術とわたしの単純さが見事にかみ合い、11月に企画の正式発表をうけて参加表明をしました。12月にはKanさんの活動報告にて班分けと初期設定決めについて発表されました。学園ドラマ×ミステリー班に配属され、物語の舞台となる学園の名前を決定する仕事を与えられました。
皆さまがどのように来るのか予想すらできなかったので、どのような路線にすればいいのか迷いに迷いましたね。「学園ドラマ」ということで青春っぽさを出そうと漢字を並べて遊んだ結果「青博館高等学校」が誕生しました。(もちろん、読み方なんて考えておりませんよ?)
2020年12月31日に主催者様からご連絡。第二話が公開されたので第三話目の執筆を進めるようにという旨。
1月1日に完成原稿をお送りすると、ありがたいことにその日のうちに返信が。タイトルの記載をはじめとした、その他の修正点の多いこと多いこと。本当にすみませんでした!
(ちょうどこのころ、「サイト作りたい」と思い立ち、勢いで動き出しました。わたしは自分の辞書にも人様の辞書にも「計画性」というものを存在を確認できませんので、主催者様に容赦なくご連絡して企画をお伝えました。この場をお借りして謝罪申し上げます。)
気がつけば二週間たたないうちに1周目が完了。およそ1カ月で2周目も……とにかくサイクルが早く、だいぶ焦りました。
が。
後を任せる方々がどうにかしてくれるだろうと気がついてからは自由にさせていただきました。実際、どうにかなりましたね。さすが歴戦の神様は格が違います。
冬休みが明けてからは最新話が更新されるたびに考察や伏線に使えそうなところをメモして自分の執筆で扱いきれる部分は活かしました。それでも皆さんによる各話には予想外を突かれっぱなしで、後半になるにつれて執筆に時間がかかるようになりました。自分だけで創作を行うことが多かったので、新鮮な感覚でした。
昨年度の終わりに自分の執筆を終えてからは、プレッシャーから解放されてのびのびと最新話を楽しみに待機していました。
良い感じのラストには感服いたしました。
完結に際して、安堵よりも達成感が大きいように思います。
複数人で作り上げたことによるものでしょうか。
んー。
1文字から1万文字まで掲載可能とのことでしたが、あまりにもだらだら書こうとすると要領を得ないのでこのあたりで締めさせていただきます。
貴重な体験をさせていただけて光栄です。
ありがとうございます。
改めまして、この文章を読んでくださったみなさま。本当にお疲れさまでした&ありがとうございます。
(葵紀ノ未)
リレーの途中で私生活が慌ただしくなって投稿できず、ご迷惑かけてしまい申し訳ありません。それはそれとして皆様が私(小説の中のナツ)をボロボロにする様を読むのは痛快でありとても楽しかったです。キャラクター=作者というわけではありませんが、結果としてかなり現実ともリンクしていて、物語を作る作者としてはこれはこれで悪くないなあ、とも思ってしまいました。皆様、完結していただき本当にありがとうございました。
(ナツ)
一年以上も続いた連載作品が完結し、安堵半分、寂しさ半分というのが、現在の率直な気持ちです。
連載中、ナツ様や葵紀ノ未様から渡されるバトンは、毎回こちらの予想を上回る発想とストーリーで、ここから孫遼様へどう繋ごうかと考えさせられました。
普段、自分一人で書いている時には思いもよらない展開が飛び出してくるということもあり、たいへん刺激を受け、愉快に筆を進めることができました。
いささか調子に乗り、原稿内には個人的な趣味に走ってしまった部分が多々あるのですが、そういったところをKan様は冗長だとボツにされることなく、むしろ文中に含まれている雑学を興味深そうに受け止めてくださったので、参加側としては非常にありがたく、やりやすかったです。
企画主であるKan様、リレーに参加された皆様、ならびに読者の皆様に深く感謝し、あとがきとさせていただきます。
(若松ユウ)
こんにちは。恐れ多くもオオトリを務めさせていただきました庵字です。
次回のKanさんの主催企画が「ミステリーのリレー小説」だと知ったときは、「いや、無理やろ」と思ったのが正直なところでしたが、こうして無事完結を迎えることができました。ひとえに参加して下さった皆様のおかげです。特に、本来でしたら私が担うべき「謎解き」パートを、しっかりと、過不足なく、さらにロジカルにまとめていただいた孫遼さんは素晴らしい仕事をなされたと思います。私はもう孫遼さんには足を向けて寝られません。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
私が命名を担当した「南見正陽」が、他の作家の皆様の筆によって活写されていくさまは、読んでいて不思議というか、これまでに味わったことのない気持ちで新鮮な体験でした。正陽をかわいがってくださって、ありがとうございました。
私が担当したパートは、あまりストーリーに起伏を持たせたりもできず、地味な話ばかりになってしまったかなと読み直してみて感じました。またこういう機会があれば、今度はもっと積極的に絡んでいこうかなとも思っています。
主催者のKanさんはじめ参加された皆様、たいへんお疲れさまでした。
(庵字)
【イラスト紹介】
(若松ユウ様作)
(Kan作)




