シーン94魔族からの刺客。
リオちゃんはあれからアレッタにベッタリになっていたの。
『ねえねえ、アレッタ!これでいいかな?』
『ええ、凄く上手に出来たわね?』
二人が笑顔で作っているのはクッキーというお菓子だったの。
『これがぁパパの顔ーーー!でねでね!こっちがアレッタぁ!』
『凄いじゃない?本当にパパそっくりじゃない?』
楽しそうな二人に私は思わず声をかけてしまう。
『二人とも私にも見せてくれないかな?』
『うんっ!!いいよお!アキニーもあるんだもん!』
『へえ!どれどれ?』
私の目に映ったのは頑張ってリオちゃんが作ったクッキーで私の顔を形作ったものだった。
『凄いわねリオちゃん?』
『うーん………でもねえ?アキニーのそのくるくるってなった可愛い角が上手くできないんだあ。』
そういうと悲しげな表情をするリオちゃん。
こんなにも一生懸命に私のクッキーの事を考えるリオちゃんに思わず私は口を開く。
『リオちゃん!リオちゃんが作ってくれるなら私はそれだけで嬉しいもの!ありがとう!』
私の声にリオちゃんに笑顔が戻る。
『えへへ………アレッタもアキニーもやっさしぃ!』
『こらこら……リオちゃん?でも向上心………もっと上手くなりたいって気持ちは忘れないようにね?』
そう言ってリオちゃんをたしなめるアレッタ。
『はーい!アレッタって本当にママみたい!』
そう言って嬉しそうに微笑むリオちゃん。
『もお………でも本当にリオちゃんが私の子供だったら幸せだろうなあ。』
そんな言葉を口にするアレッタ。
私はアレッタの言葉に思い出す。
そう、かつて私達は同じ人を好きになった者同士だったの。
私は口を開く。
『そうね………私達には叶わなかった事だけど………きっとこれからの未来にそんな事があったら幸せよね。』
『ええ…………本当にそうよね………私ね………リオちゃんに出会って初めてそんな愛情に気付かされた気がするわ。』
そう嬉しそうに語ったアレッタの表情は本当に幸せそうな気持ちが伝わってくる。
そう……たとえ魔族だって心根が違えば人間と変わらないんだ………私は改めてそれを実感できたとこの時は思ったの。
それからしばしこのケニージアに幸せな時が訪れる。
だけど幸せな時間は長くは続かなかったの。
◇
◇
◇
そろそろリオちゃんの様子も変わり落ち着いて来た頃………ケニージア城に一人の訪問者が現れる。
私が感じた何か。
それは同時にレギオン………そしてアレッタも感じたみたい。
二人は私のいた謁見の間に現れる。
『アキニー!!???』
『アキニー様!!!???』
『二人とも…………これは…………………魔族………』
私の声に頷く二人。
するとレギオンが口を開く。
『何者なのか……………油断ならない力を感じてる……ここはまずは奴の狙いを聞いてみるべきか………。』
『いえ…………レギオン様………そう悠長な事は言ってられないかも知れません………なぜならあいつは…………かつてのラグナ様の部下……私の元同僚であった魔族………その名は………』
アレッタがそう言った瞬間。
ドゴーーーーーーーーーーーーンっと城門の方から激しい轟音が聞こえた。
そしてこの謁見の間にズカズカと入ってきた大男。
『彼がその男…………かつてのラグナ様の右腕とも言われた男……………魔将軍ベリアルです。』
『魔将軍………………………。』
『ベリアル……………………。』
私達が見上げるその姿は巨大な鎧を身にまとった大男。
その名からも想像がつきそうな程の威圧感と恐ろしい力を感じる。
するとベリアルは口を開く。
『くくくっ……………なんだあ!?俺と同じ匂いを感じると思って来てみれば懐かしいじゃねえか!?なあ?アレッタあ?』
ゲスい表情で食い気味にこちらに話しかけてくるベリアル。
するとレギオンが前に出る。
『なんだ貴様は?』
『俺か!?俺はな………これからお前を叩き伏せる男だよ。』
すると大笑いするベリアル。
『あーーーーーーーーーっはっはっは!!!お前みたいな、か細い男が俺様を倒すだとおお!?寝惚けてるんじゃない…………それはこっちのセリフだ!!!?まあでもこいつは口で言っても分からないらしいアホうのようだが……』
ベリアルはそういうと一つの何かを取り出す。
『くくくっ……………俺様がここへ来た理由は三つ……一つは人間などつき……惚けた元同僚の目を覚まさせる事………一つはこのケニージア城を
を我々魔族の為に明け渡す事……………そして三つめは。』
そういいながらベリアルが手に構えたのは巨大な刀の様な武器。
『これは斬馬刀という………そしてこいつは魔神具という…………魔王様の復活への狼煙として貴様らを全て抹殺する事だーーーーーーーーっ!??』
そう叫びレギオンに斬りかかっていく魔族ベリアル。
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