シーン92レギオンとリオ。
夜明けを待って私は目を覚ました。
すると私の鼻にいい香りが漂ってきていた。
ゆっくりと目を開けていくとそこには
燃え上がる炎で何かを焼いてるイシメール君があったの。
『おはようイシメール君』
『おわっ!?ア、アキニー様っ!!おはようございます!!』
私の声にこれでもかって程の驚きの声を上げるイシメール君。
私はその驚きように思わず吹き出してしまう。
『あははっ!イシメール君ったらまるで魔物でも出たような顔しちゃって!ちょっとひどうぞお?』
『いやいやアキニー様はいつも本当にお綺麗で魔物だなんてそんな!』
焦りながら言葉にするイシメール君。
彼は私よりも十歳程程は離れていた。
でもさすが男の子……成長が早い。
私はそんなイシメール君にやはり母性本能の方が強く感じ可愛く感じてしまっていた。
『イシメール君……ありがとう!でも気をつかわなくていいのよ!本当にありがとうね!』
その時私の脳裏にふと思い浮かんだのはリオちゃんとレギオンの事だった。
あれから彼らは遠くアメリスアードに帰ったのだ。
だから私は全く会ってはいなかった。
私はふと言葉が口から飛び出す。
『しばらく前にイシメール君さ、アメリスアードから小さな女の子が来たのを覚えてるかな?』
『ん……ああ!リオって子ですね。』
その時、イシメール君の目が輝いた気がした。
『そうそう!あの時イシメール君さ、リオちゃんと仲良くなっていたよね!それにあんなに必死に守っていてかっこよかったよね!』
私はあの時のイシメール君を思い出す。
そう、あの時私達は聖獣様に会いに行き……そして事を終え…………リオちゃんの元へ帰ってきた私達が目にしたのはリオちゃんを傷だらけになりながら守っていたイシメール君だった。
あんな凄い強い心を持っている勇敢な戦士……そしてその医療の知識をも合わせ持つ彼は本当に未来への希望となる凄い青年になっていくんだなと思うと応援してあげたくなるのだった。
『いやあ……でもあの時もリオちゃんを守るのに必死だったけど僕はマサイア族の戦士……もっともっとこれからも強くならなきゃです。』
『本当に頼もしいわね……そうだ!今度イシメール君にプレゼントしたい物があるの!!楽しみに待ってて。』
私はそういうと……三人で朝食をとり帰路に着くのだった。
たまにはこんな時間を過ごすのも本当に楽しいと思った瞬間だったの。
◇
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こうして私達三人はちょうどお城に辿り着く。
すると意外や意外!!!!!
なんと話をしていたレギオン………そしてレギオンの愛娘であるリオちゃんが訪ねてきたところへ私達は帰ったのだった。
そしてレギオンが声をかけてくる。
『おお!!アキニーに……イシメール君か!?』
『えええーーーーーーーーーーっ!?突然どうしたの!?随分久しぶりじゃない!?』
私は思わず叫ぶ。
するとにこりと微笑み私の手を取って喜ぶレギオン。
レギオンも色々あったのだろうけれど、きっとリオちゃんの影響もあってか以前よりも明るくなった気がしていたのだ。
そしてレギオンが口を開く。
『ああ、実はな………リオのやつも成長していくと、確かにめちゃくちゃ可愛いのだが……学校に行ってもとても男勝りでな…………暴れ足りないらしくてな……そんな可愛いリオのストレス発散も兼ねて、こうしてここへ旅行に連れてきたってわけだ。』
全く、話を聞いているだけでその親バカぶりは健在なのであった。
『なるほどね………そういう事だったのね?でもいいわよ!私もあなたたち親子は家族みたいなものだもの………時間の許す限りゆっくりしていけばいいわ。』
すると、そこへアレッタがやってくる。
『レギオン様ですね………私はアキニー様の秘書兼友人のアレッタと申します……ここにいる間は何なりとお申し付けくださいませ。』
『丁寧にありがとうございます!娘共々突然の訪問に丁寧にお応えいただき感謝いたします。』
するとさすがレギオンはアレッタが魔族である事を勘づいたのだろう。
一瞬険しい表情を浮かべるが、笑みを浮かべ答える。
『さあ、じゃあリオ?ちょっとパパはアキニー様と話をするからイシメール君と遊んできなさい。』
『はーーーーーーーい!パパ!イシメール君!?行こう?』
『うん!』
そう言って二人は仲良く部屋を出ていく。
そして閉ざされたこの部屋。
ここには私、アレッタそしてレギオン三人だけが残った。
するとレギオンの表情が変わっていた。
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