シーン89ヨーロディアにユーロあり。
俺の目の前で身体を貫かれるベルトン氏。
そして次なる獲物と言い放ったもはや魔物でしかないバロンはマリア達に向かい飛ぶ。
『うおおおおおおおーーーーーーーっ!?』
俺は叫び駆け出す!!!
今まで俺の人生を振り返り様々な嫌なものも見てきた…俺の中では様々な思いが交錯する。
父親への確執、母親への思い……そして影で支えてくれてきたベルトン……これまで俺に関わって来てくれたマリアはじめエルメス……リュートにフェルディア王………俺は今………皆の思い……そして力をここで今。
すると俺の身体に浮遊感を感じる。
(これは…………………………………タイガ………。)
その瞬間。
俺の身体に吸収され、融合していく魔神タイガ。
俺のやりきれない思いがタイガの意思とリンクしていく。
すると聞こえてくるタイガの俺に呼びかけてくる声。
『マスター…………融合準備……完了いたしました。』
『ああ…………今俺の身体にお前が重なる………いくぞ。』
その瞬間!!!
俺の身体をバリバリバリっと氷の鎧が覆っていく。
そして更に巨大化する魔物バロンはマリア達に迫る!!!!!
『これは!!!』
『きゃっ!!???エルメス様っ!!???』
その時。
まさかのエルメスがとった行動はマリアをその身を呈して守る事だった。
そんな二人に迫り来るバロンの巨大な腕。
『クククッ………庇ったところで二人ともだ………………しねえーーーーーーーーーっ!?』
俺の身体に緊張が走る。
その時。
ピキピキっと俺の足元に冷気が集まっていく。
その瞬間。
バリバリバリーーーーーーーーっと氷の柱が地面から激しい音と共に飛び出していく。
それはまるで意思を持つかのように飛び出していく。
そして遂にバロンの足元から飛び出した氷柱がバロンを捉えようとしたその時。
マリア達へ到達目前に飛び出した俺は到着する。
『なにっ!?くそっ!!???』
悔しがり、そう告げたバロン。
『遅かったようだな………だがお前がまさかここまでしてくるとはな…………正直驚いたぞ………だがな俺は……元々が魔族だ………そしてあの魔神薬で強化したこの身体……自らを魔神とした俺様は最強なのだっ!!!!????』
すると更に奴の身体から溢れ出す恐ろしいほどの魔力。
奴のその身体もまた、強敵である事が感じられたんだ。
『うおおおおおおおーーーーーーーっ!!いくぞ!!!若輩ものがあああーーーっ!!!???』
ブオンっと飛んでくるバロンの右拳。
そしてヒットする瞬間。
ピキピキっと音を立てた瞬間。
バロンが腕を押さえ激しく叫ぶ。
『うがあああああーーーーーーーーーーーーっ!!???』
すると、その腕はするりと落ちていき地に音を立てドサッと落ちる。
『う、腕………俺様のうでがあああーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!???』
バロンは血液が溢れ出る腕をおさえ取り乱す。
俺は近づいていく。
『過去にあった出来事は、確かに俺にとって辛い現実だった……母を奪われ………そして父親をも失い……だが、こんな俺でも慕ってくれる者たちの為に今一度立ち上がろうと思ってここまで頑張ってきた、そしてお前がこれまでこの国の為にしてきた政治は俺にはこれまで分かっていなかった部分があったが、お前が用意した野盗達の話から、影では違法とされてる魔神薬の密売から人身売買…そして殺しまで…影でやってきた悪政は全て、証明済みだ………。』
逃げ出し、それでも残っていた民衆達がざわつきの声を上げる。
『それが本当なら、やはり全てが俺たち国民を騙し続けてきたんだな!!!????』
口々にそう言い放つ市民達。
そして俺は言い放つ。
『いいかバロン………!?ここから俺が切り開く未来にお前の創ろうとしている未来などいらない………。』
『うるせえ……うるせえうるせえうるせえ………うるせえうるせえーーーーーーーーーーっ!?もういい……ここまで大人しくしてきてやったが……もういい………これまで密かにしか人間を食う事をしてこなかったがもういい………食ってやる食ってやる食ってやるーーーーーーっ!?』
バロンの身体から無数の触手が生えだしその攻撃は広範囲に広がる事が予想された。
『はあーーーーーーーーっはっはっは!!!!これで皆皆食ってやる!!!!!』
すると動き出すバロンの巨大な触手達。
そして俺は構える。
『さあ、終わりにする…………お前は既に俺の攻撃範囲に入っていた……………。』
『なっ!?なにっ!?うご………けん。』
バロンの身体、そして触手達は動きを止める。
『俺の魔神タイガは……そう派手な動きはしないが………だが静かにその力を遂行し……敵を討つ………さあ、バロン………お前はこれまでのお前が手にかけてきた者たちに詫びて………そして。』
足元からパリパリパリパリっと凍りついていくバロン。
そして。
『永遠氷塊の中で………………眠れ。…』
俺のタイガはバロンを背後から捉え抱きしめる。
恐怖にひきつるバロンの表情。
次の瞬間。
バリバリバリっと身体はいっしゅんで凍りついていく。
『絶対零度………。』
そしてそこには美しい氷像が出来上がり………。
割れ落ち全ては無へとかえっていったんだ。
そして。
◇
◇
◇
俺はあの一件で政界への道は進まなかった。
全ての皆々へ謝罪をした俺は政界にいるよりも魔王の影ある今はその方が世界の為になるであろうマジェスト協会で動く事とした。
俺はきっとこの方が。
俺は父と母の墓前で告げる。
『母さん……そして父さん………この方が俺にはあってるよな?』
お読みくださりありがとうございました。
明日からアキニー編です、お楽しみに。




