シーン81いよいよ出陣の時。
俺はマリア、そしてエルメスと共にリーバの街へと向かう。
ここからは講演会の方々の元へ向かい、そして準備を整え、俺の演説が始まるのだ。
俺たちは馬車に揺られる。
すると口を開いたのはエルメスだった。
『いいですかユーロ様?これから向かうのは市民に正式な政治へのユーロ様の決意表明なのです!これは選挙戦に立つ全ての立候補者様が揃いそれぞれの決意表明をする大切な日です……ここがスタート地点だと思っていてくださいね。』
エルメスの声に俺は窓から外を見る。
(この街はかつて俺の親父が政治家としてその腕を奮っていた……だが俺にとってはそんなに輝かしいものには見えなかった。)
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『いいかユーロ!?この街はかつてこの地の王アクレスが収めていた国だ……我々政治家はその歴史を知らなければならない……そして先代の王アレクスは国民を守り続けてきた………だがこの国の体制にアレクスは疑問を感じるようになった…民衆を率いそしてこの国を繁栄させる為に近隣の国々を支配していく………人間のそんな野望でいつも苦しむのは民衆だ…なぜ……そんな利己主義を通し無駄な争いをしなければならないのだろうか?そう考えたアクレスは国を纏める事に『政治家』というものを作ろう………そしてその政治家は国民の代表として様々な事を考えてもらい実行するのだ…………ここから民衆からの声でこの国を運営してもらう……そうすれば国民の痛み……政治への意見を貰えることだろうと。』
つまり争いを無くすために国民の声を上げてもらう………それをアレクスは考え、やってみることにしたというわけなのだ。
『はい……』
俺は父から何度も聞かされた話に返事を返す。
確かにかつてのこの国の王アレクスは国民の事を一番に考えいかにいい国を作るかという事にその命をかけたのだ。
アレクスはこのヨーロディアの父と呼ばれ、優しき国王という位置づけの王だったのだ。
そんな事がありこのヨーロディアの政治は民間へと切り替わっていたのだった。
そして俺の親父もまた政治家となりこの地の為に尽力していた。
そんな俺は今……その政治家を目指す為に向かっているのだった。
すると、俺たちを乗せた馬車はとある森へと侵入していく。
鬱蒼と生い茂りはじめる森へ俺たちを乗せた馬車は入っていく。
『この森は!?おい!!馭者!?』
異変に気づいた俺は馭者に向かって叫ぶ。
すると勘づいて荷台から馭者の様子を見に行ったマリアが叫ぶ。
『ユーロ様!!???エルメス様!!??馭者様が!?』
『なにっ!!???』
俺が覗くとそこには馭者の姿はなく馬が勝手に走っていたのだ。
『これは……一体どういう事だ!?』
『ユーロ様……こちらで用意した馬車だったのですがどうやらそこにまで誰かの手が既に回っていたのかも知れません。』
『どういう事なんだ!?』
『つまり、今回の選挙戦に出馬する立候補者の誰かによるユーロ様への妨害という事ですよ。』
『ちっ!!そういうことかよ………しかしくだらないとしか言えないな。』
『本当です!!こんな汚い手を使って他の立候補者への妨害をするなんて信じられません。』
『マリア……………本当にそうだな。』
『しかしこの演説は立候補者の為の最初で最後の演説…………………今回出られなければ出馬の意向なしと取られ選挙戦への出馬もとりけされてしまう………ユーロ様、いかがなさいますか?』
『ああ……………初めからこんな汚い手を使ってきて他者の邪魔をしてくるなど…………そんな敵相手に俺は屈するなど………絶対に認めん。』
俺はそうつぶやくとグローブをしっかりはめる。
俺の背後には魔神アイスが現れ腕を構えていく。
『ユーロ様!!???わたくしも戦います!!!』
『マリア……ああ……ありがとう。』
そしてマリアの背後には巨大な真っ白な翼を広げた白馬………セイレスペガサスの姿があった。
すると森の奥の方からなにかの気配を感じる。
それに恐れるかのように急に立ち止まる馬車をひいていた馬。
すると…………次の瞬間!!!
森の奥からこちらへ向かってくるなにかの影。
そして、それは姿を見せてくる!!!!!
どおおおおおーーーーーーーーーーーっと飛び出してきたその姿はなんと数名の集団だった。
『クククッ……………なんだお前達は、こんなところへ迷い込んでくるとはなあ。』
そういいながらこちらへ歩いてきた一人。
その手に銃を構えた集団。
野盗が俺たちの前に現れたんだ。
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