シーン77ジェイクVS魔物。
俺がグレースの元へ来て数年。
グレースは俺を本当の意味で受け入れてくれ、そして俺は人の幸せを感じていた。
持って生まれた性格は中々変わらなかったが俺は少しずつ性格も柔らかくなった気がしていた。
『母さん?これはどこに運ぶ?』
『ジェイク、無理しなくていいんだってば!あんた昨日から熱が下がらなかったじゃない?それなのに私の買い物の荷物運びなんて。』
俺達は相変わらず貧困街で暮らしていたが俺が真っ当に働くようになり二人の収入でなんとか食べる事には困らなくなっていた。
そんな俺達は少し余裕のできたお金で買い物に来ていた。
『いいんだよ母さん!俺の稼ぎがもっとあれば母さんが働かなくても良くなるのにな。』
『何言ってるの!?人間楽をしたら怠けちゃうでしょ!?私はそれが嫌なの!!』
そう、俺の母さんはずっと一人で生きてきた…だから楽とかは望まないらしい。
でも俺からしたら楽をさせて喜ばせたくなるんだ。
俺達はそんな話をしながら買い物をしていたんだ。
幸せな時間。
ずっと一人だった俺に光をくれたこの女性。
俺はこの時、この女性を守っていきたい……そう思った。
そして俺の中にいる魔神の存在を収める事も出来ていた。
だがこれは俺にとっては、この力のおかげで生きることはできてきたが……心を休める事はできずに生きてきていたのだ。
そんな中で俺にやすらぎを与えてくれていたグレース。
俺はそんなグレースとの幸せな時間を過ごしていた。
そんなある時。
俺もグレースも仕事へ行っていた。
俺が仕事から家に戻ると家の中にはいつもならいるであろうグレースの姿がなかった。
そう、いつもなグレースの方が俺の帰宅よりも早いのだった。
そんな彼女に俺は声をかけてみる。
『ただいま!母さん!?』
俺が声をかけてみるもグレースの声がかえってはこなかった。
俺は妙な感覚を覚える。
すると部屋の奥から何かの物音が聞こえてくる。
ガタッと音がした奥の部屋。
そう……そこはグレースの部屋の方から聞こえてきたんだ。
『母さん!?いるの!?』
俺がそう叫ぶも彼女の返答はない。
あまりにもおかしいこの状況に俺は違和感と不安を隠しきれなかった。
すると奥の方から聞こえてきたのはなんらかの声だった。
それは恐ろしくも恐怖を感じる声だった。
俺の声も震えだし喉の奥で遮られていた。
だけど俺はゆっくりと力を振り絞り奥へと足を踏み入れていく。
ギシリギシリと音をなるべくたてないように入っていくとなんとそこには魔物が何かを襲っていたのだった。
俺は思わず叫ぶ。
『何をしてるんだ!!!!????』
俺の言葉に振り向いたのはまさに悪鬼と呼べる魔物の姿だった。
『グギギ………………………グギ。』
そう声を上げる魔物。
俺はふと隣で倒れている人を見つける。
するとどう見ても見覚えのある衣服を身につけていたんだ。
『あれは………母さんっ!?』
俺が走り出そうとしたその時。
目の前の魔物が動き出す。
ぎゅんっと飛び出してくる奴の拳。
俺は思わず仰け反る。
次の瞬間。
別の手が俺の視界に入る。
ヤバい!?
そう思った瞬間。
ドガッと腹部に強烈な痛みを感じいきができなくなる。
『うぐっ!!!!』
意識がなくなりそうになるような激痛。
このままでは。
俺の手からはアースドラゴンが何かの力を感じていた。
『くがーーーーーーーーーーーーーーっ!?』
するとやつは母さんであろう肉体を食らうかのように向かっていく。
『くそっ!?させるかーーーーーーーーーっ。』
その時。
俺の中で何かが弾けた。
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