シーン67ベルドラ。
私達の目の前で突然の出来事……それは敵であるアレッタを襲う突然の悲劇だった。
『アレッタ!!!???』
『アレッタさんっ!?』
私達が駆け寄ろうとしたその時。
目の前に巨大な何かが立ちはだかる。
それはこのケニージアを支配する為の絶対的力。
兵士団の隊長である『ベルドラ』の姿だった。
『ベルドラ………………貴様…………………。』
『ほお?魔界以来だな………懐かしい顔だ………なあ?ヴァジュラ。』
二人もやはりラグナの顔見知りではあるらしい。
この状況をみると………それはやはりラグナは魔族なのだと改めて思わされてしまう。
私にとって若干の寂しさを感じてしまう。
『ベルドラ………今は挨拶などしている場合ではないのでな…………手短に…………行くぞ!!!???』
魔力を増大させラグナは黒きオーラを全身に纏っていく。
一方のベルドラは終始笑みを浮かべながら串刺しにしたアレッタさんの身体を弄んでいるように見えた。
その忌々しい表情に私も打ち震える。
『アキニー………一旦冷静になれ………』
そう言ったラグナは黒き何かをその身に纏わせていた。
『ラグナ!?それは!!!???』
私の声にラグナはベルドラを見据えながら答える。
『俺たちの目の前にいる男ベルドラ……………こいつはかつて俺の配下であり、俺の信ずる男だった……………。』
◇
◇
◇
俺たちの部隊は魔王軍第一部隊。
俺、そしてベルドラ、アレッタ、ジャグルもまた同じ部隊。
そこではまるで友のように過ごしてきた。
お互いの力を知り、そして皆で切磋琢磨したものだ。
初めは苦労もしたが俺もどんどん強くなっていった。
それと同時に皆もまた…………。
するとそこで物凄い頭角を現したのがベルドラだった。
そして奴は俺達を残し一番になる事が常になっていった。
だが奴はいつしか周りを力で支配するという事を覚えた。
力こそが真理、魔族にとっては当然だった。
その事で奴は全てを力で支配していった。
そして、そんなある時………事件は突然起こった。
◇
それは突然の魔界の瘴気の大量発生だった。
魔界でもそれを受け入れられる者とそうでないものがいる。
時に人や精霊と交わり生まれた者はその後者になってしまいやすいのだった。
その為、濃すぎる瘴気にあてられ自我が保てなくなるものや、崩壊しその身を滅ぼすものなど様々だった。
特に人間との交わりで生まれた魔族はその瘴気に苦しんだのだった。
そんな時。
何故か平然としていたのがベルドラだった。
俺達がその瘴気で苦しむ中………こいつは全くもって大丈夫だったんだ。
そして俺に声をかけてきたのはベルドラだった。
『クククッ………そうか………まさか隊長……アンタも地獄の瘴気に弱いタイプだったのですねえ。』
『くっ!?ベルドラ…………貴様………………この瘴気の異常事態……………何か知っていそうだが。』
『何の事でしょうかねえ…………でも本当に、なんかなさけないですねえ………こんな弱いだなんてねえ………』
ベルドラはニヤつきながらそう答える。
すると目の前で大声を上げ始めるベルドラ。
『おおおおっ!?突然なんて瘴気なんだ!?これをおさめるにはやはりかなりの存在でなければ事をおさめられんではないか!?』
すると誰かが声を上げる。
『おおっ!?まさかあなた様は!?』
苦しみながら国民はその声の主に声をかける。
それは俺達の仲間であるベルドラだった。
『ああ………俺がこのケニージアの兵士団…………副官であるベルドラ様だ……………この瘴気の異常発生はこの地の皆を苦しんでいる………今こそこの俺がその苦しみから皆を解放しようではないか!?』
すると苦しみながらもその姿を見ていたものが声を上げる。
『おおおおっ!?ベルドラ様!?』
『ベルドラ様!?素晴らしいです!!???』
民衆からの多大なる声に彼は大きくこちらを見ていたんだ。
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