シーン65アレッタ。
『ラグナーーーーーーーーーーーーーっ!?』
私の叫ぶ声。
ラグナを押しつぶすジャグルの魔神トロール。
そして私の目からは大粒の涙が零れ出す。
砂埃が舞い辺りに烈風が吹きすさぶ。
すると、私に声をかける声が聞こえる。
『うふふ……どうかしら?自分の愛しい人の最後を見るのも……苦しくて興奮しちゃうでしょう?』
ゲスな言葉を吐きながら現れたのは黒き闇を纏った女性だった。
私はその影に目を向ける。
『私はケニージア軍幹部が一人………『アレッタ』そこのお嬢さんに世の中というものを教えに来たのよ。』
『貴女がケニージアの幹部……………』
『ええ………そうよ……………私はここで貴女達を待っていたの………………そして貴女はこの私の獲物ってワケ。』
『そうですか…………ならば私は貴女を倒して……このケニージアを変えましょう。』
私は弓矢を手に構える。
するとアレッタはニヤリと微笑む。
『あら!?貴女、本当にこの国を討とうとしているのね。』
アレッタは自身が身につけていた黒きマントを脱ぎ捨てる。
するとそこにいたのはとある獣人だった。
それは軽やかに飛び跳ね、そして軽快なステップを踏む動物。
そう、その様子からとある動物を連想させる。
私の脳裏に浮かんだのは………『カンガルー』だったんだ。
すると口を開くアレッタ。
『うふふ……そんなに私を観察してるようだけど……獣人としてはこのアフリエイトでは珍しいかもしれないわね。』
『それは!?まさか…………………………………カンガルー』
『うふふ…………よくわかったわね…さすがだわ……まあ貴女も獣人ですものね…獣人同士ならある程度知識もあるというもの…………でもまあ………私は魔族…………根本的な戦闘に関する能力は………違うはずよ。』
アレッタがそういった瞬間。
ブオンっと空気が耳をかすった。
『イっ!!???』
私は当然耳に受けた痛みに思わず声を上げる。
『あらあら………よく躱したわね……!?さすがだわ。』
私の身体は勝手に反応し仰け反っていた。
そして地に足をつけ倒れるのを留めていた。
『くっ!?はやい!?なんて速さなの!?』
『あらあら………よく今のを避けたわね?避けなければ一瞬であの世にいけたのに………残念だわ。』
私を見つめるアレッタのその表情はいつしか笑ってはいなかった。
私は弓矢を手に構える。
そしていつしか私の傷ついた耳の傷は治癒されている。
『あら…………やはり…………貴女のその武具と能力……伝説の……古代の魔神…フェニックスなのね。』
『貴女こそ、よくわかったわね……』
私の背後にはボボッと炎を纏わせたフェニックスが出現する。
『それがフェニックス…………美しいわ………もう惚れ惚れしてしまいそうな程に。』
『だからどうしたの?私は貴女を本気で倒して………ラグナを救うの。』
私はジリジリと弓矢を構えていく。
『面白いわ……………でも…………貴女のそのもの凄い力も当たらなければ意味は無い………私をとらえることができるかしら?』
そういうとアレッタの様子が変化していく。
すると彼女の手にはグローブがはめられていた。
『これが本当の魔神使いというのを貴女に教えなきゃね………私の魔神は魔界の拳闘士『ウェレック』貴女を倒す……ものの名よ。』
いつしか彼女の側には拳を構えたボクサーのような魔神が立ち構えている。
するとアレッタは続ける。
『この魔神ウェレックはね……………かつて私の恋人だったの…………そして彼は私の魔神となる事を望みこうして力となる事で私達は永遠の愛を誓い合った………そんな私達が貴女のような甘い考えの人間に負ける訳にはいかないのよ?』
『なっ!?なんて事!?』
私は思わず声を上げる。
するとアレッタはニヤリと笑みを浮かべ続ける。
『ほら?ちょうどいいんじゃない!?貴女の彼もどの道助かってないんじゃない!?そのまま貴女の魔神に取り込んでしまえば私と戦う力になれるかもよ!?』
恐ろしい事を平然と言い放つアレッタ。
すると私は身体の震えが止まる。
『貴女は…………私とはまるで合わないわ………でもおかげで『私達も』強くなれそう………ね……………『ラグナ』?』
その瞬間。
『うおおおおおおーーーーーーーーーっ!!』
ラグナの叫び声が聞こえる。
そこに立っていたジャグルは焦り出していた。
そして。
『ダークスペクター。』
ラグナの声が鳴り響く。
するとジャグルが狂乱し苦しみだす。
そして……ジャグルの周囲に飛び回るラグナの魔神の霊達はジャグルを取り囲み……。
『うぎゃああああーーーーーーーーーーっ。』
ジャグルは叫び声と共に倒れていったんだ。
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