シーン60イシメールとの再会。
私達二人はマサイア族の村を目指す。
長い道のりではあったけれども私は僅かではあったけれども幸せだったと思う。
『アキニー!?大丈夫か!?』
『はい…………私は大丈夫です………。』
私はラグナにそう返事を返す。
これが私にとって初めての恋なのだろう……… これまで抱いた事のない感情が私をいつの間にか支配していた。
だけれど今は私達はそれどころではなかった。
私は母の願い……そしてあの国の国民達の為にもこの国を根本から変えなければならないのだ。
そしてまずはマサイア族の村へとすすんでいた。
途中様々なモンスターまで現れるがそんなのは全く問題はなかったの。
彼の手にした魔神具…………『ベノム』………それはかつて自身が魔王の元その力を奮っていた時に使用していたものらしい。
彼がその魔神具を振るう。
すると飛び出す魔神ゴーストが現れ敵を翻弄しそしてバタバタと倒れていく恐るべき魔神具……それが魔神ベノムの能力のようだった。
『ふぅ…………中々手強い輩も多いものだな。』
『ええ………でもさすがですね………この数の敵を一瞬で。』
『はは……そんな大袈裟なものではないがな……ただ……………』
ラグナはそういうと立ちくらみが起こったかのようにフラつく。
『ラグナ様!?』
私は彼に肩を貸し倒れるのを食い止める。
『くっ………すまないアキニー………ちょっと疲労が出ただけだ。』
『ちょっとじゃない気がします!!なにかこう嫌な………』
私の予感はなにかを物語っていたのかもしれない。
この時の私はそこまでは踏み込めなかったの。
するとラグナはふぅーーーーーーーーっと息を吐き、にこりと微笑む。
『ふぅ………もう大丈夫だアキニー!ありがとう。』
『は……………………い。』
『さ、行こうか?もう少しでマサイア族の村も見えてくるハズなのだがな。』
『………………………………………………』
私はラグナの言葉に思わず言葉につまってしまう。
こういう時うまくかえせなかった。
『アキニー!?』
『えっ!?きゃっ!?』
私の身体を抱き抱え飛ぶラグナ。
私達は地面に這いつくばる。
すると。
私達に上から声をかけてくる誰かがいた。
私が恐怖にドキドキしているとラグナが口を開く。
『おい!!お前ら何者だ!?』
聞こえてきたのは幼子の声だった。
私達はゆっくりと起き上がっていく。
すると目の前に立っていたのはなんとあのイシメール君だったの。
『イシメール君!?』
『ん!?あああっ!?アキニー!?』
『アキニー!?なんだ彼を知っているのか!?』
『ええ……彼は正真正銘…………マサイア族の立派な戦士です。』
私の言葉ににこりと微笑むマサイア族の戦士イシメール君。
するとラグナは口を開く。
『君がマサイア族の戦士なのですね?僕はマジェスト協い会のラグナというんだ……よろしくな!』
片手を差し出し握手を求めるラグナ。
そしてイシメール君は恥ずかしそうに腕を出し二人はがっちり手を重ねた。
『僕はイシメール……アキニー様といつか結婚しようと考えてるんだ………よろしくな!!』
真顔でそう言ったイシメール君。
そんなイシメール君の発言に驚いた私達は思わず目と目があった。
そして。
『『プッ…………あははははははは……………』』
思わず吹き出す私達。
『なっ!?なんだ!!笑うなって!!僕は本気なんだぞ!!!』
顔を赤らめ叫ぶイシメール君。
でもそんな彼の思いに私も嬉しくそして可愛らしく感じる。
『イシメール君………その気持ち、とっても嬉しいわ…………ありがとう。』
『い、いや……………』
そう返してくれるイシメール君。
するとそこへラグナが彼の目を見て告げる。
『イシメール君…………君は凄いな……いいか?このアキニーはこれからこのケニージアの女王になる人なんだぞ!?そんな彼女を君は守っていけるのか!?』
冗談に本気の言葉を込めるかのようにイシメール君に問いを投げかけるラグナ。
『ちょっとラグナ……そんな言い方。』
するとラグナは真剣にそう語っていたような気がした。
そしてイシメール君は言葉にする。
『う、うん……………僕はいつか大きくなったらもっともっと強くなって………アキニー様を守るんだ。』
『そうか…………それは頼もしいな…………いいかい?アキニーはこの僕にとっても大切なんだ………この僕になにかあった時は………アキニーを君がまもるんだ』
『うん!!まかせておいてよ!!!』
いつしか二人は笑顔になっていた。
イシメール君とラグナは重要な約束を交わしたような表情で、私にもとても眩しくうつったんだ。
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