シーン57ラグナの見た。
私はキリマジャーロより帰還した。
そしてヤシュア様の元……私の新たな目標に向けて動き出したのだ。
『ヤシュア様………これより私はケニージアへ向かおうと思います。』
『うむ……どうやらそのようじゃな。』
『ヤシュア様……お分かりになるのですか?』
『うむ……時は動き出す………アキニーよ………お前の時は動き出す……そしてここからケニージアに日が差してくるのだ……アキニーよ…………これからお主がやろうとしている事はこの地アフリエイトの全てに革命を起こす事になるのだ。』
私はその言葉に身構えてしまう。
するとヤシュア様は私に語りかけはじめる。
『あの国の現状はこのワシも聞いておる……そしてお前がこれまで体験してきた事は間違いなくケニージアの現状だろう………そんなケニージアを根本から変える必要がある………その為には…………まずは今の国政を変える必要がある……それは国民一人一人の声を聞く事が大切なのだ……そして国民の心を掴むのだ。』
そういいながらヤシュア様は片手を上げる。
すると奥から入ってきた一人の男が。
私は思わず声を上げていたの。
『ラグナ!?』
そう、それは故郷であるケニージアで一人になった私を見つけて保護してくれ、このマジェスト協会に連れてきてくれた人。
でも私をここに連れてきてくれてからその姿を消していたようだったの。
『アキニー…………久しぶりだな。』
『はいっ!!本当に、お久しぶりです。』
私がここへ来てもう十年という年月が経っていた。
その間私はこのマジェスト協会の人達に育てられたようなもの………その中で彼の姿がいつしか消えていたのです。
でも私はそれどころではなく、母親との約束の為にずっと頑張ってきたの。
そして彼とまた、こうして再開できた。
『今までどちらにいかれてたんですか?』
久しぶりだと言うのにこんなセリフしか出てこない私。
するとそんな私の心を察したかのような言葉を用意したかのように口を開くラグナ。
『ああ……何も言わず消えるように去ったのは悪かったな………だがそのおかげでな。』
そういったラグナは何かを手にしていた。
『それは!?』
『ああ……これは俺の魔神具『ベノム』魔界の『ゴースト』という魔族を封じた魔神具だ。』
『『ゴースト』……ですか?』
私はその魔神具に目を向けると何かの違和感を感じてしまった。
『ああ……この力を手にするために…俺は遠くブラズールという国まで行ってたのだ。』
『そんな遠くまで!?』
私が問いかけるとそこへヤシュア様が口を開く。
『ああ…そうじゃ………アキニーには教えておこう……このラグナはな……元々は魔族なのだ。』
『えっ!?えええーーーーーーーーーっ!?』
私はこの辺り一体に響く程の叫び声をあげる。
するとヤシュア様は続ける。
『フフ、驚くのは無理もない………』
『そうですねヤシュア様……ではこの僕が魔族ながらにこうしていられるのは何故か………それを話そうではないか。』
◇
◇
◇
僕はたしかに魔族だ。
かつて魔王ゼルドリス様が君臨していた頃。
僕は魔王ゼルドリスの力を分けいただき、戦っていた。
魔王様の力は絶大だった。
魔王様と力の共有をしていた僕達は魔王様の力が増すほどその力はより強くなれたのだった。
そしてより凶暴性もます。
だがそれだけではなかった。
逆にそれは魔王がきえたら魔族達も一緒に消えゆくという事にもなりえるのだった。
その事がより魔王様への忠義心を掻き立てるのだった。
そしてそんな時。
魔王様の元へやってきたのは勇者様だった。
美しくそして勇ましいヒューマンの女勇者。
魔王ゼルドリスと勇者様の激しいバトルが始まった。
激しい戦い、それはあまりにも強烈だった。
どちらも一歩も引くことの無いバトルはやがて辺りの者達も巻き添えをくいはじめる。
そしていつしか魔王様と勇者の二人の者を除くと残っていたのは勇者側の面々。
『ぐうううっ!?おのれ勇者めえええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?』
『魔王ゼルドリス………これで終わりだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ。』
そして…………勇者の剣が僅かに魔王ゼルドリスを超える。
『なにーーーーーーーーーーーーーーっ!?』
『はあああっ!?』
勇者が叫ぶ。
『魔神封印!!!!』
その瞬間魔王ゼルドリスは勇者により切り裂かれそしてこの世界から消え去ってしまった。
すると僕は残され意識があった。
『なぜ、僕はなんでもなかったんだ?』
すると勇者がこちらに気がついた。
その光景に僕は立ちつくしでいた。
そして勇者はいった。
『おお、君はいきていたんだね!良かった。』
笑顔の勇者は笑顔を向けてきていたんだ。
僕はこうして勇者の笑顔に毒をぬかれたようだった。
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