シーン43真のマリアの主。
俺は傷を癒してもらう。
マリアの能力はやはり改めて凄いものだと実感する。
俺の傷はみるみるうちに癒えていく。
そして、そこへマリアのペガサスはゆっくりと天空より舞い降りてくる。
癒しの力を得たマリア。
そのマリアの力……これは他の者のは知られてはいけない………この力をマリアの主バロンは知っているのだろうか?
俺の中にそんな疑問が沸き起こる。
『マリア……一つ聞いていいか?』
『はい……ユーロ様!?』
『魔神具の事はバロンは知っているのか!?』
すると……その時。
マリアの表情は再び曇る。
『知られているのだな?』
『はい………バロン様は…………………………………』
マリアが続けようとした時。
会場内に歓声が巻き起こり俺たちの耳にも入ってくる。
『おーーーーーーーーーーーっと!!なんとバロン伯爵の推薦してきた選手はなんと魔族だったのです!!!!!』
そのアナウンスにより俺は察したのだ。
するとマリアの口から出た言葉。
『ええ………バロン様も実は魔族で………ユーロ様の次の対戦相手も…………選ばれた魔族の一人…なのです。』
マリアはそう告白する。
それは俺への信頼を意味した。
俺はそう認識したのだ。
『そうか……ならばこの俺も改めて覚悟を決めよう………マリア…………お前の全てを守ってやる。』
すると目から涙を溢れさせるマリア。
『どうして?………どうしてユーロ様は……そんなにお優しいんですか?』
声をかすれさせそうつぶやくマリア。
俺はマリアの頭手を載せる。
『マリア……俺の屋敷へ来た事………初めはラック氏を良しと思わぬバロンの策略の一部だったのかもしれない……だが……一度俺の使用人となり………そして俺に癒しという時間をくれたお前はもう………俺の大切な信頼のおける大切な一人なのだ……そんなお前を俺は決して………見放す訳はないのだ。』
『ユーロ様!?』
マリアが俺の名を呼んだその時。
ガチャりと突然ドアが開く。
そして姿を現したのは口髭を携えた大柄な巨漢の男。
『なんですかな…貴方は?我が主に失礼かと思いますが…………』
ジョセルノの声が俺の控え室に響き渡る。
すると男はニタリと笑みを浮かべこたえるのかと思った瞬間。
『バロン様っ!?』
そう驚きの声を上げたのはなんとマリア。
そしてこの男が、マリアの本当の主であるバロン伯爵だった。
俺がバロン伯爵に目を向けると奴はマリアをニヤニヤと見ている。
その光景に嫌悪感を抱く。
『お前がバロン伯爵か。』
俺の言葉に反応し、ようやくこちら目を向けるバロン伯爵。
『貴様はユーロ…………ラック氏の元の出場者よな。』
『ああ……………それがどうした?』
『ワシのマリアはどうだった?』
『どうだったとはどういう意味だ!?』
『んん?なんじゃまだ何もしとらんのか?これほどの美しい女をお主の所に預けとったというのにもったいないのお。』
ゲスなこの男にイラついていた俺はいう。
『ゲスめ………………マリアはもう俺の使用人だ………これからは俺の使用人としてずっといてもらう事にする。』
『ほお!?それはどういう意味かな?』
ニタリと笑みを浮かべるバロン伯爵。
すると隣で身体を震わせるマリア。
『次の決勝で俺が勝てばマリアはもう俺の使用人としてずっといてもらう。』
『ユーロ様!?』
マリアが驚きの表情を浮かべる。
『ほお?』
バロン伯爵がニヤりと笑みを浮かべると会場内のアナウンスが流れ出す。
『おおっとーーーーーーーーー!!!これは凄い!!バロン伯爵の代表選手である魔族ヴェルデ選手………対戦相手であります『』選手をあっという間に灰へ変えてしまうという驚異的な力で決勝へのコマを進める結果となってしまいました!!!今大会の準決勝はこれで勝者が出揃いました!!!!!』
大歓声と共にアナウンスが会場内にこだまする。
その声が俺たちの耳にも聞こえる。
『クククッ…………どうじゃ………………わしが今回の為に雇った者とは………魔族………………そう、今の表舞台には決して立つことはないが……正真正銘………闇世界で息を潜めている魔族をワシは雇ったのじゃ………いかに貴様がその魔神具とやらを用いたとしても……勝てる事のない恐るべき魔族じゃ……………さあ………命乞いをするなら今のうちじゃぞ…………………なあ!?マリアよ。』
そう告げニタニタと笑みを浮かべるバロン伯爵。
すると一歩前に出るマリア。
『ワタクシは……………ユーロ様を信じたい……です…』
マリアの言葉に固まるバロン伯爵。
『マリア………わかった………ならばそのお前が信じたいとぬかしたその男の首……我が力で奪ってくれようぞ。』
そう捨て台詞を吐くバロン伯爵。
そしてバロン伯爵が立ち去ると同時に。
決勝の呼ぶ声が鳴り響いたのだ。
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