シーン34ラック氏の誘いの武闘大会。
『ラック』氏が俺に語った。
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俺………そしてマリアは馬車に揺られていた。
マリア自身から聞いたわけではなかった彼女が俺の屋敷へきた真実。
俺はその真実なものか…………分からないが……あの男がマリアがマジェストだと言う事を知ってる以上……俺も放置する訳にはいかずここまで来たのだ。
するとマリアは口を開く。
『あの……ユーロ様……………お腹は空いてはいませんか?』
『ん!?突然どうしたのだ?』
『これ…………ユーロ様と出かけるという事で少し早く起きて作って参りました………良かったらどうぞ。』
そういって持参した箱を開けるマリア。
するとそこには朝も早くから作ってくれたであろうサンドイッチが敷き詰められていたんだ。
『これは!?』
『サンドイッチです………ちょっとだけ早めに起きて頑張って作ってみました。』
そう言って俺に手の込んだサンドイッチを作ってくれたマリア。
実は後で分かった事なのだが……今日出かける事で分かったのだが…屋敷の自分の仕事もほとんど済ませてきていたという。
自分の抜けた穴をどうしても他の仲間達に負担をかけたくなかったらしいのだ。
これは本当に素晴らしく彼女は人間性でも皆からも愛されるのだった。
『ありがとうマリア……………もらってもいいか?……』
『はい!是非!!沢山ありますので食べてください!!』
『ああ!ありがとう!!』
こうして俺達は闘技場への道を馬車に揺られながら先を進んだのだった。
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俺の住む屋敷から進む事約半日。
馭者はジョセルノだったが街まではなく、ここで俺達三人は野宿をすることにする。
マリアの事も気になったのだが彼女が野宿を希望した事もあいなったのだった。
するとジョセルノがやはり老齢もあるのだろう疲労を見せながらこちらへやってくる。
『大丈夫かジョセルノ!?』
『いやあ………ユーロ様……申し訳ない……なあに一晩休めばなにも問題ありますまい。』
そう言ったジョセルノだったが見るからにその表情には陰りが見えたのだ。
するとそこでマリアは立ち上がったのだ。
『ジョセルノ様…………これから起こる事……誰にも言わないでもらっていいですか?』
『マリア?』
するとマリアはジョセルノの傍に座る。
そしてジョセルノの胸に手を添えるマリア。
マリアの手は光を帯び……ジョセルノの身体に光がうつっていく。
『ヒール………………………………………。』
マリアの言葉にスーッとジョセルノの表情が和らいでいくように見える。
『おお………流石だなマリア。』
『いえ……わたくしの力が本当に誰かのお役にたてるならわたくしは光栄です。』
照れながらそう語るマリア。
本当にこの娘の言葉には重みと人を助けたいというせつな願いが感じられる。
俺は彼女の頭に手を乗せる。
『ユーロ様!?』
『マリア……お前の魔神は誰よりも優しい魔神だ……だがどこでも使ってはいけない……マリアのその力をどんな奴らが狙ってくるかもしれん。』
『えっ!?どういう事ですか?』
マリアは緑色の美しい髪をなびかせ問うてくる。
『ああ……世界には富裕層と呼ばれる者達がいる…………その中でお前の魔神の能力に興味を示す者も現れる事だろう……人間の興味とはそういうものだ。』
『そうなんですか?でもわたくし…………今はもうユーロ様のお屋敷の方々……そしてユーロ様の為にしかこの力は使いません!!だから……大丈夫です!』
そう笑顔で返すマリア。
その屈託のない笑顔に俺は癒されたんだ。
そうは思ったが俺は。
『マリア………いいか!?ここからの俺の戦いは俺が自分自身に課せられた戦いとなる……お前はその力を使わないように。』
『えっ!?戦い………なのですか?』
『ああ……説明もなしここへ連れてきたのはお前を俺の傍においておくのが一番安全だと思ったからだ……だがそこは俺にとっては戦地である……そしてそれは様々な者達の目に晒される事になる………そんな中でお前がその力を使う事で全ての者達に晒されてしまう………そうなればお前を手に入れようと考える奴らも出てくる………俺はそんな事はさせん……だからもしも俺に何かがあったとしてもその能力は決して使わないでくれ。』
俺の言葉に考えるマリア。
すると。
『わかりました!折角のユーロ様のお心遣いです………その提案を受け入れます。』
『そうか………分かってくれてありがたい………』
俺たちがそんな会話をしていると……………。
目の前には巨大なコロッセオが迫ってきていたのだった。
『ユーロ様……………そろそろ………………。』
『ああ…………分かった。』
こうして俺達は遂に闇の武闘大会会場のコロッセオへと辿り着いたんだ。
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