シーン32マリア。
ジョセルノは当家の馬車で出迎えに来ていた。
ここからは飛行機とは違い少々時間のかかる移動となる。
俺は馬車に揺られ屋敷までの道のりを行く。
このヨーロディアは歴史ある大地。
様々な中世からの建造物も建ち並び歴史と文化に彩られた美しい国ともいえよう。
すると馭者をしていたジョセルノが口を開く。
『ユーロ様……後援会の方々からは今後の動向の話を改めて聞きたいとの連絡が入っております。』
『そうか………『バディオ』も当然くるのだろうな』
『ええ……何せあの時この旅の話をけしかけてきたのが『バディオ』氏でしたからね。』
『そうだな……まあそのおかげでいい出会いもあったしな。』
『ほお!?それはまた良かったですね。』
そんな会話をしながら俺達は屋敷へ向かう。
すると見えてきたのは俺の屋敷だった。
そして近づいていく屋敷。
俺達を乗せた馬車は屋敷へと近づいていく。
そこには我が屋敷を守っていてくれる面々が見える。
近づく馬車。
そして馬車は停車していく。
馬車か停車するとジョセルノが口を開く。
『ユーロ様……着きました。』
『ああ……ありがとう。』
俺は一言そう返事を返すと馬車を降りていく。
するとそこに立ち並ぶ屋敷の皆。
そして目に見えたのは一人の女性だった。
俺よりもずっと若く、綺麗な緑色のロングの長髪の女性だった。
彼女が顔を上げていく。
『お待ちしておりました……初めまして……当主であるユーロ様の不在の時に勝手ながらここで働かせていただいております……わたくしはユーロ様の父…………『フェリオ』様と交流のあった『ブラン』家の娘で名を『マリア』と申します………父親の遺言で亡き後はユーロ様のお屋敷に仕えるようこれまで教育を受けて参りました……そしてここに仕えることになりました……これよりよろしくお願いいたします。』
そう説明しながら頭を下げる彼女に俺は驚きを隠せなかった。
するとジョセルノが口を開く。
『ユーロ様………マリアの話は亡き旦那様から伝えるのは来る時でいいと話されておられました…そしてこの屋敷で働く為に修行をされ…その過程を優秀にもご卒業されてこの屋敷へといらしたのです……勝手ながら早々に雇う事を決め……働いていただいておりますが……これは本当に見事なまでの働きをみせたのです……最終的にはユーロ様のご判断をしていただければと。』
そう語ったジョセルノ。
俺の目の前には頭を下げているマリア。
『分かった…………………………………』
俺はそう笑みを見せる。
すると顔を上げるマリアはにこりと微笑む。
『皆の顔を見れば分かる……マリアはここで働く事で皆の信頼を得てきたのだろう……これからも我が屋敷の事……よろしく頼んだぞ。』
『ユーロ様……………はいっ!!今後ともよろしくお願いいたします!!』
笑顔でそう微笑んだ彼女の表情に俺は心も和むのだった。
◇
◇
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それからしばらく彼女の様子を見るも皆の定 評通りの働きだった。
彼女の行動はまさに正確無比……機敏で無駄のない動き……まるで機械のようだった。
だけれども仲間達やこの俺までにも深い気遣いまで出来るといった彼女はあっという間にこの屋敷の中心となりえそうな程だったんだ。
そんな時……俺とマリアに不可思議な事件が起こったんだ。
ある時……庭の掃除をしていたマリア。
俺は軽い散歩でもしようと外を歩いていた。
そんな時彼女を見かけた俺は何かを見つけたのであろう……彼女はかがみこんでいた。
声をかけようと俺は彼女の背後にいく。
『お?今日もお疲れ様……………………』
するとこちらに気が付き驚いた彼女。
『ユ………………ユーロ様!!!????』
あまりに驚く彼女に何かを感じる。
すると後ろ手に何かを隠していたマリア。
『ああ、驚かせてすまない…………少し………いいか?』
『はい……………………………』
俯きそう語った彼女は申し訳なさそうな表情をしていた。
『その後ろ手には何が?』
俺は怒ることでもないであろう彼女にそう問いかける。
『す、すみません!!本当に勝手なのですが……その……実はお掃除をしていました所…傷ついた小鳥がいまして…………』
そう言って彼女がゆっくりと差し出したその両手には一羽の小鳥がいたんだ。
『それは…………』
『傷ついた小鳥だったのですが………………』
そう言ったマリアの手の中の小鳥はぱちぱちと目をキョロキョロさせたのだ。
見た感じは元気そうだったんだ。
『元気そうに見えるのだが………一体どういうことなんだ?』
俺はそう問いかけると。
いつしか俺達の目の前には綺麗な翼を持つ白馬が存在していたんだ。
『これは…………魔神…………………………マリア………お前は一体…………………………………………』
するとマリアはふぅーっと溜息をつく。
『いつかは話そうと思っていたのですが………』
マリアは覚悟を決める。
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