シーン16獣人ジャル。
『ふぅ……エレファモス………これが……俺に貸してくれる力なのか。』
俺はそう言葉にすると目の前で自分が起こした力に圧倒されていたんだ。
ぐしゃぐしゃになった車。
男達の姿はもうなくなっていたのだ。
すると…………俺の目の前に並んだのは象達の群れ。
そしてその群れからリーダー的な一頭の一際大きな巨象がこちらに向かい歩み寄ってくる。
巨象は俺の目の前までくるとまるでひれ伏すかのように頭を下げたのだ。
『お前達……………………………。』
するとそれにならうかのように他の象達も頭を下げる。
そして先程の子象がBOSS象であろう巨象に押されるように俺の前までやってくる。
すると子象はまるで嬉しそうなのが俺にも伝わるように小さな鼻を俺に向けてくる。
それはまるで俺に甘えるリオの様にも見えてくる。
『ふっ……やはり子供というのは動物とて、可愛いものだな……』
俺は手を差し出し撫でると子象も嬉しそうに擦り寄ってくる。
『いいか?大きく………そして強くなるのだぞ。』
こうして俺は象の群れから離れゆくのだった。
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◇
この地は野生の地…………弱肉強食……それは自然の摂理だ……狩る者と狩られる者がいて当然なのだ……俺もそれは認識している……でもあのような理不尽な事は決して許してはいけないのだ。
そんな事を考えながら先を急ぐ俺。
やがて俺の行く先に鬱蒼としたジャングルが見えてくる。
『ジャングルか………ここを抜けていかなければならないのか。』
俺はそう呟く。
そのジャングルは目の前に永遠と広がりここを抜けていかなければキリマジャーロへの道は閉ざされてしまうのだ。
『さすがは獣の地だな……きっとこのジャングルの中にも獣達は沢山存在するのだろうな。』
俺はそう考えながらもジャングルの中へと足を進めるのだった。
この時…思うのはやはり獣人達の事。
この地は獣人の世界だ。
あのマサイアの村の獣人達は確かに優しい穏やかな者達は多かったが………本来……野生の者だ…獣人といえど時にはその力を利用し何かを考える者達も絶対にいるはずだ。
俺がそんな事を考えながら歩を進めていると そこへ何者かの声がこのジャングル内に聞こえてくる。
この気配。
肉食獣か?
気配を感じ取った俺は周囲の気に神経を向ける。
すると。
パキッと枝々が折れる音。
それはこちらに近づく何者かの足音。
ザザっと現れたその者。
『クククッ………人間か!?こんな所に人間が現れるなど珍しいなあ?』
そして俺の目の前に現れたのは一頭のジャガーだった。
しかも俺たち人間のように言葉を話せるジャガー。
そう……獣人なのである。
そしてみるみるうちにジャガーから立ち上がり人型に変化していく獣人。
『おお、このジャングルに人間など滅多に立ち寄る事はないのでな………クククッ……久しぶりに人間の肉が食える。』
ヨダレを垂らしそう告げる獣人。
『お前は!?』
『俺はジャガーの獣人でな……名を『ジャル』という………このジャングル内における……狩人だ。』
『狩人?』
『ああ……そしてこのジャングル内で『森族『パウンドウオー』という森族を束ねるのリーダーだ。』』
そう言い放った男。
すると男の背後からワラワラと集まってくる何者か。
それはきっとジャルの部下達なのだろう。
『へへへ………リーダー………いい人間を見つけましたねえ。』
『迷い込んでこのジャングル内に入ってきたとしたらよほどこの人間は運が悪いとしか言えませんねえ。』
そう言葉にする『ジャル』の部下達。
『しっかしあのハンター共………どこに消えたのか?今回のゲーム料はまだ貰っていないんだがなあ。』
俺はその言葉に何かを感じる。
『その話はなんだ!?ハンターとは?』
『ああ……貴様はもうここで死ぬだけだからな……教えてやろう……そう奴らは俺達に金を払う事によって野生動物のハントを許可してやってる……どうせどこかの金持ちの道楽だ……それを俺達は斡旋してやって俺達の収益になるのだ……これはこの貧乏国家には必要なものなのだ。』
そう言いきったこの獣人『ジャル』。
『そうか…………それならあの手の者達はお前達の資金源だったという事なのか?』
『は!?当然だろう!?こうでもしないとこの国じゃ生きていけねえんだ……まさかてめえ……奴らの事を知っているのか!?』
『ああ………お前達がやってる事は仲間達をお前達が売ってるようなものではないか!?』
『うるせえよ……この国ではな、そうでもしねえと生きてはいけねえんだよ!?』
すると奴らの仲間達も獣人化していく。
恐るべき獣達に囲まれた俺。
だがこんな奴らに負けたくはない。
その時。
俺の背後から何者かの力を感じる。
『ん!?』
俺が振り返るとそこには。
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