番外編 宇宙漂流記ルミナス 121 チェンジフォーマー4
超巨大破壊惑星型チェンジフォーマー・アンノウン。
それは、映画版チェンジフォーマーに出てきた超特大惑星サイズのチェンジフォーマーだ。
映画版ではトレーラー・プライムを操り、そして最後にはマトリックスエナジーを失ったトレーラー司令官が死亡し、ホットラディオスが新司令官ラディオスプライムになるのが新シリーズだった。
そしてアンノウンとの対決に巻き込まれたテラトロンも重傷を負い、その命を取り留める為アンノウンの因子を受け入れた。
そして進化した姿がラグナトロンだ。
ラグナトロンは元がテラトロンだったとは思えないほどに暴虐で性格最低のチェンジフォーマーだった。
まあこれは映画版の展開や部下からの裏切り、それに頭に攻撃を受けたショックに加え、アンノウンの因子まで取り込んだのでむしろ人格破綻しない方がおかしいレベルだ。
その映画版のアンノウンが暗躍していたらしく、トレーラー司令官はそれにいいように操られていたと聞いて自棄になってしまったようだ……。
エナジオンキューブをエナジーアックスでところ構わずぶった斬るトレーラー司令官を止められるのは誰もいないようだ。
トレーラー司令官をどうにか制止しようとしているのは新人戦士のホット・ラディウスだ。
「司令官、落ち着いてください! 貴重なエナジオンキューブをどうするんですか!?」
「放せ、ラディウス! わたしはアンノウンなぞに操られてはいない!!」
「だから落ち着いてくださいって!」
ラディウスがトレーラー司令官を殴りつけた。
するとトレーラー司令官はエナジオンキューブごと後ろにぶっ飛び、壁に叩きつけられてしまった。
そしてなんと運の悪い事に、その際にトレーラー司令官の胸部パーツの蓋が開いてしまい、そこから大量のエナジオンキューブが取り込まれてしまった。
「の、のおぁぁぁぁああ!?」
「た、大変だ! 大量のエナジオンキューブを取り込んでしまった事で、トレーラー司令官のエンジンがオーバーヒートを起こしてしまった!!」
……オレ達はコントでも見せられているのか??
あまりのタイミングの悪さ、そして唐突な展開、細かい事は気にしないかのごときトンデモ理論等、コレがチェンジフォーマーといえばそうなのかもしれない。
「ノゥゥゥオオオゥッ!!」
そして、エネルギーを溜め込めなくなったトレーラー司令官が凄まじい叫び声を上げた。
あまりの異常事態にオートロンの誰かが叫んだ!
「トレーラー司令官が爆発するっ!!」
「みんな下がれ! 早くっ!! トレーラー司令官が爆発しちゃうよ!」
この突然の急展開にオートロン戦士達も戸惑ったり混乱したりで大騒ぎだ。
今一番冷静なのはデセプトロンのテラトロンだろう。
彼はトレーラー司令官のこの騒ぎを見て呟いた。
「この愚か者め!」
普段スターストームに言っているはずのセリフだが、これが何故敵のはずのトレーラー司令官に向かって言っているのだろうか?
だがその理由はすぐにわかった。
「ヘッ! トレーラーさえ倒せばオレ様が事実上デセプトロンのニューリーダーだッ! 喰らえッ!!」
なんと、爆発寸前だったトレーラー司令官の胸のマトリックスパーツ目掛け、スターストームがビームガンで攻撃をしたのだ!!
「ぐあぁぁぁっ!!」
「ま、マズイぞ。このままではトレーラーの爆発にワシらまで巻き込まれてしまう! 総員一時撤退しろ!」
テラトロンが叫んだ。
するとスターストームを除いたデセプトロンが一時撤退し、爆発から避難した。
そしてトレーラー司令官が倒れた。
だが、爆発はしていない。
その場に残されたのは爆発の危険を危惧するオートロンと、トレーラー司令官を倒したと確信していたスターストームだけだ。
このままではマズイな。
オレ達はトレーラー司令官達の戦闘が一時的に終了した場所にルミナス号で向かった。




