番外編 宇宙漂流記ルミナス 71 STEPアドベンチャー4
今回詰め込んだ感じで少し話が長くなってしまいました。
聖龍丸にタケルが吸い込まれ、その後に聖龍丸の竜の兜のバイザーが開いた。
その中からリアル系ロボによくある緑の目が光り、肩アーマーの竜の爪が外側に開き、勾玉が光った。
「聖・龍・丸! ここに見参っ!!」
「何だと、コイツがタケルの魔神か! しゃらくさい、蹴散らしてくれるわ!」
アーノルド・ナグゴワイネッガーが叫んだ。
「だがあの魔神は強そうだな、それならこちらも奥の手を使うか。お前ら、オレ様に魔神をよこせ!」
「わ、わかりました。アニキ」
「了解です! 隊長」
「わかったぜ、ブラザー」
ナグゴワイネッガーの手下達は壊れた魔神を彼の所に集めた。
「よし、見せてやろう。オレ様の魔神、ナマハゲゴンボイ、スーパーパワーアップだ!」
そう言うとナグゴワイネッガーの魔神にローラーダッシャーの下半身、スーパーファントムMkーⅡの翼と胴体、それにトップザオーバーの腕が合体し、超巨大な魔神になった。
「見るがいい、スーパーナマハゲゴンボイ・アルティメットだ!」
――デカい! SDサイズとは思えないようなデカい魔神が聖龍丸の前に聳え立った。
これはウィンセルに援護してもらう事で戦わないと、戦龍丸や幻龍丸は今は戦力にならない状態だ。
「セドリック、援護してやってくれるか。どうもあの聖龍丸だけでは苦戦しているみたいなんだ」
「わかったよ、レイジさん!」
そしてルミナス号からこのSDサイズのロボしかいない世界に10メートルを超えたリアル系ロボットのウィンセルが発進、レーザードライフルでスーパーナマハゲゴンボイ・アルティメットを狙い撃ちした。
「な、何だあのバカでかい魔神は!? タケル、お前卑怯だぞあんなもの用意しやがって!!」
「ボクあんなの知らないよ。ってアレ何??」
まあタケル達はいきなり現れたルミナス号に驚いているようだ。
見たことも無い船からいきなりこの世界には場違いなロボットが出てきたらそりゃあ驚くよな……。
「安心しろ、オレ達は敵じゃない、バーバーおばばさんに言われてタケル達に会うために来たんだ」
「そうなんだね、ありがとう。よし、みんなでアイツを倒すぞ!」
「ぬぬぬぬ、キサマァ! もう許さん、ボコボコにしてやる!」
ナグゴワイネッガーは大激怒し、ナマハゲゴンボイ(以下略)で聖龍丸に襲い掛かってきた。
そこにウィンセルのレーザードライフルが直撃、左足のローラーダッシャーが壊れ、その場でグルグルと回転しだした。
「のおおおおおぉぉぉぉお!?」
グルグル回転したままのナマハゲゴンボイはそこからすっぽ抜けて宙を飛び、そのまま工場の屋根を突き破り、溶鉱炉に落下した。
トップザオーバーの親指を立てたまま、溶鉱炉に沈んでいくナマハゲゴンボイ(以下略)はこれで終わりかと思われた……が!
「ぎゃわっちっちちいいいいいー!!」
ナグゴワイネッガーはナマハゲゴンボイ(以下略)ごとぴょんぴょん飛び跳ねて工場外の池に落下した。
「えっ、こ……ここは? あ、ご、ごめんなさいぃぃー!!」
「行くぞ悪者、正義の剣を受けてみろ!」
「やめてとめてやめてやめてとめてぇええー!」
聖龍丸が巨大な剣を高く構えた!
「必殺、聖龍けぇぇぇぇぇぇぇええん!!」
「のわぁあああー!!」
聖龍丸の聖龍剣がナマハゲゴンボイ(以下略)を真っ二つに切り裂いた。
そして、大爆発、ナグゴワイネッガーは爆発の際に外に弾き飛ばされた、流石はギャグ作品、死なずに済んだようだ。
そして工場の跡に有った祠からタケルは光り輝く珠を手に入れた。
「やった、これで第一階層の龍玉を手に入れたんだ!」
タケルが龍玉を高く天に掲げると、青の光が虹の光となり、階層山に一色の光が戻った。
「やったぜ、コレで第一階層クリアだ!」
降り注いだ光はナグゴワイネッガー一味や村人に降り注ぎ、悪人だったナグゴワイネッガーは元の姿であるレスキュー隊員に、ギャノンボールは配達人に、ドッブガンは飛行機パイロットに、トップザオーバーは建築士に戻ったようだ。
話が落ち着いたオレ達はルミナス号から降り、タケルにこの世界に飛ばされたいきさつを説明した。
「元の世界に戻りたい……か、拙者、聞いた事があるのだが、龍玉を手に入れた物は望みをかなえる事が出来るらしいな」
――それならその力でワープをさせてもらおう、ここはタケルに頼むしかない。
「タケル、お願いだ。その龍玉の願いの力、オレ達に使わせてほしいんだ、オレ達は元の世界に戻らなきゃいけないんだ!」
「いいよ、アンタ達もこの世界に飛ばされちゃったんでしょ、元の世界に帰りたいんだったらその龍玉使ってよ」
タケルってマジでいいヤツだな。だから救世主に選ばれたんだろうな。
「ありがとう、それじゃあこの龍玉に元の世界に戻れるように祈ってみるよ」
「気を付けてね、おじさん達」
「お……おじさんって……」
タケル達のおかげでオレ達は龍玉を使ってワープする事が出来た。
「大変じゃぞー! トモエー!!」
「あ、じいちゃんなのだ、どうしたのだ?」
「あの龍玉、全部揃えないと願いがかなわんのじゃぞい。もし不完全な状態で願いを叶えたら、その願いは龍玉の数しか願いがかなわんのじゃぞい」
――え? ってことは願いが七分の一!? 一体どうなるんだよ。
「七分の一の願いってどうなるんだよぉー!?」
そしてオレ達は中途半端な願いでワープしてしまった。
今度は一体何処に飛ばされるんだよ!!!!
そして、オレ達の辿り着いた世界、そこは何故かルミナス号が空を飛べない世界だった。
「MAYA、一体どうなってるんだ? ルミナス号が空を飛べないって」
――どうやらこの世界、地球全体を何かの特殊バリアフィールドで覆われているらしく、飛行する乗り物全てが空を飛べないようです……。――
途方に暮れるオレ達の前に現れたのはスーパーカーとトレーラーの連中だった。
今度はどうなるんだよ……。




