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聖女の加護を双子の妹に奪われたので旅に出ます  作者: ななみ
第一章 旅立ち編

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始めての町

 ホワン、ぴしゃ。


「あ」

「ほらほら、回復魔法の反対の手がおろそかになってるぞ」


 今日からは片手に水の玉を持ったまま、反対の手で回復魔法だって。

 しかしすぐに失敗して、水の玉が弾け飛ぶ。


「師匠は回復しすぎて、私より長生きしそうですね」


 さんざん私に回復させられてる師匠は、きっと擦り傷一つない。

 ピシっとデコピンされたので、自分に回復魔法をかけた。


 それにしても濡れた手に、秋風は冷たく感じる。


 ホワン、ぴしゃ。


「あ」

「光魔法は適性があるから、扱いやすいはずなんだけどな」


『ほらほら風邪ひくぞ』と私の手を拭きながら、ガインさんが首をかしげて師匠と話す。

「うーむ。扱いやすさが違うから、逆に大変なのかもしれんな」



---


「おーい。そろそろ街につくぞ。ハートはマリーの護衛につけ。お前らは少し観光して後から来い。シドさん達は買い出し、俺は冒険者ギルドで素材の売却など行う。ギルド長と話もあるから先に行く。各自終わったら冒険者ギルドに集合な」


 荷馬車の後ろに座ってる私を、ハートさんが抱き上げる。


 毛布で包んで貰って暖かい。

 見た目は護衛というより休日のパパさんだ。



 抱っこされたまま検問の列に並ぶと、旅人や冒険者っぽい人が殆どだった。

 行商人の方が多いのかと思ったけど、山の(ふもと)の町だしそんなものなのかな。



 でもこの旅で最初に訪れた記念すべき町だ。

 今までもいくつかの村や町があったけれど、全部迂回してきた。


 私のような小さな女の子は誘拐されやすいので、下手に目をつけられたら面倒だから、知り合いのいる治安の安定した町までは、どこにも立ち寄らないって言っていた。


 ガインさんがそう言うのなら、そうなのだろう。

 でもわくわくしちゃう。



 ---


「ステータスはフルで出しちゃだめだよ」

「はい」


「ステータス “フル” オープン」は加護まで表示されちゃうけど「ステータスオープン」なら出ない。


 犯罪履歴とかは出ちゃうらしい。

 気を付けなければ。


「後ろの方はステータスか、この町の冒険者カードを用意して待っていてくださーい」


 門番の人が列に向かって叫んでいる。


 大変な仕事だ。


----------------------------

 ガイン 男 28歳 火適性

 Lv.288

 S級冒険者「黒龍」所属

----------------------------

 シド 男 42歳 水適性

 Lv.462

 S級冒険者「黒龍」所属

----------------------------

 ハート 男 18歳 風適性

 Lv.136

 S級冒険者「黒龍」所属

----------------------------

 フェルネット 男 15歳 闇適性

 Lv.95

 S級冒険者「黒龍」所属

----------------------------

 マリー 女 5歳 光適性

 Lv.28

 S級冒険者「黒龍」所属

----------------------------


「これは! S級冒険者の黒龍様ですか。この町にはどのような用件で?」


「物資の仕入れと冒険者ギルドでの素材の売却だ。こいつらは俺の仲間で、あれはあいつの娘だ。一泊したら町を出る」



 どうせ犯罪履歴しか見ないと言ってたけれど、本当にその通りで、光適性はあっさりスルーされた。


 あー、ドキドキする。

 止めてた息を一気に吐いた。


 一番混んでる時間帯を選んだガインさんは流石だね。



読んでいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
この世界、レベル上がりやすいなぁと思ったけど3桁の世界だったぁ……
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