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聖女の加護を双子の妹に奪われたので旅に出ます  作者: ななみ
第三章 冒険者編

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閑話 エヴァス家

「エヴァス!」

「はい、お母様」


「聖女様とは連絡がついて?」

「いえ。流石にそれは……」


 エヴァスは笑って肩をすくめる。

 なんて呑気な! これが焦らずにいられますか!


「他に情報は?」

「執事からの報告では、すでに教会を出たそうですよ。それと……父親と言われていたS級冒険者は、ただの警護だったそうですね」


 なんて事なのかしら!

 S級冒険者の娘と言うのは偽装だったのね! 父親にしては若すぎると思ったのよ!


 やっぱりエヴァスの見る目は確かだったわ。

 離れに隔離された黒神官だと知って憤慨(ふんがい)し、息子には近付かないようにと、エヴァスに内緒で、釘を刺してしまったのに。


 (わたくし)ったら、(わたくし)ったら。一生の不覚だわ!


 あれだけの立ち振る舞いや、豊富な会話が出来るのですもの。

 教会で徹底的に隠されて、聖女教育していたに違いないわ。


 偽装婚約なんて言い出すくらい周囲を警戒していたのも、今となっては聖女の(あかし)


 何故それに気が付かなかったのかしら。


 あー、もう! (わたくし)の馬鹿!

 あの時、外堀を埋めていたら、今頃は!


 運よく情報を掴み、誰よりも早く教会に面会を申し入れても遅かった。

 依頼が殺到しているので、上級貴族であっても返事はいつになるか分からないと。


 もう! なんて事なの!


「エヴァスごめんなさいね」

「お母様。何度も言いますが、マリーは大切な友人ですからね。()()()()()、変な気は起こさないで下さいよ」


「エヴァス……」


 彼女は本当に賢くて良い子だったのに。

 それにしてもあの魔力量……、聖女って言うだけあって格が違う。


 息子の為にと身分や血筋に(こだわ)って、目が曇っていた自分が情けない。


 悔やむ(わたくし)にエヴァスは何度も「彼女が何者でも、私の友人には変わりありません」と言う。


 友人だなんて、欲が無い……。

 そうね、(わたくし)も彼女の為に、出来る事はなんだって協力するわ。


 本当にエヴァスは賢いだけじゃなく、まっすぐに育ってくれて良かった。


 それにしても、あの時の(わたくし)を誰かどうにかしてちょうだい!

 あんなチャンスを逃すなんて!


読んでいただきありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
逃がした魚は大きかった、パート2!パート1の店員くんは元気だろうか…….
あら、お母様本当に牽制してきてたのか。
[一言] 母がすでに失礼ぶっこいたのはバレてるようですね~ 思い込みが激しく判断が早いこの人がリリーと出会わない事を祈ろう…たぶん相性が悪い方向で良いと思うんだ…真の聖女追放物語始まっちゃう気がするよ…
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