表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女の加護を双子の妹に奪われたので旅に出ます  作者: ななみ
第二章 教会編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/163

花壇のレンガ完成

 数日後、制服組のぽっちゃり系女子(おそらく一般人)が迷い込んでくれたおかげで、レンガを積むのが(はかど)った。


 この人手(ひとで)を逃すまいと、最初は戸惑う彼女を説得し、一緒にレンガを積んで貰う。


 この単調作業は、(ひと)りじゃ飽きるし。

 でも、流石にそのままじゃ制服が……。


「制服が汚れちゃうし、私の神官服に着替えましょうよ」

「いえ、そこまでは申し訳ないし……」

「遠慮せずに、こっち、こっち。洗濯に出せば、翌朝、綺麗になって戻って来ますし」


 カトリーナは「じゃあ、お言葉に甘えて」と遠慮がちに黒神官服に着替えた。

 ちょっとピチピチだけど似合ってるよ! カトリーナ!


「これで思いっきり動けるわね!」


 カトリーナが黒神官服の袖をまくり、急にやる気を見せる。

 楽しそうで良いけど、そこまで喜んでくれるとは。


「うふふ。無理しないで下さいね」

「もちろんよ。あの砂袋を、ここに運べばよろしいのよね?」


 ははは。

 カトリーナは私の黒神官服を着て、ドロドロの素が入った汚い袋を、肩に担いで走ったり出来ちゃう素敵女子。


「へえ、この薬草の苗はやけどの傷に良いの? すごいわね」

「そうなのです。この薬草は再生作用があるから、傷口に塗ると綺麗に治るのです。それに、こっちの薬草の苗は……」


 私は彼女に薬草の種類や効能を、ここぞとばかりにオタク全開で解説をする。

 カトリーナはそれを興味津々に聞いてくれていた。


 お話しをしながらの作業は思っていたよりずっとずっと楽しい。

 私たちは話すうちにとっても仲良くなっていった。


 それにしても、彼女は本当に一生懸命だった。

 レンガを運んだり、土を掘ったり、ドロドロを作ったり。


 何が彼女をそうさせるのか……。


「カトリーナ!」

「マリー!」


 そう、私達はレンガを積み終えたのだ!

 後は既に作ってある土を入れ、発芽させた苗を植えるだけ!


 やっと、やっと、念願の薬草が育てられる!


「やっと完成しました!」

「完成しちゃいましたね」


 週に2日も午前中、学校をサボらせてごめんね。

 代わりに計算や読み書きは教えたけど、他に出来る事があれば何でもするよ。


 ひと月で完成したのは、すべてカトリーナのおかげだもん。


「カトリーナがいてくれて、本当に楽しかったです」

「マリーのおかげでダイエットが順調よ。見て! すっかり神官服がブカブカなの」


 カトリーナが神官服のお腹の辺りを引っ張って見せる。

 あ……。確かに少し痩せてる……。


 あんなにピチピチだった神官服にゆとりが出来ていた。


「すごく綺麗になりましたわ」

「ありがとう。マリー。目標まで頑張るわ」


 ふふふ。こっちがありがとうなんだけどね。


「また時々来ても、よろしいかしら?」

「もちろんです! お友達じゃないですか!」


「お友達になってくださるの?」

「私達は、お友達を通り越して戦友ですよ!」


 カトリーナの為に、ここにハーブも植えよう。

 ミントやカモミールもいいな。そんなハーブを探してみよう。


「お茶会が出来るように整備しますね」

「楽しみにしておりますわ」


 少し痩せて綺麗になった彼女は、私の部屋で制服に着替えると、どこかのお姫様みたいに見えた。

 

 

 絶対に魔力を使わずに、薬草を育てて見せるのだ!


読んでいただきありがとうございました。

ブックマーク、評価、いいね頂いた方感謝です!

誤字報告、本当に本当にありがとうございます!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
b8gg8nd6c8mu9iezk3y89oa1eknm_l3q_1cu_1xg_1p76v.jpg

3hjqeiwmi49q1knt97qv1nx9a63r_14wu_1jk_qs_6sxn.jpg
― 新着の感想 ―
カトリーナちゃん、良いところのお嬢様だったりしない?大丈夫??
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ