表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女の加護を双子の妹に奪われたので旅に出ます  作者: ななみ
第二章 教会編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/163

逃した魚は大きかったぞ!

 裏庭でひとり、泥だらけで仁王立ちする私の前に天使が現れた。


「わぁ。ここには何が出来るの?」


 天使じゃなくて、制服を着たかわいい男の子だ。

 私より背が高いから年上かな?


「ここに、裏庭薬草庭園を造るつもりなんですよ」

「裏庭薬草庭園?」


 おっとその前に、良いところのお坊ちゃんがこんな所にいたら大騒ぎになる。

 雑談してる場合じゃない。


「迷われたのですか?」

「そう。探検していたらね」


 迷子には見えない、堂々とした仕草で微笑む彼はまさに天使。

 女の子と間違われそう。


「じゃあ心配してるかも知れないので、表の庭園までご案内しますね」

「ありがとう」


 彼を表の庭園まで案内すると案の定、数人の制服組が彼を探していた。


 お友達かな?

 危ない、危ない。


 彼が無事保護されたのを確認し、裏庭に戻る。

 制服組がこっちに来るのは珍しいな。



 ----


「こんにちは」

「こんにちは。マリーちゃん」


 お買い物に行くので、聖騎士さんに護衛を頼みに。


 一緒に来てくれるのは第一聖騎士団の騎士見習いのヴィドバリーさん、成人したての15歳。

 第一聖騎士団は教皇様直轄部隊だからエリート中のエリートだ。


 流石に聖騎士さんと歩くのに、ボロは着れない。


 寄付された外出着が沢山あるからそれを着て行きなさいとノーテさんに言われたけど、団長さんが娘さんのお古のお洋服を沢山くれたので、そっちを着て来た。


 なので、今日の私はお嬢様のようなのだ。



 お店の裏口に顔を見せると、誰かが黒髪の店員のコーデンさんを呼んでくれる。


「今日は肥料をお願いします」


 コーデンさんはカードと申請書を丁寧に受け取り、ボルドーさんを連れて戻って来た。


「おやおや、聖騎士様を裏口に入れては申し訳ない。表にお回りください」

「既に注文は終わっているからここで構わない。そうだよな?」

「はい」


「次は表からお願いしますね」とボルドーさんは苦笑い。


 はは。

 確かに今日は表からでも良かったかな。


 ベンチに座って待っていると、コーデンさんが引換証とカードを丁寧に私の手に持たせてくれた。


「品物は教会の裏庭に、お届けしますね」



 ヴィドバリーさんと手を繋いで、歩いて教会に戻る。

 ヴィドバリーさんは見習いなので、勤務中は馬に人を同乗させる許可が下りていないのだ。


「マリーは肥料なんてどうするの?」

「薬草を育てるのです。緑魔法が使えないから、肥料が必要なのです」


「へぇ。緑の人に頼まないの?」

「聖騎士さんと違い、一般の人の魔力量は非常に少ないですからね。そう気軽に頼めません」


「なるほどなぁ」


 ヴィドバリーさんは、しきりに感心している。



 あ! 私に『しっ、しっ』って言った店員さんが、目を丸くして私を見てる!


 へへんだ。

 逃した魚は大きかったぞ!


 大きな魚かどうかも分からないけど、勝手に溜飲を下げた。

 ふふん。


読んでいただきありがとうございました。

長かったので分割しました。 

今日ちょっと整理するのでお騒がせします。


ブックマーク、評価、いいね頂いた方感謝です!

誤字報告、本当に本当にありがとうございます!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
b8gg8nd6c8mu9iezk3y89oa1eknm_l3q_1cu_1xg_1p76v.jpg

3hjqeiwmi49q1knt97qv1nx9a63r_14wu_1jk_qs_6sxn.jpg
― 新着の感想 ―
へっへーん!!どやぁ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ