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聖女の加護を双子の妹に奪われたので旅に出ます  作者: ななみ
第二章 教会編

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物品購入申請

「はい。このリストの種が欲しいのです」


 物品購入申請書をノーテさんに提出すると、すごく嫌な顔をされた。


「どこで育てるのですか?」

「発芽したら裏庭の花壇で育てようかと……」


 ノーテさんはものすごく大きなため息をついて申請書を持ったまま腕を組む。


 あ、これから説教モードに入るわ。

 ダメ元だったから、ダメならもういいんだけど。


「花壇はあなたの遊び場ではありません。興味本位で植えるのは反対です。教会の予算は、善意の寄付で成り立っているのです。無駄遣いはさせられません。しかもいくつかは、緑持ちのプロでも、育てるのに苦労する品種もありますね」


「実は……、もっと効果の高い回復薬が、生成できないかと思って……」


 遊びのつもりじゃなくて……と語尾がどんどん小さくなる。


「……。物騒な植物の名もあります。どういった用途で必要なのですか?」


「リストの最初のこれは、もともと攻撃魔法の威力を増大させる為に使われている、爆発草の一種で有名なのですが、この威力を増大させる効能だけを抽質(ちゅうしつ)出来れば応用して回復薬にも……」


「もういいです。分かりました」


 説明の途中で(さえぎ)られてしまう。

 だよね。


 そんな草の名前が挙がっていればテロリストだと思うよね。

 花壇なんだし、綺麗なお花でも植えよう。


「自分で購入してきなさい。教会に請求を回せるように、あなた専用の購入カードを後で届けさせます」


 え。

 サインを書き込んだ申請書をノーテさんに手渡される。


「いいんですか?」

「用途がしっかりしているのであれば、構いません」


 おお。


「研究開発用に、調合器具も欲しいのですが……」


「……。分かりました。中古の器具を後で届けさせます。足りない分は後で申請しなさい」

「はい!」


 おおお。

 まさか調合器具までOKが出るなんて!

 薬草が育ったら他の申請に混ぜて、少しずつ、こっそり揃えようと思っていたのに!


「研究内容は、定期的に進捗を報告しなさい。それとあなたの部屋を、その物騒な研究が出来るよう、裏庭の離れに移動します」

「はい!!」


 あの広くてキッチンまで付いた、庭師用の空き部屋に?

 さらに爆発草を使っての研究までOKもらえた!


「やったーー!!」


 つい両手を上げて喜んでしまいノーテさんに「はしたない!」と叱られて、買い物の時の注意と実験の注意をいつもの様にまくし立てられたけど、嬉しくて顔が緩みっぱなしだった。


 わーい。

 資料室でのストレスが吹き飛ぶー。


 引っ越しの準備しよーっと。


読んでいただきありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
?棚の申請が種になってて????ってなった そして立派なマッドサイエンティストの道を進んでる……
[気になる点] 前話で棚を作ろうとしてたけどどうなったの? 急に別の話になったから困惑して前話を読み直しにいってしまったw
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