おじいさまと再会
トントン。
「誰だ?」
「おじいさま? マリーです」
ドカドカドカ!
バン!
「おおおおお!! マリー!! 大きくなったなー。まさか一人で歩いてきたのか?」
ものすごい勢いでドアが開き、いきなり抱き上げられて、天井に付くのではないかと思うくらい高々と持ち上げられている。
「お、おじいさま、落ち着いてください」
「ははは。ソニー殿、嬢ちゃんが怖がってますよ」
え、その声は……。
「師匠!!」
天井近くから叫ぶと、おじいさまからハートさんに私の所有権が移動し下に降ろして貰った。
「ガインさん!」
いや、さっきの今生の別れみたいな雰囲気どこ行ったのよ。
涙返して。
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「……と言うわけで、労働は必須ですが外出も自由ですし、申請すれば外泊も自由です。団長さん達も味方みたいですし、想像とは違う場所でした」
私が教会の様子や境遇を伝えると、全員があからさまにホッとした顔をして脱力していた。
「実はマリーの奪還計画を立てていたのだ」とおじいさまが笑う。
「マリーの親に手紙を書いて送ったくらいだけどな。ははは」とガインさんは頭をポリポリかく。
「嬢ちゃんが会ったのは教皇様じゃないかな」
「教皇様? まさか! ちょっと面白い、優しいおじいちゃんて感じでしたよ」
「マリーにかかると教皇様もオモシロおじいちゃんか! わははは」
おじいさまは、うちの家系とは思えないほど豪快な人だ。
「フェルネットさん!! フェルネットさんのおかげで、ステータスの方は誤魔化せました!」
ぴょんぴょん飛び跳ねながら、フェルネットさんに抱き付くと「よかったよかった」と頭を撫でてくれる。
するとみんなに、何の事だと問い詰められた。
「これです、ステータスフルオープン」
ペンダントを握ってステータスを出す。
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マリー 女 6歳 光適性
Lv.1
HP 10/10
MP 5/5
緑属性Lv.1
加護
緑の精霊
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「おい、見つけたのか」「おおお」「よくやったフェルネット!」「間に合ったのか」
「流石にあれじゃ、マリーが心配だったんだ。顔の広い友達がいて助かったよ」
みんながうんうんと頷き、フェルネットさんに「先に言え!」とボカスカ突っ込んでた。
「でもさ、それだけ自由があるなら、教会で保護して貰うってのもありかもね」
「聖女の特別保護を受けないのに、適性だけは持っているしな」
フェルネットさんとハートさんがふたりで頷いている。
「じゃあやっぱり、学校は無理なのですか?」
「教会学校は魔法訓練校みたいなものだしなぁ……」
「マリーがどうしても嫌という訳じゃないのなら、教会の中の方が安全だと思う。俺たちも普段は仕事があるし。ま、どちらにしろ爺さんがお前の親に手紙を出したから、相談して決めるしかない」
確かに魔法訓練はマズいな。流石にあの加護は、下手すれば悪魔にされそうだ。
それにもう依頼者じゃないから、これ以上みんなに甘えるわけにもいかないし。
加護が多すぎて、なんだか面倒なことになっちゃったな。
「で、本物は?」とガインさんに問われ、ペンダントを返して「ステータスフルオープン」する。
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マリー 女 6歳 光適性
Lv.62
S級冒険者「黒龍」所属
HP 232/232
MP 72184/72184
光属性Lv.7
闇属性Lv.25
火属性Lv.32
水属性Lv.43
緑属性Lv.18
土属性Lv.22
風属性Lv.16
加護
緑の精霊
光の女神
闇の女神
火の女神
水の女神
緑の女神
土の女神
風の女神
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「マリーはS級冒険者なのか」とおじいさまが目をパチパチしていた。
ふふふ。おじいさまったら。
私も最初は驚いたもん。
「大分レベルも上がったな」
「10歳までにレベル100くらいにはしておきたいな」
10歳までに100?
村で一番レベル高い人が確か40だったはず。
この人たちの感覚おかしいから。無理だから。
「MPの上がり方の法則が滅茶苦茶だな」
「光属性を強化させたいな。今日から寝る前に毎日訓練だ」
と言うことでサクサクっと訓練メニューが決まり、私の休日も護衛の都合がつけば魔物狩りにも連れて行ってくれるって。
ははは。
ガインさん達は私の為に、部屋が沢山余っているおじいさまの家で暮らす事にしてくれた。
これからもずっとそばに居てくれるって。
「マリーは俺たちの娘だからな」ってガインさんが言ってくれた。
へへ。嬉しくて教会に帰った後泣いちゃった。
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