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聖女の加護を双子の妹に奪われたので旅に出ます  作者: ななみ
第一章 旅立ち編

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山頂付近で楽しい野営

「今日から天候が落ち着くまで、この横穴で野営だ。マリーは結界を張った後、いつもの準備を頼むわ」


「はーい」


 今日はルートの安全確認の途中で、素敵なお花畑を見つけたってフェルネットさんが、沢山お花を摘んで来てくれた。


 なので結界の中はとてもいい香りがする。

 やっぱりお花のある生活って潤うよね。


「俺の部屋にも花を飾ってくれたのか?」

「ふふふ、ガインさんの部屋は多めですよ」

「フン」


 なんだかんだで嬉しそう。

 フェルネットさんが「照れ屋だよねー」と笑う。


「そういえば聖女巡礼があるのかな。聖騎士が、通常ルートを外れた所にも沢山いたよ」

「聖女巡礼?」


 なにそれ。

 聖女という言葉に少し反応しちゃう。


「聖女が各地を癒して回るんだ。今はどこにも連絡が取れないから、違うかもしれないけど」


「へぇ。聖女様って大変なお仕事ですね」


 ふーん。聖女になるとそんな事までするんだ。


「関わると面倒だから、下山(げざん)は少しルートを変更する事になるだろうね」

「ご配慮ありがとうございます」

「ふふん。マリーの為なら全然平気だよ」


 やけに機嫌がいいな。

 狩りが上手くいったのかな。


 それにしても山頂付近は流石に寒い…。

 師匠は寒がりだから、結界魔法の暖房をもう少し…。


 おおお。このくらいかな。

 いい感じで暖かくなった。


「嬢ちゃんの空調結界の調節は、絶妙だなぁ」

「えへへ。師匠の訓練のおかげで、繊細に魔力が(あやつ)れるようになったんです」

「そうか、そうか」


 嬉しそうに師匠が目を細める。


「はい。あの頃はやっている事の意味が分からず、ただの嫌がらせかと思ってました。てへ」

「ほう」


 あれ、なんか師匠から殺気が出てる気がする。


「いや、ちがくて。あれ? お風呂の準備してきまーっす」


 こんな時は逃げるが勝ちだ。

 つい本音が…てへ。



----


 ふふふ。毎日が楽しいなぁ。家を出たら世界が広がった。

 でも、この山を超えたらすぐ王都なんだよなぁ。


 手から出るお湯を眺めながら、過ごした日々を思い返す。


 あ、お湯が(あふ)れた。



「じゃあ先にお風呂入ってきますので、お料理の方はよろしくお願いしますねー」


「「「「おー」」」」


 ぷっ。お揃いのエプロンとかプレゼントしたくなるな。

 私の為にデザートにも凝りだして、みんなの料理の腕が上がった気がするし。



 天候が落ち着くまでって事は、滞在が少し長くなるのかな。

 後で自分の個室を豪華にしちゃおっと。


 最近はダンスのレッスン迄してくれて、私は本当に恵まれている。

 代わる代わるみんなとダンスが出来て楽しいけど、最後は小さな私を振り回して終わるから、何とも言えないけどね。


 息抜きも必要だし、みんなが楽しいならいいけどさ。


読んでいただきありがとうございます。

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誤字報告ありがとうございます!!


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― 新着の感想 ―
そもそも5歳児とダンスとか無理じゃない?座ってやるのかな?膝立ちでも難しいと思うけど……
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