山頂付近で楽しい野営
「今日から天候が落ち着くまで、この横穴で野営だ。マリーは結界を張った後、いつもの準備を頼むわ」
「はーい」
今日はルートの安全確認の途中で、素敵なお花畑を見つけたってフェルネットさんが、沢山お花を摘んで来てくれた。
なので結界の中はとてもいい香りがする。
やっぱりお花のある生活って潤うよね。
「俺の部屋にも花を飾ってくれたのか?」
「ふふふ、ガインさんの部屋は多めですよ」
「フン」
なんだかんだで嬉しそう。
フェルネットさんが「照れ屋だよねー」と笑う。
「そういえば聖女巡礼があるのかな。聖騎士が、通常ルートを外れた所にも沢山いたよ」
「聖女巡礼?」
なにそれ。
聖女という言葉に少し反応しちゃう。
「聖女が各地を癒して回るんだ。今はどこにも連絡が取れないから、違うかもしれないけど」
「へぇ。聖女様って大変なお仕事ですね」
ふーん。聖女になるとそんな事までするんだ。
「関わると面倒だから、下山は少しルートを変更する事になるだろうね」
「ご配慮ありがとうございます」
「ふふん。マリーの為なら全然平気だよ」
やけに機嫌がいいな。
狩りが上手くいったのかな。
それにしても山頂付近は流石に寒い…。
師匠は寒がりだから、結界魔法の暖房をもう少し…。
おおお。このくらいかな。
いい感じで暖かくなった。
「嬢ちゃんの空調結界の調節は、絶妙だなぁ」
「えへへ。師匠の訓練のおかげで、繊細に魔力が操れるようになったんです」
「そうか、そうか」
嬉しそうに師匠が目を細める。
「はい。あの頃はやっている事の意味が分からず、ただの嫌がらせかと思ってました。てへ」
「ほう」
あれ、なんか師匠から殺気が出てる気がする。
「いや、ちがくて。あれ? お風呂の準備してきまーっす」
こんな時は逃げるが勝ちだ。
つい本音が…てへ。
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ふふふ。毎日が楽しいなぁ。家を出たら世界が広がった。
でも、この山を超えたらすぐ王都なんだよなぁ。
手から出るお湯を眺めながら、過ごした日々を思い返す。
あ、お湯が溢れた。
「じゃあ先にお風呂入ってきますので、お料理の方はよろしくお願いしますねー」
「「「「おー」」」」
ぷっ。お揃いのエプロンとかプレゼントしたくなるな。
私の為にデザートにも凝りだして、みんなの料理の腕が上がった気がするし。
天候が落ち着くまでって事は、滞在が少し長くなるのかな。
後で自分の個室を豪華にしちゃおっと。
最近はダンスのレッスン迄してくれて、私は本当に恵まれている。
代わる代わるみんなとダンスが出来て楽しいけど、最後は小さな私を振り回して終わるから、何とも言えないけどね。
息抜きも必要だし、みんなが楽しいならいいけどさ。
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