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聖女の加護を双子の妹に奪われたので旅に出ます  作者: ななみ
第一章 旅立ち編

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山越えの戦い

 ぐわぁぁぁ。


 猛スピードで襲ってくる、視界に入りきらないほどの大きな熊。

 あまりの規格外に腰が抜ける。


 フェルネットさんが私にウィンクし、余裕の笑みで結界を展開すると、熊の動きが急に遅くなった。

 ガインさんが一瞬で熊の懐に入り、火を(まと)った剣で足を切りつけ膝を突かせる。


 痛みで暴れた熊の鋭い爪が師匠を狙う。

 師匠は大きく飛んで避けた後、双剣をクロスにして、熊の爪を根元から次々と切り落としていった。



 すごい爪切りだ。


 言葉にするとダサいけど、実際はすごい迫力。



 岩に駆け上がったハートさんの放つ大量の矢は、放物線を描かずまっすぐ熊の目に突き刺さる。

 だけど毛が固いのか他の場所は弾かれた。



 フェルネットさんが熊に別の結界を張り頭を固定すると、ガインさんがお腹のあたりに剣を突き立てグイっと切り裂く。


 そこにハートさんの放った黒っぽい矢が一気に何十本も刺さり、ガインさんは別の場所にも剣を突き立て切り裂いた。



 頭を固定された熊は、ブンブン腕を振り回して暴れてる。


 両手の爪が師匠により切り落とされたので、切り裂かれるリスクはなくなったけど、あれに殴られたら死ぬと思う。


 師匠が暴れる熊の腕を踏み台に飛ぶと、熊の首に手を当ててゼロ距離で鋭い水の刃を連続で放つ。


 すぐにハートさんが師匠に代わって同じ場所に風の刃を連続で放つと、熊の首が落ちてやっと熊が倒れてくれた。



 めっちゃドキドキしたし、息するの忘れてたよ。


 頭の中でピコンピコン鳴ってるから、レベル沢山上がってそう。



「もう出てきていいよ」


 ハートさんが私を呼ぶので急いで駆け寄った。


 いつも誰かが一刀で倒してたから、こんなに苦戦する戦いを初めて見てびっくりしたし。


「いやぁ、思ったより毛が固くて苦戦したな。おかげで魔力がすっからかんだわ」


 師匠の魔力がすっからかん?

 慌てて師匠に魔力の回復薬を渡すと、嬉しそうに頭をポンポンされた。


 フェルネットさんとハートさんにも魔力回復薬を差し出すと「ありがとう」って二人とも腰を下ろす。


「ガインさん、お怪我は無いですか?」


「おお、ちょっと折れたから頼むわ」


 お、折れた? いつ?


 回復魔法をかけると「助かった」と私に笑いかけ、腕をぐるぐる回して「シドさん、少し休んだら、爪の洗浄を頼みます」と言って熊の解体を始めた。




 山にはこんなのがごろごろいるのか……。


 最短ルート恐るべし。

読んでいただきありがとうございます。

評価、いいね、ブックマーク頂いた方感謝です。

誤字報告ありがとうございます!!

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