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エッセイあれこれ

こどもは描写(地の文)を読まない

作者: 荒野ヒロ
掲載日:2026/02/09

ある年ごろに、読書の内容を変えようと意識したときがありませんでしたか?

それは「自分を試そう」という意識が生まれたのかもしれません。

精神的な成長を獲得するプロセス。

読書の傾向によって、その人の精神や心が影響を受ける(形作られる)のは間違いありません。

 経験や語彙ボキャブラリーのすくないこども。

 本を自発的に読むこともないこどもは読解力も低い。

 そのようなこどもの読解力では、描写を読み取るだけの力はありません。

 さらには経験もすくないと、文章から想像できる物事にも偏りが出ます。

 山林を歩いたことのない人に、森の中の詳しい情景説明をしたところで、実感をともなわないものになるでしょう(想像の域を出ない読書にならざるをえない)。

 だからこどもは地の文を見るだけで拒否したがります。



 マンガの影響を強く受けたこどもはユニークな、クセの強い、極端な個性を持ったキャラクターを好みます。

 だから現実に即した登場人物などを出されても、退屈に感じるでしょう(心理的な機微が理解できない)。



 読書量のすくないこどもは、第1話の書き出しに地の文を多用しているだけで、否定的な反応をしがちになります。



 語彙力のない未熟な思考力では、字から物事を読み解く(想像する)ことができません。

 なぜなら思考(思い描くこと)は言葉(文字)で行われるからです。


 こどもの想像力がよく「おとなには想像もできない自由さを秘めている」みたいに言われますが、それは知識を持つことによる固定観念がないからです。

 無知だからこそ、自由に頭の中にある数すくない物をあれこれと、自分勝手に組み合わせるわけです。

 そこには定型(常識的判断など)となるものがありません。



 自分の知らない、理解できない難しい言葉を並べられると、「自分には理解できないことを書いている」といった考えに走って、そこに書かれたものを理解しようとする前に拒絶するこども。

 細やかな文章表現などを理解しようとせず、拒絶ばかりしているとしたら、そのこどもは文盲もんもうになるかもしれません。


 そうした読書の仕方を反省しないかぎり、楽しいだけのマンガや、軽い読み物だけを読みつづけるようになるでしょう。

 こどもの多くは、興味のあるもの以外を否定するような頭の働きになりやすく、こうした頭の使い方に染まれば、当然おとなになっても変わりません。



 言葉を学び語彙を増やすことは、思考力を養う足がかりになります。

 拒絶することばかり覚えてしまうと、自分を狭いかごの中に閉じこめる結果になります。

 いまの自分に理解できないものは、いつか「自分が成長したときに理解できるもの」と考えるべきでしょう。



 * * * * *



 なぜこどもはこどもなのか?

 簡単な答えがあります。


 こども(すべてのこども、というわけではない)は、近しい精神年齢のこどもとは仲よくなるもので、これをよく「精神年齢が同レベルの者同士仲がよい」といわれることの本質にあります。


 おとなに反抗するようなこどもや、おとなと距離をとろうとするこどもは、()()()()()()()()()()()()()()()と言えます。


 賢いこどもの多くは、こどものコミュニティだけで賢くなったわけではないでしょう。習い事などは、おとなとの数すくない接点です。


 そうしたなんらかの「場」を与えられ、学びの機会に触れてきたこどもは、知識が豊富であり、技術的にも優れたものを得ている可能性が増えるでしょう。

 正しい知性のあり方とは、そうした学びの場に触れる機会を持ち、正しい心情で学ぶことで獲得できるものです。


 読書も同じで、はじめからなんでも読み解けるこどもなどいません。

 きちんとした読解力を養う機会を得て、成長した心と理解力を手に入れてはじめて、多くの作品に共感し、楽しめるようになるのです。


 読書とは、そうしたおとなとの接点(学びの機会)に似た部分を持ちますが、ただやみくもに自分の好きな物だけを読んでいては、狭い理解しか得られないでしょう。

地の文を楽しめる人は人生経験が豊かであったり、想像力が豊かな人です。

ただ知識を得るだけでなく、学びと共感を同時に発掘できる人は読書家と言えるでしょう。


ちょっと乱雑な内容になってしまったかな。

実はこのエッセイの裏のテーマは、「こどもはSNSに触れさせるべきじゃない」という部分があります。

SNSを見ずに本を読め、人と触れ合え。ということです。

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