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社畜おじさん、仕事を辞めて辻ヒーラーになる。  作者: 七渕ハチ
第二章『回復代行結社でござる』

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第53話 ギルドホーム

「もしイベントで名前を隠すのであれば、ギルドの管理画面で設定できるはずですよ」


 プレイヤーのギルドには検索機能が備えられており、所属メンバーなどが見えている。設定に目を通すと言われた通りメンバー名を隠せた。こんな細かいカスタマイズにも需要はあるようだ。


 キュル助名義での参加を覚えてくれていたみたいだが正直、隠さなくてもわざわざ検索を行うプレイヤーがいるとは思えない。隠す理由にしてもギルドに入りたい人が殺到したら困るという、あり得ない想定を心配するぐらいだった。


 コヨミさん以外にメンバーへ誘える相手はおらず、前回のイベントとは違って数的不利になる。紅騎士団のように数が多いのとは逆の悩みだ。さすがに上位入賞にはならないだろう。


 ただ、こっそり回復を撒く遊び方は続けたい。これも忍者を見習ったロールプレイと考えギルドのメンバーは非表示にしておく。回復代行より秘密結社の色が強くなるが嫌な気はしなかった。


「ではギルドホームに行ってみるでござる!」


 ホーム、つまりは拠点を持てるのがギルドの特典に当たるのか?


「確かポータルからの移動だったかと!」


「行きましょう」


 一軒家がイメージに浮かんで前のめりになる。予期せずの内容で新たな楽しみに出会ってしまった。


 景観のいい場所に別れを告げてポータルへ早歩き気味に向かう。イベントにしろ、やることが増えて嬉しい悲鳴だ。


 噴水広場のポータルに戻って触れるとホームへの移動項目が表示される。選択すると浮遊感の後に真っ白な部屋へ下り立った。


 おそらく二十畳ほどで何もオブジェクトがないため広さを感じる。奥にも同様の部屋があって、手前にはシンプルな木製ドアが取り付けられていた。


「ほほう、いい広さですね。家具や壁紙などのアイテムは、かなりの数があると聞いています。部屋同士に高低差をつけたり自由度は高いので色々お試しください!」


 内装を自分好みに変えられるのは朗報だ。居心地のいい空間にすれば調合もきっと捗る。



≪プライベートルームへ入りますか?≫



 外に出られるのかと思いドアに行くと個人部屋だった。家のように外観までは用意されていないらしい。


 ともかく、しばらくはイベントへの備えだ。回復系のアイテムを集めて支援の手段を充実させたい。



≪運営よりお手紙が届きました≫



 急なシステムメッセージに驚きながらもメニューを開いて確認する。手紙の題名にはイベントのお知らせと書かれていた。公式サイトでの発表が先で順次プレイヤーに手紙が送られてくる流れのようだ。


「開催日は三日後なんですね」


 長い文章を流し見する。最後には前回と同じで参加申請ボタンがあった。


「手紙が届きましたか。拙者のほうにもきたでござるよ」


 準備期間は十分。ホームに手を加えつつモチベーションを高めていこう。


「参加の申請をしますが大丈夫ですか?」


 どうもギルドマスターと呼ばれる役職がメンバーを選ぶ形だ。馴染みのない代表作業だが、コヨミさん一人なら気負わずにできた。


「よろしくお願いします!」


 参加のボタンを押して受付が完了したのを確かめる。後で詳細なイベント内容も見ておかなければ。


「実は火薬を見つけて煙玉が作成できました」


「おお! それは素晴らしい!」


 ボムロックの居場所や仕掛けなど、忘れずに報告をする。


「ふむふむ、入手にひと手間かかるわけですか」


「一度使ってみてください」


「かたじけない!」


 効果を試してもらうために煙玉を手渡した。コヨミさんの方が気づけることは多いはずだ。




 ◇




【DAO】幸運の妖精おじさんPart4


50 名前:名無しの古代人

   神は我らを見捨てたか


51 名前:名無しの古代人

   そういえば最近報告がないな


52 名前:名無しの古代人

   序盤エリアを抜けると世界が広がるし

   遭遇するのも難しくなるだろ


53 名前:名無しの古代人

   信じる者は救われるのだ


54 名前:名無しの古代人

   とは言っても出会ったことがないから気になる


55 名前:名無しの古代人

   辻ヒール自体が珍しくなった行為というね


56 名前:名無しの古代人

   薄情な世の中は現実だけで十分

   だから祝福をください


57 名前:名無しの古代人

   ヘイトが飛ぶ場合もあってな

   迷惑行為に当たりかねないのがまた


58 名前:名無しの古代人

   古の文化なとこはある


59 名前:名無しの古代人

   実際はありがたいことのほうが多いんだが


60 名前:名無しの古代人

   トラブルを考えるとやらんわな

   変なのに絡まれると厄介だし


61 名前:名無しの古代人

   このスレにいる時点で厄介者では


62 名前:名無しの古代人

   信仰心のないよそ者が出たぞ


63 名前:名無しの古代人

   辻ヒール歓迎表示の実装を望む


64 名前:名無しの古代人

   隠れてやるのは筋金入りだ

   まったく姿を現さないところが妖精たる所以か


65 名前:名無しの古代人

   すでに透明化なりの手段を持ってるんだよな

   かなりの熟練者じゃ?


66 名前:名無しの古代人

   調合にはありそうだけど

   まだレシピすら出回ってないはず


67 名前:名無しの古代人

   そもそもプレイヤーの尺度で語るのが間違い


68 名前:名無しの古代人

   NPC説を推す過激派が出たぞ


69 名前:名無しの古代人

   始まりの村近辺のみだとシステム的な補助の線もあった


70 名前:名無しの古代人

   確か坑道での報告を見た覚えが

   毒の回復までしてくれたとか


71 名前:名無しの古代人

   俺の元にはいつ髪が訪れるのか


72 名前:名無しの古代人

   ≫71

   お前が失った髪は二度と戻らない


73 名前:名無しの古代人

   誤字だけど誤字じゃないやつ


74 名前:名無しの古代人

   ハゲのためにあたいが一肌脱ぐか

   ロリキャラで見栄を張ったイケメンキャラに回復してやんよ

   しゃーなしだぞ


75 名前:名無しの古代人

   ロリの俺が回復したら喜んでくれたぞ

   こっち見た途端肩を落としたが


76 名前:名無しの古代人

   ロリは変態男としか見られてない


77 名前:名無しの古代人

   ここに偏見を持った悪い大人がいます


78 名前:名無しの古代人

   やっぱりおじさんしか勝たん

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