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社畜おじさん、仕事を辞めて辻ヒーラーになる。  作者: 七渕ハチ
第二章『回復代行結社でござる』

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第49話 調教スキルと怪しい岩

≪クロ蔵のレベルが上昇しました≫


『レベル』 2

『体 力』33/33

『精神力』66/66



 回復の他、攻撃力と防御力の上昇スキルを試しているとクロ蔵のレベルが上がる。効果は期待通りで精神力を消費しないため気軽に扱えた。


 今度はキュル助も飼育管から出して先を進む。ペットが増えたことで単純に戦力は上がった。二体のスケルトンが出てきても避けずに挑戦する。


「トリガー、詠唱」



――シュンッ!



「トリガー、ヒール。行け、キュル助。行け、クロ蔵」


「キュル!」


「クカー!」


 魔導書へ回復魔法をストック後に、ターゲットをそれぞれ変えて向かわせた。操作や考える工程は多くなるけれど、自分が直接武器を振るうよりは簡単だ。


 ペットの画面で体力の数値を見ながら戦う様子にも目を配る。この程度は手慣れたものになってきた。


「トリガー、チェリッシュボディ」


 最大体力が低いクロ蔵へまずは調教の回復スキルを使った。クールタイムを考慮すると順番は正しいはず。ただ、緊急時に備えて温存する手もあった。その場その場で臨機応変に行うのが大事か。


「トリガー、ヒール」


 タイミングを見てキュル助に回復魔法を解放する。相手がスケルトンなら回復は一度で間に合う。



≪キュル助のレベルが上昇しました≫


『レベル』 4

『体 力』75/75

『精神力』60/60



 倒し終えると、地下道での経験値が溜まっていたのかキュル助のレベルも上がった。ペットを育てていると感じられるのも調教のいいところだ。


 そこでクロ蔵が持つスキルを思い出す。スケルトンはいくらでも湧いてくるのでクロ蔵を向かわせ使ってみた。


「トリガー、アブソーブエレメント」


 何が起こるか期待を胸に待っていると、そのままスケルトンを倒してしまう。音声コマンドが上手く機能しなかったのを疑うが名称はおそらく合っていた。


 自分なりに流暢な発音を繰り返し目指すがクロ蔵の行動は平常運転だった。次はメニューから直接コマンドを選ぶも反応なし。親愛度などの内部数値が影響するスキルもあるのだろうか。


 試すにも何をすればいいのか思いつけない。きっとそのうち分かると、楽観的とも諦め半分とも言える心境でペット頼りにモンスターと戦っていく。ペンリルで駆け抜けるのもいいが地道な経験値集めも必要だ。


 そして、景色に変化が訪れた。大きな岩々が山々となり地面が小石を含んだ砂混じりの土になっている。エリアの名称は熱籠りの岩場で、踏み入って早々に新しいモンスターと出会った。


 一メートルほどの岩で全体に赤い亀裂がある。部分的に顔のように見えるのは不気味だが、名前と合わせたときに確信した。ターゲットにはボムロックと表示されている。これで爆発しないわけがなかった。


「行け、キュル助! 行け、クロ蔵!」


「キュルル!」


「クカーッ!」


 数は正義。二体で攻撃に行かせて回復魔法をストックする。


「グゴゴゴゴ!」


「トリガー、ディフェンシブチアリング!」


 ボムロックの身体が震えて地鳴りに似た音が聞こえてきた。まさか自爆の予兆ではとの嫌な予感に、クロ蔵へ防御力上昇のスキルを慌てて使う。


 しかし、ごろごろと地面を転がる攻撃に出るだけで無用な心配だった。宙に浮いているクロ蔵には当たらないタイプで、反撃を受けたのはキュル助のみ。スキルを使う対象を間違えたようだ。


「トリガー、オフェンシブチアリング!」


 相手の体力バーを見ているとダメージが通りにくいのか中々減りづらい。周囲を移動する関係でクロ蔵の方が追いやすく、攻撃力上昇のスキルでサポートする。


 爆発を警戒しながら飼育管を手に、いつでも緊急退避できる準備を忘れない。慎重に回復を行っていると時間はかかったがボムロックを無事に倒し切れた。


「……」


 少し待つが残念なことに、ドロップ品に関するシステムメッセージは流れなかった。火薬はレアなアイテムに分類されるのか?


 あんな姿形で爆発に無関係とは考えにくい。何度も試して確かめるべきだろう。




 ◇




【DAO】総合スレPart156


124 名前:名無しの古代人

    これ武器種ごとに属性が決まってる?


125 名前:名無しの古代人

    だとしたら複合スキルの当ても付くな

    店売りのない秘伝書魔法書ドロップ問題はあるが


126 名前:名無しの古代人

    おじさんのキャラが音声コマンドに手間取ってるの見たわ


127 名前:名無しの古代人

    スキル談義中に差し込まれる突然のおじさん目撃情報


128 名前:名無しの古代人

    たまにおじさんがいたって報告あるよな


129 名前:名無しの古代人

    わりと珍しいし

    普通はしないキャラメイク


130 名前:名無しの古代人

    ダンディ系ならわかるけど

    普通のおじさんってどんな心境だよ


131 名前:名無しの古代人

    疲れてそうな見た目は時に癒しとなるのだ


132 名前:名無しの古代人

    おじさんはともかく音声コマンド自体は優秀な気がする


133 名前:名無しの古代人

    多少は噛んでも許されるしな


134 名前:名無しの古代人

    設定項目が細かいのは助かる


135 名前:名無しの古代人

    軽視するゲームって意外と多いんだよな


136 名前:名無しの古代人

    声を出す気持ち良さを知ってほしい


137 名前:名無しの古代人

    ショートカットキーで済ましがちなんだが

    叫ぶの恥ずかしい


138 名前:名無しの古代人

    誰も気にしてねーよ


139 名前:名無しの古代人

    自分を解放しろ

    どうせゲームだ


140 名前:名無しの古代人

    一度はひと目を気にせずに叫んでみてくれ

    裸にコートを着て外を歩くのに似た快感があるから


141 名前:名無しの古代人

    ≫140

    変態乙


142 名前:名無しの古代人

    PVPに備えるとショートカットキーのほうが発動速くね?


143 名前:名無しの古代人

    良し悪しだろ

    戦闘中にポチポチ指を動かすのは隙にもなる


144 名前:名無しの古代人

    音声コマンドと見せかけて別のスキルを発動させるんだ


145 名前:名無しの古代人

    だまして悪いが戦法は使える気がする


146 名前:名無しの古代人

    まだまだ煮詰まってないし

    何を言われても対応する知識がな


147 名前:名無しの古代人

    やはり技名を叫ぶ浪漫に勝るものなし


148 名前:名無しの古代人

    オリジナルスキルを叫んで驚かせていけ


149 名前:名無しの古代人

    トリガー! エターナルフォースブリザード!


150 名前:名無しの古代人

    相手は死ぬ


151 名前:名無しの古代人

    後で恥ずかしくなって自分も死ぬ

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