92話 スレイヤーのお仕事⑪
修練場に向かう途中でパティも見つけた。
カフェでケーキを幸せそうに食べていたので、
「後で来ないか?」
と誘うと、
「修練?行く行くっ!」
と喜んで着いてきた。
「修練が好きなのか?」
「好きではないけど、昨日のことを振り返るとまだまだだからね。」
と前向きな発言をした。
「えらいぞ。」
と、頭をポンポンと優しく叩いておいた。
「へへっ。」
パティは照れ笑いをしている。
「シス、タイガさんってたらしよね?」
「うん。私もそう思う。」
「ん?」
何か名前を呼ばれた気がして後ろの3人を見た。姉妹は目をそらし、アッシュは腹を抱えて笑っていた。
何なんだ?
修練場にはすでに何名かのスレイヤー達がいて汗を流していたが、アッシュと俺を見るなり
「ヤバイのが来た!」
「緊急避難だ!巻き込まれたら死ぬっ!」
とかほざいて必死な顔で散っていった。
君たち失礼ではないか?
「さてと、修練だが俺とタイガの真剣勝負だよな?」
「アホかっ。ギルマスとギルマス補佐が真剣勝負するギルドなんて聞いたことないわ。」
「えっ?違うのか?」
こいつは···
「ここにいるシスに剣を教えてやって欲しい。俺は刀剣士だからベースが少し違う。将来有望なスレイヤーを育てるのもギルマス冥利につきるだろ?」
「なんだ、そうなのか?まぁ、人に教えるのは嫌いじゃないから良いぞ。」
「助かる。」
「その代わり明日の件はお前に任せるからな。」
ニヤッと笑いやがった。
この野郎、今度はデスソースを投入してやる。
「私達はどうするのですか?」
「テスは後衛、パティは前衛で俺を攻撃してくれ。全力でやってくれて良い。」
「えっ、マジで?」
テスの質問に答えていると、パティが全力での修練と聞いてなんか瞳を輝かせだした。
もしかしてこいつもバトルジャンキーなのか?まあいいや。
「マジだ。動く標的との攻防は良い実戦訓練になるし、コンビネーションも養える。シスと3人でならパティの支援や回復魔法も活かせるからレベルアップをすれば最強の布陣だ。」
「そっか!3人でお互いを補強しあえるから攻撃のパターンが一気に増えるんだ。」
「私もパティさんと並べるようにがんばります!」
やる気を出してくれて何よりだ。
これでレベルアップをしてくれれば、俺は気兼ねなく遊撃ができるようになる。




