84話 スレイヤーのお仕事③
職員が帯同するスレイヤーを連れてくると言うので俺は装備を整えるために2階に上がった。ギルマス補佐特権で施錠ができる専用ロッカーをもらったのだ。
買い揃えていた装備は自宅から移動をさせてここに保管している。
鋼糸で補強されたベストと黒のロングコート、ブーツを着用し、肩から革の鞘入れをたすき掛けに着ける。
武装は蒼龍を背中の鞘入れに納め、警棒2本とダガーはベルトにケースごと吊るした。
所有している武器のフル装備だ。
色彩はほぼ黒で統一しているので、髪の色と含めて考えるとちょっと重たい感じになる。
今度何かワンポイントになる小物を買おう。
受付の方に戻ると2人の若い女の子がパティと話をしていた。顔が良く似ているのでたぶん双子か姉妹だろう。
「お待たせ。」
声をかけるとパティがこっちをみて笑顔を見せた。
「あの時に買ったやつだね。」
「うん。パティに見立ててもらったやつだ。」
「似合う。」
「ありがとう。」
2人に視線を移すと驚いた顔をしている。
「同行するタイガ·シオタだ。よろしく。」
「ギ···ギルマス補佐が同行してくれるんですか!?」
髪をポニーテールにしている方が恐る恐るといった感じで話しかけてくる。茶髪で少し気の強そうな顔つきをしている。
「そうだよ。嫌かな?」
「そ、そ、そんなことはありません!」
なんか怖がってないか?
「ギルマス補佐様、初めまして。テス·フェルナンデスと申します。こちらは姉のシス·フェルナンデスです。緊張をしているので言動がおかしいとお思いでしょうがお許し下さい。」
隣のおかっぱ頭が姉のシスに代わってあいさつをしてきた。こちらはしっかり者のようだが、なんとなく危険な香りがする。少し腹黒い感じだ。
「フェルナンデス家と言うと子爵家の?」
「はい。貧乏貴族ですが···。」
「そっか。じゃあ行くか。」
貴族の家の事情に深く関わる気はないので適当に話を終わらせた。
「················。」
テスはもっと話を広げろという眼をしている。こういうタイプはかまって欲しいという困ったちゃんが多い。
そんな風に無言で見つめられても知らんぞ。




