81話 学校に行こう⑱
証拠となる資料を押収した。
時間は既に18時近く。
あたりは薄暗い夕闇が迫っている。
「一度ギルドに戻って今後のための協議をしておいた方がいいな。」
アッシュの言葉通り、慎重に構えなければならない証拠を手にしてしまった。
マイク·ターナーの研究は悪用をしようと考えるなら生物兵器としての流用ができる。この世界にもそんなヤバい薬に手を出そうとする奴はいるだろう。
他のメンバーと合流してギルドに戻ってきた。
ギルマスの執務室にはアッシュとリルと俺の3人だけがいる。
「衝撃的な内容ね。」
「ああ。これはあまり公開して良いものじゃない。生成方法については詳しくは書かれていないが、模倣する奴が出てくるかもしれん。」
珍しくアッシュが真面目なことを言っている。普段はちゃんとギルマスをやってるんだな。
「チェンバレン大公とターナー卿への報告についてはどうするんだ?」
マイク·ターナーが死去した件はすぐに伝わるだろう。
詳細報告が遅くなれば余計な推測を生み、王城内が荒れるかもしれない。
「その件なんだか···先ほど大まかな内容が学院側からチェンバレン大公とターナー卿に伝えられたらしい。」
「どうやって?」
「水晶を媒介にして相互通話ができる魔法があるのよ。」
水晶って、あの銀行のATMみたいなやつと同じ仕組みか。この世界でも電話みたいなものがあるんだな。すげぇ。
「国の要職についているターナー卿の嫡出子が学院内で変死したんだ。学院側も秘匿するような真似はできないだろう。何せ理事長は大公閣下だしな。」
「そうなのか?」
「チェンバレン大公は人材教育こそ将来の国の繁栄につながると唱えている方よ。貴族や平民の区別なく同等の教育が受けられる体制を作られたことでも有名だわ。」
コンコン!
ドアがノックされた。
ギルド職員が伝言を伝えるためにやって来たのだ。
「先ほどターナー卿から連絡が入りました。チェンバレン大公とこちらに向かわれるそうです。到着は3日後の予定とのことで、ギルマス補佐との面談を希望されています。」
「·············。」
「ご指名だな。よし、今回のことはタイガに任せた。」
ばかやろう、おまえも参加だよ。




