68話 学校に行こう⑤
気がつくと正午前だった。
横ではパティが机に突っ伏して昼寝をしている。
耳にふーっと息を吹きかけてみた。
ビクッと体を震えさせて起きるパティ。
「おはよう、パティ。」
「あ···おはよう···。」
耳が気になるのか、しきりに触っている。
反応がかわいい。
くせになりそうだ。
「リルと合流してランチに行こう。」
「うん。」
待ち合わせ場所である本館の入口に向かう。
「目当ての本はあった?」
リルはすでに来ていた。
「ごめん、待たせた?」
「いえ、大丈夫よ。」
「そっか。読みたい本が多すぎて午後も入り浸る予定だよ。」
「読書好きなの?」
「嫌いではないかな。」
そんな話をしながら、まだ眠そうなパティと3人で本館の奥にある食堂に行く。
名門校だけに生徒数も多く、食堂の広さもかなりのものだ。今は7割近くが塞がっている。
「教職員と来賓の席は向こうよ。」
ランチを頼んで席まで運ぶ。
途中でパティが後輩達に声をかけられ、久しぶりなので同じ席で食べてくると言って離れていった。
「タイガ。」
名前を呼ばれたので振り向くと、ランチのトレイを持ったフェリがいた。
「フェリも今からか?」
「うん。御一緒させてもらうわ。」
食堂中から視線を感じる。
「あの背の高い人、リル先生やフェリさんとどういう関係なのかしら?」
「黒髪ってめずらしいね。」
「あの人だろ?ギルドの認定官をまとめてフルボッコにしたの。」
そんな感じの声がいろんな方向から聞こえてくる。
と言うか、フルボッコって言ったのは誰だ?お前をボコるぞ。
「もう有名人ね。」
リルがおもしろそうに言ってる。
「ランクSってそんなにすごいのかな?」
「そうね。大陸中を探しても10人といないわ。」
「ランクAでも騎士団の小隊と対等に渡り合えるというのが共通認識なの。ランクSだと大隊クラス並みの戦力と言われてるわ。」
「マジか···。」
大隊って人数で言えば300から1000人規模の戦力だ。それは注目をされてもおかしくないかもね。
「今度は1000人斬りにチャレンジしてみようかな。」
「「それはやめて。」」
冗談で言ったら2人に本気で止められた。
なんかゴメン···。




