57話 閑話 ~歓迎会⑤~
「そう言えば一昨日の模擬戦を見てたけど、タイガって何であんなに強いの?」
見てたんだ···ボサボサの髪。
「何でって言われても何でだろうな?」
「質問で質問を返すのずるくない?」
プンスカと怒りだした。
この世界では成人をしている年齢なのだが、こういうところはお子ちゃまに見える。
「大太刀がメイン武器って聞いたけどあの時に使ってたのは警棒だし、アッシュの炎撃に正面から飛び込んでも無傷だし、タイガってどんだけ強いんだよ。」
リルの妹だから誤魔化してもすぐにばれるだろう。
「内緒の話なんだけど···。」
「···じゃあ、そっちの席に行く。」
パティは俺の隣に座り体を密着させてきた。胸が腕にあたる。
ああ、柔らかい。
「これで内緒話も大丈夫。」
そう言って耳を近づけてきた。
これは···俺はパティの耳に
ふぅ~
と息を吹きかけた。
「ふぁぁぁぁ······。」
パティが口を開けて小さな声で悶えた。
「な···ば···ばかぁっ!何するんだよぉ!!」
顔を真っ赤にしたパティに顔面を殴られた。
かわいいからつい···。
ごめんなさい。
パティと2人でギルドに入った。
ホールには今日の歓迎会のために多くのスレイヤーがいる。
カフェスペースからフェリが手を振っているのが見えた。
「もう来てたんだ。」
「うん。遅かったね···って何で鼻にティッシュをつめてるの?」
「···不慮の事故だ。」
とっさにそんなことを言うとパティが反論した。
「あれはタイガが悪いよ!ほんとビックリしたんだぞっ!!」
「···パティ、俺が悪かった。頼むからもう忘れてくれ。」
「しょうがないなぁ。そのかわり今度模擬戦の相手をしてね。」
そんなやり取りをしているとリルが話に加わってきた。
「パティもタイガと仲良くなったのね?」
「うん。一緒にお茶してきた。」
無邪気に姉と話すパティを見ながらフェリは
「またライバルが増えた?」
と人知れずつぶやいた。




